こんな「紅白の思い出」でした。

こんな「紅白の思い出」でした。 by konmaru
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今年も残すところ、あと2ヶ月ちょっととなりました。

毎年この時期になると、クリスマスの予定を考えるだけにとどまらず、「大掃除・おせち・年賀状・帰省」など年末年始のプランを練るとともに、『NHK紅白歌合戦』について思いを馳せる人も少なくないんじゃないでしょうか。

実際、NHKさんの公式サイトも、今年の「第69回」用として既に立ち上がっていますし。

実は私、10数年ほど前NHKホール「生の紅白」を観覧したことがあります。

当時、私が仕事で付き合っていた人(Aさん)が、知り合いの紅白関係者から「ペアで招待」されたそうなのですが、奥様が全く興味を示さなかったため「代わりに、お前、一緒にどうだ?」と誘ってくださったというわけです。

招待」ですので、「往復ハガキ観覧応募して、そこから抽選当選者が決まり、当日NHKホールの前で当選券と座席指定券を引き換える」という一般向けの観覧とは全く異なる待遇でしたから、「放送の2ヶ月ちょっと前」という時期にちなんで、その時の(ちょっとだけ珍しい)体験をいくつかお伝えしてみます。

(なにぶん10数年前の話ですので、直近の運営と異なっている可能性もあると思いますので、念のため)

体験1:招待者(関係者)の入口は、出演者と同じ楽屋口。

「NHKホールの正面玄関の一部が招待者用の専用受付」にでもなっているのかと思ったのですが、実際には「NHKホールの『楽屋口』から入館し、舞台下手の奥にある『関係者通路』や『楽屋前』(紅白でしばしばバックステージ中継されるところです)」を通って、客席へと向かいます。

しかも、各招待者グループごとに案内スタッフが同行する形で、所定の座席まで連れて行ってくれるのです。

「もうすぐ、この通路が芸能人でいっぱいになるのか」と思うと、それだけでムダに緊張してしまいました。

VIP扱い、この上ありません。w

体験2:あてがわれたのは1階席、前から3列目。

Aさんと私は、客席の最前列(当時はゲスト審査員席)とステージの間、すなわち、ステージ直下で移動カメラが3台ぐらい陣取っているスペースを通って、前から3列目の、とんでもなく良い席に座ることになりました。

その際、エスコートしてくれたスタッフが手にしていた「客席配置図」が見えたのですが、図面上で私たちの席に塗られていた色のマーカーが、1階席のかなり多くの席にも塗られておりました。

印象で言ってしまうと「1階席の『3割から5割弱』は、招待席・関係者席なんじゃないかなぁ」ぐらいのマーキング数だったと思います。

ちなみに、我々は客席内をステージに向かって縦に走る通路沿いから2席をいただいたのですが、そのシートのすぐ脇の通路の床には「◯◯アナMC」というようなバミリテープが貼られていました。

つまり、招待席・関係者席には「客席内に点在する『出演者の立ち位置』から、一般観覧者を遠ざけるバリケード」みたいな意味も持たされていたのかもしれません。

実際、我々の隣席(通路側ではない方)には、明らかに抽選を経てやって来た「『氷川きよし大好き』女性ファン二人組」が座っておりましたが、客席に降りて進行する司会者の横で、一般観覧者が不規則行動を起こすという事態を極力排除したい思いが込められた席配置だったと、私はにらんでいます。

ともあれ、それまでもテレビで見ていて「2階席・3階席の客層1階席の客層、なんか違うよなぁ。1階席の客、おとなしいよなぁ」と感じておりましたので、その背景が分かったような気がします。

体験3:前から3列目で見る生の芸能人はハンパない。

これだけ前に座ると「うわ、この演歌歌手、化粧濃いなぁ」「このアイドル、生のほうが断然かわいいじゃん」など、いろんな実像を生で見ることができました。

そして、至近距離からだと「普通のオッサン」にしか見えない歌手もいれば、「なんだ、このすごいオーラ」という歌手も実在することを知りました。

大変有意義な社会勉強になりました。

体験4:歌の上手い・下手も、ハッキリ分かる。

マイクとPAを通して歌唱する歌手もいれば、録音に合わせて口パクしているだけの歌手もいるわけですが、前者について言えば、歌の上手い・下手の判別は実にハッキリとつきました。

上手い歌手の声は、マイクとPA越しなのにも関わらず、生声も聞こえてきそうな迫力がありましたし、逆に「あぁ、テレビだと上手そうに映ったり聞こえたりしてるけど、この歌手、実際はこんな程度なワケね」と感じてしまうケースも決して少なくありませんでした。

体験5:各種舞台演出は、ほぼ全てテレビ視聴者のため。

「ちょっとこの照明、客席にいると眩しいんすけど」と感じた時、テレビ画面には「超美しい光のシャワー」が映っていたりします。

「このセットの配置は、客席のど真ん中にあるカメラ(とその同一線上の観客)からは最高のアングルとして撮影されるだろうけど、それ以外の席の客には、何をかたどったセットなのかすら分からない」という現象も起きたりします。

「ここでブルーの特大カーペット敷いて、どうすんの?」というシーンをテレビを通して見ると、そこにはクロマキー合成された地球の映像がはめ込まれたりしています。

さらに、ステージのセンターに立つ歌手を、ステージ下の移動カメラだけでなく、クレーンカメラハンディカメラが、大胆に接近しながら撮影するため、客席からは「おい、そこのカメラ、じゃま!」みたいなことも起きていたと思います。(そう叫んだりする人はいませんけどね)

しかし、これらはどれも「テレビ視聴者に対して最高の映像をお届けする」ための演出なのであり、その意味では観覧者達は「自分たちは単なるお客様ではなく、番組を盛り上げる演出ツールの一部である」ぐらいの割り切りが必要なのかもしれません。

体験6:スタッフの仕事ぶりは、感動もの。

これは番組内でゲスト審査員(特に役者系)もしばしばコメントすることですが、大道具さんを中心とするスタッフの仕事ぶりは、見ていて泣きそうになるほど素晴らしいものでした。

曲前のMCトーク中に一気にセットを転換したり、転換が完了して画面がステージの映像に切り替わるドンピシャのタイミングで全スタッフがステージから捌け(はけ)たり、画面がステージ中央からMCエリアに切り替わると同時に、降り積もった紙吹雪を大型モップで掃き集めるべく疾走したり、などなど。

テレビには映らない裏方さん達の努力が間近で見られて、本当に感動しました。

体験7:いろんな要素を盛り込みつつも、必ず時間通りに終わる。

おそらく、裏側では「20秒押してるから、段取りのここをカットする」みたいな細かい調整が行われたりしているんだと思いますが、そんなことも込み込みにして、中断ニュースの時刻と23時45分の番組終了時刻を守っているのですから、もう神業だと思います。

舞台転換に手こずる。

セットが壊れた。

マイクが倒れた。

出演者が進行時間を守らない。

中継回線がつながらない。

視聴者投票システムが不調。

など、4時間半も生放送をしていれば、何らかのトラブルに見舞われたりするはずです。

にも関わらず、「CMタイムで状況を立て直す」機会もない中で、それらのトラブルにすべて対応して無事放送を終えられるのも、スタッフ達の努力の賜物なんだと思います。

体験8:ステージ直下に陣取る移動カメラマン達は、カッコいい!

毎年だいたい3台ぐらいが配置されていますが、私の目の前で繰り広げられた彼らの仕事ぶりもまた、素晴らしいものでした。

ステージ脇のMC席を狙っていたかと思えばステージ中央方向へとカメラをすべらせ、歌唱中の歌手にズームイン。

右のカメラと真ん中のカメラが、絶妙のタイミングで位置をクロスさせながら歌手を撮影。

1カメさんが目一杯アングルを高くして歌手を撮影している間に、その下をぶつからないようにすり抜けて元のポジションに戻る2カメさん。

ちょっとコミカルな曲前トークが予定されている際には、観覧者たちの笑顔を抜くべくレンズを客席に向けて備える3カメさん。

などなど、彼らの絶妙なチームワークは一言では表現しきれません。

中でも私が最も感動したのは、放送終了の直後に、ステージ直下のカメラマン達が一カ所に集まり、固い握手を交わしたシーンです。

国民的歌番組のメインカメラマンという重圧を跳ね除けながら、「俺たち3人(とケーブルさばきの補助スタッフ)は、うまく連携できたよね」と、お互いを讃え合う姿は、その年の紅白におけるベストシーンだと思いました。

当然ながら、オンエアされることはありませんが。

さて、そんな紅白が、今年もまたやって来ます。

なので、私はこんな準備をしています。

今回はあくまで「一般観覧者」として応募する次第です。

平成最後の紅白歌合戦の観覧申込み〆切は「10月22日(月)必着!」です。

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