「組合健保」vs「国保」の健診スペック比較

Health/健康
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サラリーマン時代に加入していた「組合健保」と、リタイアして個人事業主扱いになってから加入した「国民健康保険(国保)」。

先日、両者の健康保険料の差をお伝えしましたが、今回は通院・治療経験が少ない健康な人でもお世話になることが多い「健康診断(健診)」における違いをまとめてみたいと思います。

 

 

組合健保は勤務先の企業(が加盟する組合)によって、国保は住んでいる自治体によってサービスが異なりますから、一般化しにくい部分ではあります。

ただ、総じて「国保(自治体)のサービス」<「組合健保(企業)のサービス」という傾向があるようなので、検診面でどの程度の差がつくものなのか、私の経験事例ベースでご紹介します。

なお、組合健保時代は「健診を受ける」か「提携の施設で受ける人間ドックを補助してもらう」かを選択できましたので、人間ドックについても経験の範囲内で比較しておきます。

(それぞれを比較し、相対的に良い点は青字で、悪い点は赤字で、特筆すべき箇所は太字で表記します)

 

 

受診の頻度

組合:「人間ドック補助」か「健診」のいずれかを年に1回受診可。

 

国保:「国保基本健診」として年1回。各部位ごとの「がん検診」も年1回受診可。人間ドック補助もあり。

 

 

受診の場所

組合(人間ドック):組合提携の病院から好きな所を自分で選択。

 

組合(健診):職場巡回あるいは組合直営施設、提携病院のいずれかを選択。

 

国保:自治体内の医療機関(一覧あり)の中から選択。「基本健診」と「がん検診」が分離しており、健診する項目によっては複数回に分けて受診する必要あり。

 

 

受診結果の告知方法

組合(ドック):後日、自宅に郵送

 

組合(健診):後日、自宅に郵送

 

国保:後日、受診した医療機関を再訪問

 

 

費用

組合(ドック):利用料金のうち25,000円を組合が補助。残りについても勤務先の補助が出たため実質無料。(要立替え)

 

組合(健診)無料

 

国保:健診は一部有料。(国保でも上限8,000円のドック補助がありますが、自己負担が高額となるため、国保のドック補助は比較から割愛します)

 

 

検査項目(実施項目は青字、実施なしは赤字

組合(ドック)問診票、身長、体重、腹囲、血圧、尿検査(糖・蛋白・潜血・沈渣)、便潜血(大腸がん)、血液検査(項目は多岐)腫瘍マーカー(CEAのみ)、肝炎ウィルス、心電図(安静時)、胸部X線(肺)、上部消化管X線←内視鏡に変更可(3,000円の自己負担)、腹部超音波、視力、眼圧、眼底カメラ、聴覚、肺活量、内科診察、ピロリ菌検査、前立腺検査(血液)、咽頭がん検査

 

組合(健診)問診票、身長、体重、腹囲、血圧、尿検査(糖・蛋白・潜血・沈渣)、便潜血(大腸がん)、血液検査(項目は標準的)腫瘍マーカー(CEAのみ)肝炎ウィルス、心電図(安静時)、胸部X線(肺)、上部消化管X線←内視鏡に変更可(自己負担なし)、腹部超音波、視力、眼圧、眼底カメラ、聴覚、肺活量、内科診察(必要に応じて)ピロリ菌検査、前立腺検査(血液)、咽頭がん検査

 

国保問診票(極めてシンプル)、身長、体重、腹囲、血圧、尿検査(糖・蛋白・潜血・沈渣)、便潜血(大腸がん)、血液検査(項目は最低限)腫瘍マーカー(CEAのみ)、肝炎ウィルス(未検査者に1回のみ)、心電図(医師の判断による)、胸部X線(肺)←ヘリカルCTへ変更可(自己負担3,000円)、上部消化管X線(自己負担1,200円)←内視鏡に変更可(2,000円の自己負担)腹部超音波、視力、眼圧、眼底カメラ(医師の判断による)、聴覚、肺活量、内科診察(必要に応じて)、ピロリ菌検査(自己負担700円)、前立腺検査(血液)(500円の自己負担)咽頭がん検査(500円の自己負担)

 

 

前項がちょっとゴチャゴチャしましたので、整理します。

 

組合健保が補助する人間ドック(私が受信した病院の場合です)

良い点血液の検査項目が異常に豊富。もう血液を抜きさえすれば、他の検査なんか要らないんじゃないかというぐらいに、いろんな検査をしていました。

腫瘍マーカーも標準でCEAが付いてきます。

 

悪い点:ピロリ、咽頭がん、前立腺など、中年以降の男性スモーカー(まさに私です…)が気にしなければいけない検査項目が軒なみ含まれていません

 

その他:血液で分かることは血液で済ますという姿勢が徹底していました。ちなみに、組合や勤務先の補助額をはるかに超える「全部載せコース」もありましたが、通常のドックで十分だと感じました。

 

 

組合健保の健診

良い点:上部消化管(食道や胃など)の内視鏡検査が自己負担ゼロで、さらにピロリ菌検査まで標準で付いており、胃が気になる人に対して実に優しい組合だったことに、今更ながら気がつきました。

 

悪い点:特にありません。

 

その他:「今年は人間ドックを、来年は組合施設内で健診を」というふうに1年おきに切り替え相互の不足点を補っていけば、最強だと思いました。私は既に退職したので、やりたくてもできませんが。w

 

 

国保の健診

良い点:通常病院だと5,000円程度かかる「胸部ヘリカルCT」が3,000円で受けられ、かつ咽頭がん検査も500円で受けられるなど、「有料ながらもスモーカー(肺)に手厚い」という印象を受けます。

 

悪い点:別途自己負担が必要な項目が多く、また「健診」と「がん系検診」が別建てのため、受診に手間を要しそうです。

 

その他:良くも悪くも、「サラリーマンよりは時間の融通がきくけど、懐事情に応じて検査が有料で追加できる、個人事業主や自営業のための健保」が実施する健診だと思います。

 

 

ということで、

一昨年は最新設備の人間ドック。

去年は組合施設で健診。

今年は国保のミニマム健診。

というふうに、3年で3タイプの健康チェックを体験し、そこで感じたことや分かったことなどの比較をお伝えしました。

 

「人間ドックを受けた病院名」とか「組合健保名や住んでいる自治体名」は伏せさせていただきましたが、傾向はどこもそんなに変わらないんじゃないかと思います。

 

現役サラリーマンの方は、「人間ドック通常の健診隔年で受けつつ、自治体が独自にやっている検査の中で、国保加入者でなくても受けられるものがないかどうかを役所に訊いてみる」のがよろしいかと思います。

せっかく高い健康保険料を支払っているのですから、通院・治療以外の面でもぜひ活用していきたいものです。

 

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