「AirPods Pro」は私のトラウマを解消できるか?

by konmaru
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もう20年以上前だと思いますが、国内旅行の途中で新幹線を利用した際、隣席のご婦人からイヤフォンの音漏れを激しく糾弾された経験があります。

私より先に乗車していたそのご婦人は、途中駅から乗車して彼女の隣に座った私に対して、最初から挑戦的な視線を投げかけていました。

おそらく、音漏れ以前に、イヤフォンをしていた姿そのものが気に入らなかったのだと思います。

 

で、新幹線が動き出して数分後、ご婦人は私の腕を突然つつき出し、驚いてイヤフォンを外した私に対して、
あのねぇっ! あなたの、その音楽、うるさいの! 外に聞こえてるの! シャカシャカシャカシャカって、もう気になって全然落ち着けないのよ!
とおっしゃいました。

乗車前に音量をかなり下げたつもりだったので「えっ、まだ漏れてるの?」と少々意外でしたが、耳の敏感なこのご婦人には聞こえてしまっていたのでしょうから、こちらに非があったことは否めません。

彼女の叱責が想像以上に車内に響き、周辺の乗客の数人がこちらを注目したこともあって、「あなたのそのわめき声も、かなりうるさいみたいですよ」というのが本音でしたが、それを言語化したところで生産的なコミュニケーションになるはずもないので、私は素直に従うことにしました。

私がイヤフォンを再度装着し、音量を下げ、恐る恐るご婦人の顔色をうかがうと、彼女は相変わらずこちらを睨みながら首をブンブンと横に振ります。

あわててさらに音量を絞り、もう一度ご婦人を見ると、仏頂面のまま頷いて下さいました。

私はようやく安堵して、蚊の鳴くような音量の「電気グルーヴ」を聴き続けることができました。

 

ところが、その数分後。

私とご婦人の座るすぐ後ろの席で、赤ちゃん猛烈な泣き声を上げました。

イヤフォンで(音量を下げたとはいえ)音楽を聴いている私にもその泣き声はハッキリと聞こえましたから、ただでさえ音に敏感な隣のご婦人にとっては極めて苦痛だったものと思われます。(現にしかめっ面でしたし…)

しかも後ろの赤ちゃん、多少の山谷はあったものの、終点に到着するまでの2時間強にわたって、延々と泣き続けてくれたのです。

 

泣き始めてすぐにご婦人のしかめっ面を確認したあと、私は恐ろしくて、その後のご婦人の表情を見ることができませんでした。

イヤフォンの音漏れに勝利したものの、ヘッドレストあたりから2時間に渡って響き続けた赤ちゃんの泣き声には屈服せざるを得なかったご婦人の心情たるや、如何に。

 

そんな出来事があってから、私は「まるで耳栓をするように装着するので音漏れがしにくいとされる“カナル型イヤフォン”」だけを買うことにしています。

それに対して、iPhoneの付属イヤフォンや別売のワイヤレスイヤフォン『AirPods』は、“開放型”とか“インナーイヤー型(インイヤー型)”などと呼ばれています。

こちらの商品は、けっこう音漏れするとの情報もありますし、そもそも私の耳の穴にはフィットせず、納得のいく装着感が得られないため、iPhoneを何度か新機種に買い換えてきたものの、付属イヤフォン、AirPodsのいずれも常用したことがありません。

 

で、本日。

Appleさんは新しいワイヤレスイヤフォン『AirPods Pro』の発売を発表しました。

  • アクティブノイズキャンセリング 機能を初めてAirPodsに搭載。
  • イヤフォン部を耳に装着するため、大中小3つのシリコンイヤーチップが付属
  • 密閉性も抜群
  • 耐汗耐水仕様
  • 外に向いたマイクで周囲のノイズを拾い、それを相殺するアンチノイズを作って外界ノイズを消去(←これがノイズキャンセリングイヤフォンの原理)
  • 加えて、内向きのマイクが耳に向かって音を拾い、残りのノイズを相殺(←ここまでするイヤフォンって、これまでにもあったんですかね?)
  • 外部音を取り込むリスニングモードへの切り替えなどの操作は、感圧センサーを使ってAirPods Proだけで可能
  • バッテリ駆動は最大5時間。ノイズキャンセリング モードでは4.5時間
  • 価格は27,800円(税別)

 

バッテリー駆動時間がもう少し長ければ言うことなしではありますが、これらの謳い文句を見ると、私が初めてAppleのイヤフォンを使える日がついに到来したのかもしれません。

ただし、製品紹介ページには「これまでにないレベルのインイヤーヘッドフォンを作りました」との表現も見受けられます。

ここで言う「インイヤー」が“開放型”を意味しているのだとすれば、やはり音漏れの有無が気になります。うーむ…。

 

明日30日発売開始とのことなので、使用感を伝えるレビュー記事が出回るのは明後日以降になるのでしょう。

まずはそれらを熟読した上で購入を検討したいと思います。

20年以上前に新幹線の車両で遭遇したあのご婦人でさえ認めざるを得ないほど、音漏れのないイヤフォンに仕上がっていることを祈ります。

 

 

【10月29日・夜中の追記】

ネット系ニュースメディアを中心に、AirPods Proの実機レビューが出始めてます。

例えばengadgetさんの記事では、
音漏れも周囲の何人かにヒアリングしましたが、第2世代までのものと比べるとほとんど気になりません。音量を上げていく途中で耳のほうが限界に達しました
とのこと。

またPHILE WEBさんの記事によると、
「消音機能をオンにした時に感じる、耳穴の中を押さえつけられるような不快な内圧を回避するために、AirPods Proはノズルからハウジングの背面側に抜ける小さな「通気孔」を設けた。とても小さい孔なので見た目にはわからないし、音楽再生中に音漏れが気になることもない
んだそうです。

今のところ、アップルさんがメディア向けに特別に設けた試聴機会をもとにした記事が中心なので、実際のコンシューマーさん達のクチコミが今後出てくるのを待ってみようと思います。
(とはいえ、音漏れについては概ね改善しているようなので、私としても大いに期待させていただきます)

 

 

 

 
 

 

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