パナソニックのブルーレイレコーダー上位機種が「メーカー指定価格」だった話。

Consumption/消費

先日、自宅のハードディスクレコーダーの調子が悪くなってしまいました。

症状としては…、

  • 全録機能(チャンネル録画)に失敗し、特定チャンネルの過去番組が見られなくなる。

  • 外付けのUSB-HDDが認識されなくなる。

  • 特定の操作ができなくなる。

といったものです。

 

メーカーのサポート窓口に相談してみたところ…、

  • 内蔵HDDの不具合の可能性が高い。交換となると出張料・作業費を含め約5万円かかる。

  • 場合によっては、基板交換の可能性もありうる。そうなると、HDD交換と合わせて約9万円ほどかかる。

  • HDD交換となると録画番組は消えるので、ディスクにダビングしておくべき。

  • 別の外付けHDDに番組を緊急避難させてしまうと、基板交換後には認識されず、初期化して新たな外付けHDDとして登録するしかなく、結局番組は消えるので、いずれにしてもディスクへの避難をおすすめする。

とのことだったので、腹をくくって全録レコーダーを新規購入することにしました。

 

で、ここからが本題なのですが、自宅周辺の家電量販店を数店ほどハシゴしてみたのですが、「あー、パナソニックブルーレイレコーダーの上位機種って、販売価格がメーカーさんから指定されているので、値引きできないんですよねぇ」という反応ばかりが返ってきました。

たしかに、どのお店も1円単位で同じ値段でした。(「付与ポイント10%分を加味すれば同一価格」も含む)

 

各店の販売スタッフさん、並びにネット上の情報を総合すると、こういうことらしいです。↓

  • パナソニックは、2020年からメーカー指定価格を導入し、徐々に対象商品を増やしてきた。

  • 昨年、私がパナソニックの4K有機ELテレビを買った際にふつうに値引き交渉ができたのは、その頃はまだ対象商品じゃなかったから。現在はテレビでも指定価格のモデルがある。

  • 「新発売時に最も高い値段で販売 → 徐々に値下がり → 利益が残らない → 開発費が十分に確保できなくなる → (ユーザーニーズと無関係に)マイナーチェンジを施した新モデルを開発 → 新発売時に最も高い値段で販売 → 徐々に値下がり(以下同様)」という負のスパイラルを続けていくと、利益が上がらないばかりでなく、魅力ある商品を作れなくなり、似たような商品を安く作る海外メーカーとの低価格競争に巻き込まれるだけ、という危機感があった。

  • 例えば、これまでなら1万円のシェーバーが新発売されても、数ヶ月後には4割値引きとかになっていたが、これが指定価格になるとメーカーにとっては「値引きで3台売れるよりも、指定価格で1台だけ売れた方がまだ利益が出る」ということになる。

  • つまり、パナソニックは「薄利多売の消耗戦」から「商品力のあるモノを真っ当な値段で買ってもらう」方針に切り替え始めているということ。

  • ちなみに、メーカー指定価格の大前提として、「売れ残った在庫はパナソニックが引き取る」契約になっている。つまり小売店側は「売れ残りのリスク」を負わなくていいので、これにより独占禁止法「販売価格(再販売価格)の拘束」には当たらないことになっている。(公正取引委員会の見解がこちら

  • たしかに「値引きしてくれないの? なんだ、がっかり」というお客さんもいるが、指定価格は上位機種や高付加価値な「パナソニックならでは」の競争力のある商品に限定されていることもあって、むしろ納得ずくで積極的に買ってくれるお客さんも多い。

  • 今年からさらにいろんな商品カテゴリに拡大されたので、これがどういう結果になるのか、販売店側も戸惑っている面もある。

  • 国内競合他社は「静観」しているが、「メーカーの◯◯は、もうすぐ追随するらしい」みたいな噂もある。

  • そもそも半導体不足や円安という事情も手伝い、家電は値上がり傾向が続いているので何とも言えないが、「値下げする時も一斉に」なのか「同一価格のまま売り続け、新モデル登場と同時に一気に店頭から撤収する」のか、今後の動きに要注目。

 

と、こんな感じです。

 

消費者側にしてみれば…、

  • 「店員さんと値引き交渉する楽しみがなくなった」⇄「面倒な駆け引きをせずに済む」

  • 「いろんなお店をハシゴして値段を下げさせていく面白味がなくなった」⇄「あちこちの店に行かずに済むからありがたい」

  • 「割高感があって、なんか損した気分」⇄「それだけ商品力に自信があるってことだから納得」

  • 「“いい買い物ができた”という満足感に欠ける」⇄「そもそも店やタイミングや交渉力で値段が変わるのは不公平」

と、ポジティブにもネガティブにも受け止めることができると思います。

 

かくいう私としては、どうしても「メーカー価格指定」の商品を買いたくなったら、今後は以下の方法で臨む所存です。(今回も一部実践しました)

  • 商品知識の豊富なスタッフさんがいる量販店を選ぶ。
    (カタログ見れば分かるようなことしか言わないとか、明らかに誤った説明をするスタッフさんは論外)

  • 「長期保証」の内容が充実している量販店を選ぶ。
    (おなじ「5年保証」とは言っても「付与ポイントの5%分を使う vs 無料保証」「修理回数は◯回まで vs 回数無制限」「ハードディスクやドライブなどの駆動部分の故障は保証対象外 vs 保証対象」などと、けっこう違ってますから)

  • 「量販店のリアル店舗」や「量販店直営のオンラインショップ」ではなく、「◯◯カメラ楽天市場店」とか「◯◯デンキPayPayモール店」などで買う。
    (量販店としての値引きができなくても、ネットモールが実施する「ポイント還元率アップや値引きクーポン」までは制約されていないので、その分お得です。もちろん支払いに使用するクレジットカードのポイントも制約されていません)←いくらメーカーでも、決済手段にまでは口を挟めないと言うことなのでしょう。

 

ということで、今後メーカーが自信をもって売りたい商品は、AppleさんのMacやiPhoneのように「どこで買っても同じ値段」が当たり前になっていくのかもしれません。

ただ、Apple製品と事情が異なるのは、パナソニックさんは「値段を下げない上位機種・高付加価値モデル」の他に「値下げ可能な薄利多売の普及モデル」も同時展開しているわけでして、強気と弱気が混在するのって、成立するんでしょうかね。。

もっと言うと、国内には「強気でいける商品がないから、メーカー指定価格なんか怖くてやれない」という企業もたくさんあるでしょうから、これからメーカーは「二極化」するのか「弱者が淘汰」されるのか、興味はつきません。

 

【参考】↓


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