「あおり運転」の原型?

先日、某総合病院に行った時の話です。

数十人が座れる広い待合室で、私も空いている椅子に座ります。

隣の老夫婦は、お互いに会話をすることもなく静かに着席していました。
その時はまだ。


で、数分ほど経って、奥様が旦那さんに話しかけ始めました。

奥様「携帯、持ってきたんでしょ?」

旦那さん「あぁ」

30秒ほどの沈黙があった後)

奥「どこかに置き忘れて来てないかって聞いてるのよ」

旦「あぁ」

奥「あぁ、じゃ分からないでしょ。まったく…」

(沈黙が1分ほど)

奥「さっき、どこ行ってたの?」(ちょっとイライラしながら)

旦「トーイーレ」(すこし辟易した感じで)

奥「黙って行かれたら、分からないでしょ? その間に先生に呼ばれたら、困るじゃない!」

旦「…」(無言)

3分以上の沈黙があって、突然)

奥「あなたは、いっつもそうなんだから! 携帯は持ってるのかって聞いてるのよ!?」(←そこまで戻すか?)

旦「…」(無言)

奥「まったくもう…」

(またも3分間

奥「黙ってあちこち出歩かないでって、いつも言ってるでしょ!」

旦「うっるせーなー!」

奥「だって、言わなきゃ分かんないでしょ! それに言ったって言うこと聞かないじゃない! ったく、いつもそうなんだからっ! 今朝、薬は飲んできたの!? いつも言ってるでしょ! あたしだって言いたくないけど、言わなきゃ分からないじゃない! 診察券はちゃんとしまったの!? この前は、すぐしまわないから落としそうになったんでしょ! まったくもう! お薬手帳は、あたしがまとめて持って行くって言っても、今朝もまた自分の分だけ持ち出したでしょ!? ああいうことされると、あんたの分を失くしたんじゃないかって思うのよ! だからそうならないようにあたしが2冊まとめて持ち歩くって言ってるんでしょ! 携帯は持ってきたの!?」

旦「ったく、人前でギャーギャーギャーギャーうっるせーなーっつってんだよ!」

奥「あたしだって人前でギャーギャーギャーギャー言いたくないわよ! あなたが、人前でギャーギャーギャーギャー言いたくなるようなことばっかりするからでしょ!」

旦「あーあ、待合室の中でキャーキャーわめいて、恥ずかしいよ、まったく」(皮肉たっぷりに)

奥「あたしの方が恥ずかしいわよ!」

看護師さん「◯◯さーん、2番の診察室へどーぞー」

奥「ハーイ。ほら、順番来たわよ! 何やってるのよ、まったくもう! いっつもこうなんだから!」

おそらくこの奥様は、長年にわたって積み重ねられてきた旦那さんの「些細な言動」や「些細ではすまない言動」によって、ストレスを溜めていらっしゃるんだと思われます。

そして、そのストレスのせいもあって、旦那さんに対する愛情(まだ残っていたとして)がこういう形でしか表現できなくなっているのかもしれません。
真相は不明ですけど。

ただ、「ちょっとしたはずみで芽生えた憤りが時間と共に収まっていくどころか、沈黙している間も心の中でブクブクと熟成され続け、突如、間欠泉のように爆発する」というのは、横で見ていてもあまり楽しい気分にはなりません。

いつまでも執拗に追跡してくる「あおり運転・嫌がらせ運転」にも通ずる不快さとでも言いましょうか。

(あおり運転には愛情など含まれているはずもありませんが、粘着質な行動様式はよく似ているように思います)

私は、いろいろあって(笑)今は独身の身ですが、「当時の自分も、こういう憤りを相手に抱かせたりしていなかっただろうか?」と省みるいいきっかけにはなりました。

さらに言えば、この老夫婦が診察室に行った後、私の真後ろに座っていた別の老夫婦が、

奥様「ウチとおんなじね。フフフフ」

旦那さん「うん」

奥様「どこも、おんなじ。ウフフ」

旦那さん「フフ」

と小声で囁き合っていたことが、せめてもの救いだったかと思います。

【以下、備忘メモ】

「あおり運転」をしない、遭わないためには…

相手の行動に過剰に反応し、執拗に追い回す悪質で危険なドライバーがいる!

危険なドライバーは、前の車が「遅い」、運転が「ムカつく」など相手の行動に対し過剰に反応し、気がすむまで執拗に追い回して嫌がらせ行為を繰り返す可能性があります。さらに過熱すると、無理に停止させて暴言や暴行行為に及ぶ可能性もあるため、大変危険です。このようなドライバーの標的にならないためには、相手を不快にさせない運転を行う必要があります。

(東京海上日動さんのページより)