「ザ・ベストテン」再放送の絶望と希望。

「ザ・ベストテン」再放送の絶望と希望。 by konmaru
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今年6月からCS放送・TBSチャンネル2での再放送が始まった伝説的音楽番組『ザ・ベストテン』。

「再放送」と言っても、本放送時のように毎週オンエアされるわけではありませんし、他にも以下のような“制約”があります。

時系列順に再放送されるわけではない。

  • 「再放送・第1弾」では1980年12月25日放送分を、そして「第2弾」では1982年5月6日放送分が取り上げられました。
  • しかし来月(11月)に放送される「第3弾」では、これまでで最も古い「1980年8月14日放送分」がピックアップされるようです。

当時の全放送回をオンエアするわけでもない。

  • 前述のとおり「時系列順」になっていないことからも、全部の回を再放送するつもりがないのは明らかでしょう。
  • また、過去2回分においては、再放送用に制作された冒頭ナレーションVTRにおいて「今あらためて見られる特別企画」と謳っており、このあたりにも「コンプリート再放送を期待しないように」という暗黙のメッセージが見え隠れしていると思います。

当時の放送内容が一部編集されている。

  • 第1弾では、“権利の都合上”として、特定歌手に対して主に以下のような編集が施されていました。
    • “過去の生放送”から歌唱の一部を切り取って振り返るシーンは、別映像に差し替え。(音声は当時のまま)
    • 当時出演がかなわず、やむなく“宣材写真などで紹介”したシーンすら、別映像に差し替え

  • で、特に前者については「山口百恵さんの歌唱シーン」も含まれていたため、「数秒間ですらこうなるなら、百恵さんが本出演した回が今後再放送されることはないのだろう。なぜなら“百恵さんが1位で出演”した回から百恵さんのシーンをカットして再放送するなどあり得ないから」という仮説を以前に書かせていただいたりもしました。

 

これらの制約を体感し、「過大な期待をするまい」と誓った上で、ようやくつい先日、9月(リピートは10月)に放送された「第2弾(1982年5月6日放送分)」を見る機会を得ました。

すると、この回においては「第1弾にはなかった予想外の制約」が追加されており、見ながら愕然としてしまったわけす。

それは…。↓

当時スタジオ出演していても、編集で「出演自体を消されて」しまう。

というパターンです。

正確には「放送局側の一方的な判断で消された」のではなく、「今回の再放送にあたり、アーティスト側からの許諾がもらえなかったので、消すしかなかった」ということかと思いますが、視聴時の私の反応も含め、その“予想外の制約”ぶりを文字で再現してみます。

  • 「第4位の発表・歌唱(西城秀樹さん)」 → 「今週のスポットライト(三田寛子さん・小泉今日子さんの歌唱)」ときて、MCの久米宏さんが「今週の第2位ぃ〜っ!」と叫び、ドラムロールとともにランキングボードが回転。
     ↓
  • 「2位はザ・タイガーズ」。と同時に、ランキングボード上では1つ下の第3位にサザンオールスターズさんの「チャコの海岸物語」が表示されていることに気づく。
    • 当時ザ・ベストテンでは、ランクインしているのに出演がない場合、久米さんはランキング発表してから「○○のため出演いただけませんでした」と説明していましたが、サザンについてはその説明がなかったということです。

  • その直後、サザンが登場しないことに何の説明もないどころか、「あれ? 2位の前に、そもそも3位のランキング発表自体がなかったんじゃないか? 見落としたのか?」との疑念がよぎり、数十秒ほどリプレイしてみることに。
     ↓
  • すると、久米さんのアナウンスが「こんしゅうの、だい、sにいぃ!」という具合に、“不自然なs”音が残る仕上がりになっているのを確認。釈然としないまま再生を継続。
     ↓
  • 2位のザ・タイガースは、この時点で再結成活動を終了しており、メンバーを代表する形で沢田研二さんが私服っぽい出で立ちでサプライズ登場。
     ↓
  • 久米さん・同じくMCだった黒柳徹子さん・沢田さんの3人が歌手たちの溜まり席ソファの前でひとしきりトーク。
     ↓
  • すると、3人の背後に、ラフな服装をした7人の集団がフレームインしてきて溜まり席の最後列に着席するものの、終始彼ら全員の顔はボカシ加工
     ↓
  • その後もラストの記念撮影部分も含め、「ラフな格好の7人組」の顔はボカされたままで放送終了

こんな感じでした。

 

格好がラフだからといってこの「7人組」が番組スタッフや一般人だったはずもありません。

つまり、久米さんの「3位」発表と「2位」発表を強引につなぎ合わせ、その狭間で3位として登場・歌唱したサザン(当時のメンバーは6人だったはずですが、なぜか7人座ってました)の出演をすべてカットし、他の歌手の登場中に映り込む溜まり席シーンでは7人全員にボカシ加工を施すという、番組ファン・サザンファンの期待を踏みにじるような編集をしちゃっているということなのです。

いくら「特別企画の再放送」とはいえ、ランキング形式の歌番組をここまで大胆に編集してまで再度オンエアするとは、恐れ入りました。
(どうせやるなら、いっそのことランキングボードの該当順位までしっかりマスキングしとくべきかと)

 

ただ、これを敢えてポジティブに考えれば、「再放送してほしくないアーティスト」の出演シーンをこういう形で除去すれば、理屈としてはどの放送回でもオンエアできるということになります。

そう。私がかつて抱いた「もう一度見てみたいアーティストが出演している回に百恵ちゃんがたまたま共演しちゃっていると、その回まるごとが再放送されなくなるのでは?」という心配をしなくて済むかもしれないのです。
(私の見たいアーティストが再放送の許諾を出さない可能性もあるわけですが…)

 

ちなみに、来月(11月)に放送される「第3弾(1980年8月14日放送分)」のランキングをこちらのサイトで確認すると、1位から順に「もんた&ブラザーズさん → 田原俊彦さん → 長渕剛さん → 西城秀樹さん → ロス・インディオス&シルヴィアさん → シャネルズさん → 山口百恵さん → 松田聖子さん → オフコースさん → アリスさん」となっています。

さらに、番組公式サイト上で「第3弾」の出演者としてクレジットされている方々をで表示してみると、こうなります。↓

もんた&ブラザーズさん → 田原俊彦さん → 長渕剛さん → 西城秀樹さん → ロス・インディオス&シルヴィアさん → シャネルズさん → 山口百恵さん → 松田聖子さん → オフコースさん → アリスさん」

公式情報では出演者クレジットの最後に「ほか」が付いているので、赤文字以外のみなさんが出演する可能性もゼロではありません。

しかし、第1弾・第2弾までの“編集”実績から類推すると、おそらく以下のような感じになると思います。

  • 長渕さん:この放送回に出演してさえいれば、そのままオンエア。(出演有無にかかわらず、ランキング発表自体もノーカット)

  • シャネルズさん:出演していたとしてもカット&ボカシ加工。(ランキング発表自体が微妙かも)

  • 百恵さん:当時引退直前ですが、出演していたとしてもカット&ボカシ加工。(ランキング発表はノーカット、と思いたい)

  • オフコースさん:出演なし(一度も出演していないはずです)&宣材写真が当時使われていればそのままオンエア。(ランキング発表はノーカット)

 

上記予想のの答え合わせは11月3日の午後9時からです。さて、どうなることやら。
(私の中で、番組の楽しみ方が変節してしまっていますね…笑)

 

【参考】

TBSチャンネルの「ザ・ベストテン」再放送特別企画公式ページ。↓

 

「人生なんてまふまふ」さんの「ザ・ベストテンの記録」ページ。↓

 

 


 

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