こんな「某ミュージシャンTweetのプチ炎上」でした。

私も数回ライブを聴きに行ったことがあり、そのアカウントをフォローさせてもいただいている某女性ミュージシャンが、人気アイドルグループの活動休止発表を受けてツイートしたところ、プチ炎上してしまったそうです。

女性ミュージシャンの最初の言及は、スポーツ新聞のwebサイトで取り上げられ、その後、「炎上により本人が謝罪ツイート」「女性ミュージシャンの(彼女もミュージシャン)が母を擁護するツイート」など、断続的にネットニュース化されました。

最初のツイート

発信者の具体名はともかく、炎上のきっかけを作ったらしい当初のツイートを見ないと状況が分からないので、(既に本人により削除されていますが)ネット上を探してみました。
こんな内容だったようです。

「嵐は偉い。

2年間もちゃんと仕事をする約束をした。

スマップの最期を間近で見ていたであろう、あれを踏襲せずに、自分たちに見える部分も見えない部分にも、できるだけ配慮をして。

ファンになっちゃいそうだわ」

当初これを読んでも、どこに炎上の要素が含まれているのか、私にはさっぱり分かりませんでした。
そこで、彼女の謝罪ツイートに返信されたSMAPファン(の一部)と思われる方々からの代表的な意見・主張をピックアップし、考えてみたいと思います。

「あなたはSMAPの何を知っているの? 何も知らないのにメンバーやファンを傷つけるようなツイートなんてしないで!」

この女性ミュージシャンは、SMAPの冠番組で彼らと数回共演していますし、彼女のアルバムやライブでSMAPの曲をカバーするなどしておりまして、彼女のSMAP好きは(彼女のファンの中では)わりと有名な話だったりします。

よって、SMAPに対してはもちろん、彼らのファンを否定したり傷つけたりする意図も必然性も全くなかったと思います。
(本人も、謝罪ツイートの中でそう言ってます。付け加えれば、かつて何かの番組で「一番好きなのは草なぎ剛くん」とも言っていたような記憶があります)

「そんなあなた(が発したツイート)だからこそ傷ついた!」

つまり、
「彼女が彼らと親しい関係を築いてくれていたことなんか、当然知ってるよ。だからこそSMAPファンとしても感謝していたし、彼女を好きにもなっていた。その分、反動がデカいんだよね。今回のツイートはよけいに残念だし悲しい許せない傷ついた。信じていたのに…」
ということのようです。

彼女とSMAPの関係を知った上でもなお批判しているのであれば、「何が批判の原因なのか」を具体的に探るしかありません。

「SMAPと比べられて傷ついた!」

「嵐を褒めたければ褒めろ。ファンになりたければなればいい。だけど、なにも今回のことでSMAPを引き合いに出すことはないだろ!」
「SMAPと嵐では、事情が全く違うのだ!」
ということのようです。

同じ所属事務所のアイドルグループどうしですから、SMAPと比べる人もいれば、少年隊や光GENJIやフォーリーブスと比べる人がいても、別におかしくはないと思います。

それに、「比較する行為」自体を否定されてしまっては、
「駅前の店の味噌ラーメンは近ごろ味が変わったかも? 今は、大通りの定食屋のワンタン麺のほうが好き」
というようなツイートができなくなってしまいます。
(これも「アイドルグループをラーメン屋と一緒にするな!」と批判されてしまうんでしょうかね…)

「音楽業界に携わる人のツイートなので、傷ついた!」

ここには、
「彼らと共演だってしてるんだったら、SMAPが解散して(させられて)しまった内部事情だって、よく知ってるハズでしょ?!」
という声と、
「音楽業界にいながら、そういう事情も知らずにツイートしていたんだとしたら、何やってんの、一体?!」
という声が混ざっていたように思います。

こうなると、事情を知っていても知らなくても、どっちにしろ批判されるわけですから、当人にしてみれば、かなりツラい状態になると思います。

「言葉づかいがヒドすぎて傷ついた!」

「『スマップ』じゃない、『SMAP』だ!」
「『最期』とはなんだ! 『死に際』って意味だぞ! 彼らはまだ死んでない!」
「しかも、『あれを踏襲』の『あれ』って何だよ! SMAPを『あれ』呼ばわりするな!」
さらに、
「言葉を紡ぐミュージシャンという仕事をしてて、この雑な言葉づかいって、どうなの?! 言葉を知らないの?!」
などと、彼女の“ソングライティング能力”にまで言及するような書き込みも見受けられました。

女性ミュージシャン本人は謝罪ツイートの中で、
「日本語の文章の書き方にも、もっと配慮が必要でした」と反省コメントを出したようですが、だからといって彼女の才能を(彼女の作る音楽と関係ないところで)とやかく言うのは、違うと思います。

なぜなら、これらSMAPファンの一部が浴びせた批判ツイートの根っこには、女性ミュージシャンの才能とは全く無関係に、次のような“被害者感情”があると感じるからです。

「SMAPは自ら解散したんじゃない。事務所の圧力で解散させられたのだ!」

どうも彼らのファン(の一部)には、
「SMAPは、事務所サイドの権力争いのゴタゴタに巻き込まれ、圧力をかけられ、冷遇され、メンバー間に亀裂を生じさせられ、ファンに対してきちんと説明する場も、ちゃんとお別れする場も与えられないまま、解散に追い込まれ、一部メンバーに至っては退所せざるを得なくなった。つまり、全ては事務所のせいなのだ」
という歴史認識があるようです。

解散に至るまでの各種報道には、確かにそんなようなことも書かれていましたし、さらには当時「メンバー間の不仲説」なども流れていたように思います。

しかし、それらの報道がどこまでホントなのか、私には全く分かりませんし、それはSMAPファンにとっても同じなんじゃないでしょうか。

SMAPが自ら明確な解散理由を語らないまま(語らせてもらえないまま)活動を終えてしまった(終わらせられてしまった)一方、嵐は少なくとも全員が会見に臨み、記者から出た全ての質問に、自分達の口で答えたわけですから、ファンの納得度はSMAPのそれとは全く比べ物にならないと思います。

SMAPファンにしてみれば、
「だから、SMAPはその説明機会すら与えられなかったんだよ! ひどいよ!」
ということになるのでしょうし、
「(おそらく事務所が流した)いろんな報道のせいで、SMAPにはネガティブなイメージを植え付けられた。だからこそ事務所からの覚えもめでたい嵐と比べられるのは間違いだし、ファンは傷つくのだ!」
「SMAPは、我々ファンの中では、まだ終わっていない!」
ということになるんだと思われます。

こうした(ちょっと先鋭的な)想いを抱く一部のSMAPファンに対しては、
「お前らだって他のアイドルグループやそのファンをディスったりしてるじゃん」
「スマオタ、怖い
被害妄想、強すぎ」
殉教者か?」
という批判もあるようです。

まぁ、私も今回の炎上を見ていて、
「女性ミュージシャンに悪意が全くないのは明らかなんだから、『嵐が、SMAPのような悲しい解散にならずに済んで、SMAPメンバーも喜んでいると思います。彼らは自分たちが傷ついた分、他人の痛みを分かってあげられる優しい人たちなんです。だから私もファンでいられるんです』ぐらいの懐の深さを示せばいいのに」
とは思いますが、それもできないほど傷ついたということなんでしょう、きっと。
(そういう意味では、私はSMAPファンには同情します)


ということで、今からでも遅くないので、事務所もしくは元SMAPのメンバーは、「解散に至った経緯」をきちんと会見で説明し、ファンと向き合う場を用意したほうがいいんじゃないでしょうか。

でないと、傷ついたファンの心が癒えないばかりか、
あなたのひどい言葉が、私の心の傷に塩を塗りつけたのだ! どうしてくれる!
という、まるで流れ弾が飛び交うような訴えが今後も頻発するんじゃないかと心配になります。


まとめると、
「同情はするけど、当たり散らしてはイケナイよ」というところでしょうか。(←池上彰さんの口調で読んで下さい)