親方の独白。【テレビ朝日『貴乃花親方 緊急特番』】

さる2月7日に、テレビ朝日が『独占緊急特報!! 貴乃花親方すべてを語る』と題する緊急特番を放送していました。

ネットのニュースサイトなどで概略は知っていましたが、私もやっと録画したものを再生して実際に見てみました。

「なぜ聞き手が山本晋也監督だったのだ?」という点については諸説あるようですが、2人の間には何らかの信頼関係が既に出来上がっていたんでしょう。

現に、肝心の貴乃花親方が話しやすそうだったので、そこは何よりだったと思います。

比較になってしまいますが、翌8日と9日にフジテレビ『直撃LIVEグッディ!』でも親方への独占インタビューを放送していましたが、聞き手(大村正樹さん)から投げかけられる質問に対して、親方はしばしば不快な表情をにじませていましした。

するどいツッコミをして相手から思わずこぼれる本音を引き出すというテクニックもある一方で、気分を害されてしまい通り一遍の受け答えになってしまうリスクがあります。

かと言って、ご機嫌をとりすぎて、独演会的に相手の答えやすいこと、話したいことだけをしゃべられても困ります。

インタビューって、本当に難しいものだと思います。

さて、肝心の貴乃花親方の発言ですが、これまで日本相撲協会サイド寄りからの情報をもとに伝えられて来た報道とは矛盾する点がいくつも含まれていました。

どちらの主張が真実(に近い)のかは私には分かりませんが、そもそも、この対立は今後どうやって収束されていくのか、全く想像できないのが気持ち悪いです。

最後は、貴乃花親方と八角理事長(元横綱・北勝海)が相撲でもとって決着をつけるしかないかもしれませんね。

それはそうと、親方が「相撲道」を語った部分は面白かったです。

「横綱とは何ですか?」と訊かれて、

「包容力です」

と即答するあたり、親方が相撲のことを深く考えているんだなということが感じられました。

一連の報道の中で、「親方は相撲を改革したがっている。でもその具体的内容が見えない」と批判するコメントがありましたが、番組内での親方の発言を聞いているぶんには、むしろ「どう伝統を守りながら現代社会に受容され続けられるか」を考えている人なんだと思います。

保守・革新でいえば、思いっきり保守ですよね。

親方にしてみれば、モンゴル出身系横綱が体現する「勝つことが大事、強いことが正義」というスポーツ競技的な考え自体が「伝統を踏みにじる悪しき改革」に見えているのでしょう、たぶん。

相撲はスポーツなのか、神事なのか、それとも興行なのか、はたまたそれらすべてなのか。

このあたりを整理整頓してからでないと、「横綱の品格」とか「張り手・かち上げで勝つのは横綱相撲じゃない」とか「暴力なのか“かわいがり”なのか」とか「八百長相撲疑惑」などのモヤモヤは解消しないのではないかと思います。

最後になりますが、貴乃花親方が「兄(元横綱・若乃花)との関係(疎遠であることがこれまでにも伝えられています)」について語る部分で、子供の頃(1980年)に受けたインタビューが回想としてオンエアされまして、そこがちょっと笑えたのでご紹介します。

聞き手:(2人に対して)あのね、パパとママにね、こうしてほしいと思ってること、ある?

花田勝さん、当時小学5年生):いや、ないです。(ちょっとモジモジして恥ずかしそうに)

(現・貴乃花親方、当時小学3年生):あ、ある!

(兄、「えっ何?」という興味津々の顔で弟を見る)

弟:こづかいをね、もっとね、高くしてほしい!

勝:僕も!(「あ、それがあった!弟よ、よく言った!」という嬉しそうな顔で)

聞き手:今いくらもらってるの?

弟:え、1日50円。

聞き手:いくらぐらい欲しいの?

弟:1日ぃ〜、1日300円ぐらい。

聞き手:今いくらもらってるの、勝(兄)は?

兄:1日50円。同じ〜。

聞き手:いくら欲しい?

兄:えっと、1万円〜。(笑い合う兄弟)

聞き手:そりゃ、くれないよ〜。

兄:えっとね〜、1ヶ月2,000円!

日額50円もらっているということは、月額で1,500円もらっていることになります。

それに対して弟(現・貴乃花親方)は、日額300円、つまり月額9,000円を要求したのです。現状の6倍です。

一方の兄(花田勝さん)は、日額10,000円という突拍子もない額を口走り、それを否定されて混乱したためでしょうか、月額2,000円(現状より500円高いだけ)というシミったれた要求にとどまってしまいました。

現在、不仲とされている兄の勝さんと、弟の貴乃花親方。

「子供の頃は、こんなに仲が良かったのだ」ということを伝えたかっただけだろうとは思いますが、「ちゃっかり弟と、オトボケお兄ちゃん」という世間の印象だけが強まってしまい、そのせいで両者の溝がさらに深まるのではないかと心配になった次第です。