数年前だったと思いますが、NHK『ドキュメント72hours』という番組で秋田港近くに設置されている、昔なつかしい「うどん・そば自動販売機」に集まる人々を取り上げていたのを見ました。
昭和50年代頃までは、わりとあちこちで見かけた記憶もあるのですが、今でも現役で稼働しているのは、正直驚きでした。
それは「給湯機能付きのカップ麺自動販売機」などという甘っちょろいものではなく、販売機内にドンブリと具材と共にセットされた半生(?)の麺を湯がき、湯切りをして、ダシをそそいで完成させる」という、通常の立ち食い屋での調理ステップを忠実になぞって熱々のうどん・そばを提供するという恐るべき自販機なのです。
いわば「うどん・そば調理専用ロボット」と言っても過言ではないような代物ですから、これは食べてみないワケにはいきません。
とはいえ、写真展のためには岩手県に行ったりしましたが、いくらなんでもそば一杯のためにわざわざ秋田まで行くのはあまりにも道楽が過ぎるというもの。
そんなこんなで忘れかけていた「うどん・そばロボット」なのですが、最近になって、関東近郊にもあるという情報を入手してしまいました。
場所は神奈川県相模原市です。
え? 中古タイヤ屋さん?
もうちょっと拡大すると…
どうも、中古タイヤ店に、自販機コーナーが併設されているようです。
おそらく「全自動うどん・そば調理ロボット」も、この一角に存在しているのでしょう。
ちなみに衛星写真に切り替えてみます。
『中古タイヤ市場相模原店』と『自販機コーナー』は、畑の真ん中にあるようです。
これは行ってみるしかないでしょう。
あらためて地図で見ると、最寄駅から徒歩で30分程度かかるらしく、電車で行くのは現実的ではなさそうです。
で、免許はあってもクルマを持っていない私は、カレコというカーシェアリングサービスを使うことにしました。(何をそこまで…)

初利用なので、会員登録とか予約などにとまどいながらも、なんとか日産NOTEを確保です。
ちなみに6時間パックで3,800円ポッキリでした。ガソリン代込みです。
道中では、こんなクルマが直前を走行したりして、久々の私の運転を盛り上げてくれました。
相模原行きよりも、このクルマをひたすら追尾したい欲求を抑えるのに必死でした。
で、到着。奥に何やら人だかりの気配が。
他のクルマもたくさん。全部が全部、自販機コーナー目的ではないでしょうが。
中古タイヤ市場さん、発見。
残雪も発見。
どうも、ほとんどのお客さんはタイヤよりも自販機コーナー目当てのようです。
「そば」ののぼりが。 へい、らっしゃいっ! by ロボット
本業の中古タイヤ売り場は、こちら。この裏側に調理ロボットがあるみたいです。
中古タイヤ専門店という業態があることを、今頃知った私です。
道路に面して、ちょっとした「イートインスペース」もありました。
喫煙コーナーも。食後の一服はおいしいらしいので、スモーカーにはありがたいでしょうね。
そばだけでなく、ラーメンもあるようです。
ますます「往年のロボットたち」とのご対面が楽しみになってきます。
Googleマップでも見たように、周囲は畑だったり空き地だったりするので、強めの風が吹くと砂ぼこりが舞うのはご愛嬌。
見えにくいですが、砂ぼこり舞ってます。
周辺、その2。
のどかです。左側がボヤけてるのは、砂ぼこりのせいです。
すぐ隣の畑だったと思しき土地には、何かが建つような気配も。
もしかしたら、自販機コーナー来客者用の駐車場を兼ねているのかもしれません。
で、自販機たち、もとい、ロボットシェフやロボット販売員がズラリと並んでいます。うどん・そばロボットだけじゃありませんでした。嬉しい誤算です。
お客さんもズラリ。大繁盛中です。
写真左側の軽乗用車は、なんと松本ナンバーでした。
となりの土地が仮に来客者用駐車場だとすると、遠方からのお客さんも多いのかもしれません。
ロボットたちに会いに松本から? 万博並みの集客力です。
ロボットたちが調理するので、営業許可証も取得済みです。
左が「飲食店」、右が「乳類販売」の許可証です。
トラックの運ちゃんも御用達にしているようです。
なんか、不思議な社名表示が…。
「ズイランサトッラ」?
いったい、どこの国の会社なんでしょうか。
ズームアウトしてみると、「ズイランサトッラ社会限有」?
どこぞの社会主義国家の国営企業でしょうか。
というのはデタラメで、右から読んで「有限会社ラットサンライズ」さんが正解。(とっくにお気づきですよね)
ラットサンライズさんとは、この中古タイヤ店ならびに自販機コーナーを経営している会社さんのようなので、お店のトラックということです。
おそらくこのトラックで、タイヤを運搬し、さらには全国の往年のロボットたちも連れてきているのかもしれません。
それにしても、一堂に会した往年のロボットシェフやロボット販売員の数々は壮観の一言に尽きます。
しかも、どれも現役というのはスゴイと思います。
ざっと20台はあるかと。ロボットたちが「さぁいらっしゃいっ! 美味しいよっ!」と連呼しているかのようです。実際には無言ですが。
ということで、今回は「出発から到着、そしてお店の雰囲気」までをご紹介してみました。
次回は、自販機という名のロボットさんたちをフィーチャーしてお送りできれば。
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