バリ島に到着 〜 ミチヨの飛行機初体験記

Mother/夢見チヨ日記
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前回からの続きで、話はまだガルーダ・インドネシア航空の機内。

飛行機は定刻通りに離陸し、安定飛行に入って、飲み物やら食事やらがサーブされるが、ミチヨはなぜか手をつけようとしない。

そして僕が目を離した隙にスッチーに発したセリフは

「これ、いくらなんですか?」(日本語)

 

スッチーがインドネシア人だったため、事なきを得る。

あー、これもきちんと説明しないとダメだったかと思い、機内食は料金に含まれていることを教えてあげた途端、ミチヨの食欲は全開。飛行機酔い気味の父の分も平らげて、

「こぉんな美味しいお弁当食べられて幸せ」

とか。

べ、弁当とか言うな等、色々思うところはあったが、まぁ良しとする。

 

 

機内でのイベントが一段落すると、ヒマである。父は普段通り物静かに読書に勤しみ、僕はウトウトとしかけた頃。

 

ミチヨ:「下の方に青く見えるのは、ありゃ湖かい?」

僕:「み、湖? そんなの見える?」

 

と、母が指差すものを確認するが、どー考えても海。それを説明してやると、

ミチヨ:「ええ?おかしいじゃない?あんなに森があるのに、海なの?」

僕:「森?そんなのどこにあんの?」

ミチヨ:「あの白く見えるのは木に降り積もった雪だろ?」

僕:「はぁぁ?あれは雲だろ!」

ミチヨ:「ん?・・・じゃあ、地球っちゃぁ、空があって雲があって、また空があんの?」

僕:「・・・アンタ、小学校行かなかったの?」

ミチヨ:「いーきーまーしーたー!(怒)」

一応、まだボケてはいないと思うが・・・。久々の母と息子の会話は、色んな意味で衝撃的だった。そして、こういうやり取りに父は一切関与してこない。普段、こーゆー会話の相手しているから飽き飽きしているのだろう、納得。

 

 

そしてミチヨはトイレに行ったら行ったで帰ってこない。仕方なく様子を見に行けば、案の定、鍵の開け方がわからず閉じ込められてるし。。。

やれやれ。

次々と想定外の事件が起こるので、バリまでの7時間のフライトがあっという間だった。

 

 

こうしてバリ島はングラライ国際空港に無事着陸。

もわっとした南国の空気、そしてバリ島独特の匂いがなんともいえない懐かしさを感じさせてくれる。僕は初めてバリに来た時に、なぜか以前にも来たことがある気がして仕方なかった。不思議な縁を感じたことが、その後のリピートにつながったのだと思う。

しかも親子でバリ島に来られる日が来るなんて思ってもいなかったので、ちょっと感慨深かった。

父も「ああ、外国に来たんだ、っていう空気がするな」と旅気分が盛り上がった様子。ミチヨは初めて見るインドネシア人が怖かったらしく、目的地に着いたというのに急にテンションが下がる。

 

現地旅行会社の送迎車に乗り込んで、向かうは山間部にあるウブドという街。

空港から一度外に出れば、そこは喧騒にまみれた東南アジア。交通法規などあってないようなもの。今でこそ車が増えたが、当時はまだ大量のバイクが道を埋め尽くしており、しかも2人乗り3人乗りなんて当たり前。

親たちは、まずこの光景に絶句。ミチヨなんて

「小ちゃい子供をバイクの前と後ろに乗せて、危なくて見てられない」

と大騒ぎで、見てられないとか言いつつ、また3人乗りがいる、こっちにも、あ、そこにも、と3人乗りバイクウォッチャー化していた。

 

車の運転が荒かったので、父は怖くて仕方なかったらしく、手すりをガッチリ掴んでひきつった笑みを浮かべていた。「怖いやら驚くやらで、笑うしかなかった」と後日語っていた。

送迎車にはガイドさんも同乗していて、あれこれ説明しようとしてくれていたのだが、この異様な盛り上がりっぷりに負けて黙っていた。

 

空港からウブドのホテルまでは車で1時間強。辺りはすっかり日が暮れて、ホテルに到着したのは現地時間19時ころだったかな?

真っ暗な田舎道に忽然と現れるホテルのエントランスは、バリ島にありがちな質素な看板のみだったため、ミチヨは

「こんな寂しい場所にあるホテルに泊まるんかー、〇〇(僕)は昔からケチだったから仕方ない」

と思っていたらしい。

が、そこは息子も考えて、一応ちゃんとしたランクのホテルを予約。

洒落たロビーでウェルカムドリンクなんぞをいただくと、こんなもてなしを受けた事のないミチヨのみならず、父までもが大興奮して早速写真撮りまくり。ウェルカムドリンクの偉大さを実感。

 

ひとまず、ホテルのレストランで夕食。長旅で疲れてるし、慣れない土地の食べ物だから、生野菜は食べないように言ったのに、ミチヨはモリモリ食ってたので「下痢してもしらないぞ」と脅しをかける。

 

そうこうするうちに、バリダンスが始まったので、しばし鑑賞。

ガムランの響きの中、優雅に夕食をとって旅気分が一層盛り上がり、両親ともに嬉しそうだったのでひと安心。

 

親たちは実家を朝4時に出て、高速バスに飛行機に車に、遠路はるばる移動して、かなり疲れたはず。早く寝ようぜ、ということになった。

と思いきや。

部屋に戻ればシャワーとトイレが一緒なのは嫌だといってミチヨは不機嫌になり、シャワーを浴びれば、老眼な上にアルファベットが読めないのでアメニティの使い方がわからないと更に不機嫌になり、遅くまで父とすったもんだしていた。

息子は疲れ切ってしまい、この怒号も子供の頃に聞き慣れたものだったし、放ったらかして先に就寝。

 

いろんな意味で長い1日が終了。

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