「教えておじいさん〜」と歌えども何も答えないおじいさん【とあるカスタマーサポートとのやりとり】

by konmaru
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アルプスの少女ハイジ』というアニメ作品があります。今でも時々リピート放送されているようですし、若き日の高畑勲さんや宮崎駿さんが関わっていたこともあって、知っている若い人も多いでしょう。

番組のオープニングでは、

口笛はなぜ遠くまで聞こえるの?

あの雲はなぜ私を待ってるの?

教えておじいさん〜

と始まる『おしえて』という主題歌が流れ、ハイジの立場と思しき設定の歌い手がおじいさんにあれこれと質問するのですが 、歌の中でおじいさんが回答することはありません。

歌い手の質問は放置されたまま、なにも解決しないまま主題歌は終わり、物語が進行していくのです。

これは言わずと知れた名作アニメの主題歌ですから、「回を重ねて視聴していくうちに、きっとアニメ本編から答えを学ぶことになるんだろうな、ワクワク」という期待感の醸成に一役買っているのですが、現代社会の消費生活において同様の“質問の放ったらかし”をくらうと、結構辛いものがあります。

 

で、徐々に本題です。

 

 

このご時世、物を買う前にいろいろと下調べをしないと「これを使って私はハッピーになれるかどうか」の判断がつかないことがままあります。

「チョコレート」とか「鼻毛カッター」のような有形物であれば、店頭で現物を手に取り、パッケージ記載の各種情報やモノとしての質感を確認してから買うということも可能でしょうが、無形サービスとなるとなかなかそうはいきません。

そのサービスを提供している店舗に出向き、受付のおねえさんなどに「こういうことを追加でお願いできるのですか?」とか「この割引券は有効期限が書いてませんけど、まだ使えますか?」と尋ねるしかないのが一般的ではないでしょうか。

もしくは電話などで同様のことを訊く、とかですよね。

 

ところが、これがインターネット上(クラウド上)でのみ展開されているサービスとなると、購入前・契約前の詳細確認がなかなか難しくなります。

なぜなら、「契約前・契約後の各種問い合わせ(カスタマーサポート)は、メールもしくは問い合わせフォームからのみ」というケースが少なくないからです。

私が年明け早々に体験したのも、そんなサポート体制を取る会社とのやりとりでした。

 

私は、とある種類の(これまで使ったことのない)クラウドサービスを利用する必要に迫られ、あれこれとググってみたところ、安心して使えそうなのは主要3社のサービスであることを知りました。

私がやりたいことは3社いずれのサービスでも概ね実現できそうなのですが、「こういう場合の使い勝手はどうなるのか?」ということをさらに調べていると、私が想定する使い方はどうも特殊らしく、3社ともホームページに載っている情報だけでは確認できないことが分かってきました。

「こんな使い方って、できますか?」的な問い合わせは、のちのち記録が残せるメールなどでのやり取りがいいのだろうと思いましたが、私が想定する“どうも特殊らしい使い方”を簡潔に文章化する自信がありませんでしたし、聞きかじった専門用語を私が誤って使ってしまうと、その言葉の定義を両者で一致させるためだけでメールが2往復ぐらいしそうな気もしました。

 

で、3社のうち2社(仮にA社とB社とします)のカスタマーサポートには電話窓口も用意されていましたので、電話で問い合わせをすることにしました。

案の定というべきか、電話でオペレータさんと会話をしていると、「お客様、それは、こういう時に限り可能です」と言われて「すいません、その“こういう時”っていうのは、あんな場合やこんなの場合も含まれるのですか?」というふうに、一つの回答から違う疑問が湧いてくるという事態を生んだりもしましたが、質疑応答が行きつ戻りつしたことで、結果としてA社・B社のサービスの仕様をかなり詳細かつ立体的に理解できたように感じました。

 

さて残る1社(仮にC社とします)ですが、ここはクラウドサービスの画面インターフェイスも分かりやすく、私のような初心者が利用するのに一番ふさわしそうな印象がありましたし、実際ネット上でも「ビギナーにはピッタリ」という評価が定着していました。

しかも、私が利用している“別ジャンルのサービス会社(仮にX社)”のユーザーに対しては、「弊社(C社)の利用料金を◯ヶ月分無料にします」という特典が提供されていることも分かりました。

よってこのC社で、私が想定する“どうも特殊らしい使い方”が可能であれば、契約はC社で決まりです。

 

残念ながら、C社のカスタマーサポートは「問い合わせフォームへ入力 → メールで回答」という手法だけでしたので、誤解を生むような表現を極力避け、聞きかじりの専門用語も使わず、私が想定する“どうも特殊らしい使い方”を正確にイメージしてもらえるように工夫をしながら、5行ぐらいの質問文を40分ぐらいかけて書き終え、送信しました。

C社からすぐ自動返送されてきた「質問受け付けましたよメール」には、「3営業日以内に回答をします」と謳ってあったため、回答メールが届くのを指折り数えて待つことにしました。

 

ところが、質問送信から3営業日を過ぎても回答が来ません。

「もしかして“迷惑メール”フォルダに格納されてないか?」とも思い、何回かメールアプリを漁ったりもしてみましたが、やはり回答メールは届いていないようです。

 

さて、質問送信から1週間が経ち、3社のいずれか1社と契約するのを急いでいた私は、「問い合わせの件、その後いかがでしょうか? お返事引き続きお待ちしております」と丁重なメールをC社に送ってみました。

のちのち本契約する可能性が高いこともあり、“クレーマー予備軍ユーザー”というふうに受け止められたくなかったので「もしかしたら、返信メールを読む前に私が誤って捨ててしまった可能性もゼロではないので、返信済みであっても、もう一回送ってもらえますかね?」と添えるなど、かなり低姿勢な文章にしてみたのです。

 

それからさらに3営業日待ってみましたが、相変わらず音沙汰がありません。

「お問い合わせはメールのみだよ」という会社ですから、再度メールで督促しても埒があくような感じはしません。

 

私は、なんとかC社と電話で連絡が取れないかと思い、ホームページを改めて探索したのですが、カスタマーサポートはもちろん、会社概要や人材採用情報のページに至るまで、一切電話番号が表記されておらず、「お問い合わせはメールにて」が徹底されているC社の企業姿勢を痛感しました。

 

そのとき、私はC社のサイトの「特商法に基づく表示」というリンクに気づきました。

そうなのです。ネット上で商取引をする際には、「特定商取引法に基づく表示」を掲示することが義務付けられているらしく、販売や支払い方法などとともに、企業名・住所、そして電話番号も表記しなければいけないようなのです。

で、そのリンクをたどったところ、私はついにC社の電話番号に行き着きました。

 

私は心底嬉しくなったと同時に、「おそらくこの番号は会社の代表電話に違いない。本来、契約(検討)者が電話をしてくることなど想定していないはず。つながったら、まずは唐突な電話の非礼を詫びた上で、返信メールが一向に届かないため、やむにやまれずコールしてしまったこと」など、事情を丁寧に伝えなければと思い、話す内容を箇条書きで整理しました。
(それに10分ぐらいかかったりしてます。w)

 

伝達情報が整理できた状態で、私は心を落ち着けながら、常識的にオフィスアワーと思われる午後1時過ぎに、その電話番号(ちなみに050ナンバー)をコールしました。

 

トゥル〜〜、トゥル〜。

ガチャ。(緊張MAX状態)

“お電話ありがとうございます。◯◯株式会社でございます。ただいま、お電話をお受けできないため、メールでのご連絡をお願いいたします。メールアドレスは、(以下略)。”

 

なんと、わたしがかけた電話番号は「自動応答アナウンス」につながっており、そこからも結局はメール連絡に誘導されるという展開になったのです。

 

この完璧なまでの「一見さんとは電話では話しません」というオペレーション姿勢に、私はある意味感心してしまいました。

「だったら、3営業日以内のメール返信、守れっつうーの」という憤りも正直ありましたが、これがC社との間に許された唯一のコンタクト手段なのですから、とやかくは言えません。

 

ただ、初心者である私がC社サービスを契約後、操作方法について何らかの問い合わせをすることは確実ですし、それも1度や2度では済まないハズです。
どんなに操作画面が分かりやすくても、「こういう時にはどうするのか、ヘルプページで回答が見当たらない」ということは使っていれば必ず起きますから。

その時に「使い方分からず涙目 → 質問メール → 音沙汰なし → 督促メール → これも音沙汰なし → 涙目」状態がループするんだとしたら、怖くて本契約などできません。

 

この話、続きがありまして、電話コールからさらに数日が過ぎ、「さすがにこれ以上、サービス利用開始を遅らせられない。C社は断念し、次善としてA社に契約申し込みをしようか」としていたまさにその時、あのC社のカスタマーサポート担当からメールが届きました。
(最初の問い合わせから2週間近くが経過していました)

その内容を要約すると、

遅くなってすみません。

質問については、担当部署で確認中です。

待ってもらった上に、さらに時間がかかってしまってすみません。

分かり次第メールするから、もう少しお待ちください。

 

というものでした。

標準の運用が「3営業日以内に返事」のところを、「2週間経って、“確認中だからもうちょっと待って”の返事が来た」というワケです。

つまり、担当部署が自社サービスの使い方について、2週間近く確認を継続しているということのようです。「かなり難しいことを尋ねてしまったのでは」と、私は恐縮すべきなのかもしれません。

 

で、私は興味本位な気持ちも手伝って、以下のような返信メールを出してみました。(文面上はもっと丁寧な表現です、当然ながら)

連絡どうもです。

返事が遅かったのは、私が契約前だから? それとも何か特別な事情があったの?

そちらには電話問い合わせができないから、返信メールを待つしかないけど、本契約した後の質問にも3営業日じゃなくてこんなに待たされるんだとすると、金払って本契約することに尻込みしちゃうよね、正直…。(^_^;)

他社さんと比べてもサービス内容自体は良さげなので、「あなたのメール、単純に見落としてました。通常は3営業日以内でやってるから安心してね」と言ってもらえると契約する気にもなれるんですけど〜

 

すると、今度はC社から、翌日にお返事が。

本当に時間かかっててすみません。

通常は「3営業日以内」なんだけど、今は問い合わせが混み合っているので、時間がかかっちゃってます。

すみませんが、もう少し待っててください〜。m(_ _)m

 

ということで、今も回答待ちが続いています。

C社の社名を晒して糾弾することが目的ではありませんから、あまり詳しくは書きませんが、ちなみに申し添えますと、「このクラウドサービスの利用シーンを考えると、1年のうちでこの時期に問い合わせが最も集中するのは、この業界の常識」なのでありまして、にも関わらず3日以内の返事がこれだけ引っ張られているということは、やはり世の中の人手不足は深刻ということなのでしょうか。

 

今回はC社に電話して、自動応答音声さんに

「アドレス教えるから、悪いけどメールで連絡し直してちょうだい」

と言われたワケですが、何年か後にC社にメールすると、

「アドレス教えるから、悪いけど会社に直接来てちょうだい」

と言われる時代が来るのかもしれません。

 

ということで、「分からないことが多い初心者さんは、電話サポートがある会社のサービスを利用した方が安心かも〜」というお話でした。

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