こんな「宮沢賢治をたどる旅」でした。【羅須地人協会・外観編】

こんな「宮沢賢治をたどる旅」でした。【羅須地人協会・外観編】 Architecture/建築
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宮沢賢治ツアーの2回目は、羅須地人協会のご紹介です。

 

ここは、賢治が花巻農学校の教員を退職した後に設立した私塾で、農協技術農民芸術を教えるのが目的だったようです。(あまりうまく機能せず、活動自体は7ヶ月程度で終わってしまったとのこと)

場所は、こちらです。
岩手県立花巻農業高校の敷地内にあります。すぐ隣にある見えるのは、いわて花巻空港の滑走路です)

 

 

最寄りの道路と羅須地人協会の間には、駐車場も完備。

 

花巻農業高校の前身である花巻農学校で教員をしていたことから、地元の生徒や同窓会では「賢治先生の家」と呼んでいるようです。案内板には、賢治先生をモデルにしたと思しきちょっとトボけたイラストが添えられてます。

 

駐車場のフェンスのすぐ奥に賢治先生の家がありました。

 

駐車場からは、こんなふうに見えます。

 

駐車場の前には、道路を挟んですぐ空港の滑走路がありました。

 

賢治先生の家を管理しているのは同窓会なんですね。「賢治先生の精神」を察しながら見学させていただきましょう。

 

すぐそばには農業高校の校舎も。

 

こちらの案内看板にも例のイラストが。これは「けんじくん」と言いまして、花巻農業高校の旧教員が考案したそうです。(後述するパンフレットの情報より)

 

賢治先生の家の前には、帽子とマントが掛かったおしゃれな案内板もあります。賢治先生に対する敬愛が感じられますね。

 

「賢治先生の家はもともと別の場所に建っていた → 先生の死後から3年後の昭和11年、地元の農家に譲られてどこかに移築されていった → 昭和44年、ここに農業高校を移転することになったら、なんとこの敷地内にほぼ昔のまま移築されていたことが判明 → ビックリ仰天 → 学校・同窓会が協力して復元」という、実に奇跡的な経緯をたどって、現在に至ります。

 

 

当初建っていた場所で賢治先生が使っていた手洗い場(東屋)も復元されています。

 

先生の家を、正面から。あの有名な伝言が書かれた黒板が見えます。

 

左の木戸が玄関。その右横に「下ノ畑ニ居リマス 賢治」という日本一有名な伝言が書かれた黒板。さらに右側には教室が覗ける窓がありました。

 

ウィキペディアによると、「復元整備の際に弟の宮沢清六によって書かれたものが、消えないよう農業高校の生徒によって上書きされ続けている」んだそうです。実際、Googleで「下ノ畑ニ居リマス」で画像検索すると、いろいろな筆跡バージョンが見つかります。現役の生徒たちが賢治先生の精神を受け継いでいる証なんだと思います。すばらしい。

 

この家は、もともとは別の場所に建っていましたので、ここから当時の「下ノ畑」に行くには車で15分ぐらいかかります。(そっちには行けずじまいで終わりました)

 

 

賢治先生の家の周りをぐるっと歩きながら、室内を撮ってみましたが(←これ、賢治先生の精神に反してませんよね?)、どうしても窓ガラスの反射が映り込みます。

 

家だけでなく、庭もキレイに手入れされています。

 

ツツジ(かな?)と賢治先生の家。美しい。

 

別アングルから。曇り空が妙にマッチしてるんじゃないでしょうか。

 

「われらに要るものは 銀河を包む透明な意思 巨きな力と 熱である」by 宮沢賢治。「農民芸術概論綱要」の一節です。

 

花巻農学校精神歌の詩碑。作詞はもちろん宮沢賢治先生。実際の歌はこちらで聴けます(音声ファイルがダウンロードされます)。

 

正面の建物は「地人会館」(同窓会館)と言って、生徒の活動の場だそうです。右横は「黎明館」。花巻農業高校創立90周年記念事業で建設され、学校の歴史や賢治先生に関する資料などが保管・展示されてます。残念ながら平常時は非公開とのこと。

 

芝生の先に、銅像が見えてきました。

 

学校創立100周年記念事業として同窓会が建立した賢治先生の像。作者は橋本堅太郎氏。ここまで愛されたら賢治先生も教師冥利に尽きるというものでしょう。

 

この家と庭には、曇天がつくづく似合うと思います。

 

庭の一周も終わり、最後にもう一度玄関に立ち寄り、ダメ元で扉のノブを引いてみました。すると…。

 

ガチャ。あ、普通に開いた…。

 

玄関内には、訪問者の記帳ノートパンフレットスリッパ靴ベラが備え付けられていました。これは「どうぞ、お上りください。よくおでんした(ようこそいらっしゃいました)」ということかと。

 

 

そんなわけで、室内については、また次回にでも。

 

 

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