「陽性者数より死者数が重要」とか「日本は諸外国に比べて全然被害が少ない」とか言われているので確認してみた。

最近はあまりすることもなくなってきたので、どうしても新型コロナウィルス の情報に接する時間量がが増えてしまいます。

そんな中、「日本の感染者数を云々したくても、そもそもPCR検査の実施人数が少なすぎて、あてにならない」とか「その辺は各国ともコンディションが違う(はず)なので死者数で比べた方がいい」などという意見も聞こえてきます。

 

で、「人口(100万人)あたりの新型コロナウィルス死者数の推移を国別で比較できるサイト」を見つけたので備忘メモを兼ねてご紹介します。↓

札幌医科大学医学部 附属フロンティア医学研究所 ゲノム医科学部門さんが運営しているこのサイトでは、死者数だけでなく感染者数についても比較できますし、グラフを「実数」にするか「人口100万人あたり」にするか、そして比較対象国を様々な切り口で選択できるようにもなっています。素晴らしい。

また特徴的なのは、グラフのタテ軸に「直近7日間の100万人あたりの死者数(感染者数)」対数で、さらに、ヨコ軸に「100万人あたりの死者総数(感染者総数)」をこれまた対数で描くことによって「新型コロナ感染(封じ込め)の対策に成功しつつあるのはどの国か」ということも視覚的に分かるようになっている点です。
(「トラジェクトリー解析」と命名された、例えばこんなグラフです)」

※タテ軸・ヨコ軸とも対数のグラフにする意味については、こちらの動画(日本語字幕も選択可)を見ると、何となくですが理解できた気になれると思います。↓

How To Tell If We're Beating COVID-19

 

ということで、4月28日分までの各国の死亡者数の推移グラフを拝見してみます。
なお、対象国は「人口100万人以上。かつ100万人あたりの感染者数が10人以上」の国々としました。
(そういう国だけを1発で選択できるボタンがあるのですが、なぜか大感染国のスペインが除外されるようなので、スペインを手動で追加しました)」
それがこちらです。↓

4月28日時点で、日本での死者数は376人なので、人口100万人あたり2.97人となっています。

指数関数的に増加するウィルス感染者数の変遷を表示する上で、上記のような対数グラフは大変有効ですが、最新値(4月28日)だけを“普通の棒グラフ”でも表してみましょう。(これは私の自作)↓

まぁ、確かにこれを見ると「日本の死者は国際的に比較すれば非常に少数にとどまっていて、コロナウィルスをうまくコントロールできている国」とみなせるような気もします。

しかし、先ほどの対数グラフを見れば…、

  • 4月15日時点での“日本の人口100万人あたりの死者数”は「0.94人」だったので、この2週間で死亡者が3倍に増えている。

  • 3月末にインドネシアに追い抜かれたが、ここ数日でまた日本がインドネシアに追いついてしまった。

  • なんだかんだ言っているうちに、あの「中国」と大差ないぐらいの“人口あたりの死者数”になってきている。

などのことが分かります。

 

ついでなので、厚労省が発表している日本国内の「年代別の死亡者数」の最新版もグラフ化しておきます。↓
(先程の国別比較グラフの死亡者総数(376人)とは109名の差がありますが、「個々の陽性者との突合作業中」とのことなので、こちらのグラフでは最新死亡者総数が267人になっているんだと思います)

このグラフによると、やはり高齢者ほど死亡者数が増加していることが分かります。

そして、「陽性者数に占める死亡者数の割合」を年代別に作ってみた最新のグラフがこちら。↓

陽性者全体での“致死率(死亡率)”は2.0%へ。そして80代以上においては今や「感染したら、ほぼ8人に1人が死んでいる」ことが分かります。

 

そんなわけで…。

「日本において、新型コロナウィルスによる重症肺炎などで死亡するリスクは、世界的に見ればまだまだ低い」のは事実のようですから、それが「当初のクラスター対策が功を奏したから」なのか「元来がきれい好き風呂好きマスク好き」のせいなのか「土足厳禁の住環境」のせいなのか「国民皆保険制度による高度な医療サービスを享受できるから」なのか「BCGワクチンの副次的効果」なのか、はたまた「大和民族の優秀な遺伝子」のせいなのか、ぜひ科学的な解明を望みたいところです。

そのへんがハッキリしないと「日本はパンデミックなんかじゃない。パンデミックになんかならない。騒ぎすぎだ。自粛しすぎて経済的に首を絞めているぞ。若者はどんどん働け」という威勢の良い意見になかなか同調する気になれませんし、ましてやジョークであっても「1月に餅を喉に詰まらせて死ぬ人数の方がまだまだ多いぞ。殺人餅だ!」とか言われても、笑う気分にもなれません。

 

人間側に「集団免疫」がつくまで、ウィルスは第二波・第三波と襲ってくるそうですが、不幸にして特効薬やワクチンの開発・製造が遅れ、「人類全体の6〜7割が抗体を持ったけど、それまでに年寄りを中心に何百万人も死んだ(すでに21万人以上が亡くなってるわけで…)」みたいな事態は、ぜひとも避けたいところです。

つまるところ、新型コロナって「究極の世代間闘争&参加辞退できないロシアンルーレット」みたいなものだと思うので、本当に困ったもんです。