さよなら、マサカズ様。【追悼 田村正和さん】Part3

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前々回前回に引き続き、2021年4月3日に亡くなった田村正和さんに関する思い出です。

以下は、「私がマサカズ様と直接話した」というエピソードなので、ある意味、今回がもっともディープな思い出になるかと。

そんなこともあり、「いつ・どこで・どんなふうに」といったあたりは個人情報保護とか守秘義務の観点から、ボカさせていただきます。

背景はこんな感じ。

今からだいたい30年ぐらい前、学生だった私は某サービス施設で“利用者の各種リレーションや情報伝達”をお手伝いするアルバイトをしていました。

当時にしては時給がかなり魅力的だったので、熱心に働いていた記憶がありますし、私の苦手な肉体作業でもなかったため、自分に向いていた仕事だったのかもしれません。

ある日、ちょっと変わったリクエストを受ける。

その日も自分の持ち場で業務を行なっていたところ、その施設に滞在中のゲスト(この方のお名前は把握済み)から以下のようなリクエストを受けました。

どこそこのホテルに宿泊しているゲストに電話をかけてほしい

「私は施設内の某所で待機しているので、向こうのゲスト本人が確実に電話口に出た段階で、私を呼び出してその電話を繋いでほしい」

「先方のホテルの電話番号はXXX-XXXX。話したいゲストの名前は、Mr.タムラ。ルームナンバーは分からない」

日頃よくやっているリレーションサービス内容とはずいぶん毛色の違うリスエストではありましたが、依頼内容自体は簡単なので、二つ返事で引き受けました。(というか、あまりに簡単すぎて「どうして自分でやらないんだろう?」と疑問に感じた記憶があります)

電話スタート。

その後の電話のやりとりは、こんな感じです。↓

先方のホテルスタッフ:
「はい、バリトンホテルでございます」(←せっかくなので、ドラマ「古畑任三郎」の作者である三谷幸喜さんに敬意を表してバリトンホテルとしときます。笑)

私:
「いつもお世話になっております、こちら○○(←所在地)の□□(←施設名)でございます。そちらにご宿泊のMr.タムラのお部屋におつなぎいただきたいのですが」

ホテルスタッフ:
「お部屋番号をいただけますか?」

私:
「申し訳ありません、当方のお客様もご存知ないということでして…」

ホテル:
「さようですか。それではフルネームでお調べいたします。下のお名前も頂戴できますか?」

私:
「たびたび恐縮です、私も持ち合わせておりませんので、確認の上、折り返させていただきます。ガチャ」

【私の働く施設内の某所に電話をし、待機しているはずの本件依頼者を呼び出してから。↓】

私:
「お待たせして申し訳ありません。バリトンホテル側では、ルームナンバー不明の場合は宿泊ゲストのフルネームが必要なようです。先方様の下のお名前を頂戴できますでしょうか?

本件依頼者:
「(「やれやれ…」という空気を醸し出しながら)…。マサカズです…

私:
マサカズ様ですね。かしこまりました。もう少々お待ちください。ガチャ」

【再度、バリトンホテルに電話】

ホテル:
「はい、バリトンホテルでございます」

私:
「(あ、さっき応対してくれた人の声だ、と確信した上で)お世話になります、先程お電話した□□(←施設名)でございます」

ホテル:
「あ、Mr.タムラの件ですね。下のお名前はお分かりになりました?」

私:
「はい!タムラ マサカズ様のお部屋をお願いします」

【ここで自分が初めてフルネームを口にして、「えっ、タムラ マサカズ? でも、まさか…」と動揺し始める】

ホテル:
「かしこまりました、おつなぎいたします」

【プルルル〜、とコール開始。緊張してくる私。そして受話器がガチャリと上がって。↓】

タムラマサカズ様:
グスッ。スフッ。(←鼻を鳴らしながら。寝起きだったのかも。そしてかなり間をあけてから…)  はい  」

私:
「失礼いたします。こちら○○(←所在地)の□□(←施設名)でございます。タムラマサカズ様でいらっしゃいますか?

タムラマサカズ様:
グスッ。スフッ。  はい  」

【ここで「あぁ、同姓同名じゃなく、本物の田村正和様なんだぁ」と確信】

私:
「(平静を装いながら)「こちらにご滞在中の△△様からお電話でございます。少々お待ち下さい」

田村正和様:
グスッ。スフッ。  はい  

このあと、待機中の依頼者に電話転送を完了し、ミッション完遂となったわけですが、話し始めた依頼者の口ぶりから想像するに、このかたは所属事務所もしくはテレビ局などの関係者さんで、「新作ドラマの撮影でホテルに長期滞在しているマサカズ様と電話打ち合わせをしたかった」ということのようでした。

何はともあれ、電話越しではありますが、私があのマサカズ様と直接やりとりをする日が来るとは夢にも思っていなかったので、その日はそれ以降、仕事が全く手につきませんでした。まぁ、それだけ当時から好きだったということです。

田村正和さんは、電話の応答においても“完璧に田村正和”でした。

 

ということで、3回に分けてお伝えしてきた田村正和さんの思い出は、以上です。

心よりご冥福をお祈りします。

数々の楽しいドラマをどうもありがとうございました。

合掌。

参考リンク

TBS系の過去放送コンテンツが多数配信されているparavi(パラビ)での「田村正和」検索結果ページ。↓

フジテレビ系の過去放送コンテンツが多数配信されているFODでの「田村正和」検索結果ページ。↓


 

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