平成から令和へ改元する谷間で、悠仁親王(以下、悠仁さま)が通う中学校に不審者が侵入し、悠仁さまの机に包丁を置くという事件が発生しました。
悠仁さまといえば、今や皇位後継者第2位にいらっしゃる方ですから、これを機に警備体制も見直されていくことになるのでしょう。
その「皇位継承順位」ですが、現在は、1位が秋篠宮文仁親王(秋篠宮さま)、2位が悠仁さまとなっています。
ちなみに、平成の時代には「1位:皇太子徳仁親王(今上天皇) → 2位:秋篠宮さま → 3位:悠仁さま → 4位:常陸宮正仁親王(常陸宮さま)」と続いておりましたが、徳仁親王は5月1日に天皇に即位されましたし、常陸宮さまはすでに80歳を超えています。
ということは、法体制などが現行のままで、かつ皇室に新たに男児が誕生しないと、
「令和の次に天皇になられる方は秋篠宮さま」
↓
「その次は悠仁さま」
↓
「その次は?(そのとき、常陸宮さまはおいくつ?)
というコンディションであり、平易に表現すると「天皇を継げる人がいなくなる」ことが心配されているわけです。
「天皇は男系の男子が継ぐ。女性皇族は、結婚とともに皇籍を離脱する」のが今のルールなので、「悠仁さまの次の天皇になれる(悠仁さまより若い)人は今はいない。そのポジションにつけるのは、悠仁さまが将来結婚してそこに生まれる男の子だけ」ということになっています。
おそらくその頃には、「新年の一般参賀」でベランダに並ぶのは、悠仁さまの家族だけとなり、さらに状況次第では「悠仁さまが一人でベランダに立つ」ことだってないとは言えないでしょう。
この皇位継承問題の解決策には以下のようなものがあり、同時に問題点も指摘されています。
その1:女性天皇を認める
前例はありますが、「女性宮家・女系天皇」につながる話になります。
その2:女性宮家・女系天皇を認める
分かりやすく言うと「愛子さまが将来結婚しても皇籍を離脱せず、宮家を持つ。そしてそこで男児が生まれたら皇位継承資格をあげる」ということです。
ただし、これまでは「歴代のすべての天皇が、天皇の父親をズーッとさかのぼると必ず神武天皇にたどり着く」という「男系による万世一系」が保たれてきたため、その伝統が崩れることになります。
その3:旧宮家の男性子孫を何らかの方法で皇籍に戻す
具体的には「旧宮家の復活」や「男性子孫の誰かを現宮家の養子に入れる」といった手段です。
血筋としての男系はつながるかもしれませんが、国民はある日突然「この人はこれまで一般人だったけど、今日からは皇位継承順◯位になるんで、以後よろしくね」と紹介されることとなり、「そんなんで、国民から理解や敬愛の念を得られるのか」という疑問が残ります。
その4:側室を認める
大正天皇が廃止した側室制度を復活し、男児が生まれる確率を高めようということですが、これを今復活したところで、現実には悠仁さま以降にしか適用できないでしょうし、だいいち国民が支持しないでしょう。
その5:産み分け・人工授精・遺伝子操作など、最新医療技術を駆使して確実に男児を産んでもらう
これも、今からやるとなると、悠仁さまと(将来の)お妃に対して行なうことになると思いますが、国民からの強い拒否反応が予想されます。
そういえば、先月の平成最後の『朝まで生テレビ』でもこのテーマが議論されていましたが、「男系男子」の伝統継続を強く主張する竹田恒泰さん(明治天皇の玄孫)からも、以下のような趣旨の発言もありました。
「女性宮家を認めたら、小室圭さんみたいな人が皇族入りするのだ。それはダメでしょ」
「旧宮家の子孫の中から現在の宮家に養子入りしてもらえばよい。『赤ちゃんを養子に』と言うとムゴいと非難されますが、中学生・高校生を持ってくるよりよっぽどいい」
まぁ、竹田さんの意見が「男系男子の継続」を主張する方々の総意とも思いませんが、「男系男子でつなぐためなら、公の電波で一個人を誹謗中傷することも平気だし、旧宮家で生まれた男児を現在の宮家の養子にもらってくるのもありだし、体への負担も承知で不妊治療・産み分け技術もバンバン使うべきだし、国民側に全く馴染みがなくても旧宮家を復活させるべき」みたいな主張を繰り返されると、世間の大半は「何をそこまで? どうしてそんな時代錯誤でグロテスクなアイディアが?」感が強まって、単にドン引きするだけじゃないかと思います。
この日は、同じく「男系男子」を主張する、八木秀次さん(麗沢大学教授)も出演していましたが、三浦瑠璃さんからの投げかけに応える形で八木さんは、
「(男系男子が途切れるぐらいだったら、天皇家の存在がなくなった方がマシ)だと論理的には考えざるを得ない」
と発言したので、大いに驚きました。そんな天皇制なら、要らないんだそうです。(もしかすると、不要を通り越して“害悪だ”ぐらいに考えていらっしゃるのかもしれません)
それほどまでに「天皇制や皇室を維持する上で欠かせない要素が『男系男子』なのだ」と考えていらっしゃるんでしょうけれど、であれば、令和以降の時代を生きる国民からも受け入れられやすい「男系男子を継続できる対策」を考えてもらえれば幸いです。
※このたび退位された天皇が「生前退位の意向を強くにじませたビデオメッセージ」を流したのと同じように、この先、新しい天皇陛下が「女系天皇・女性宮家の容認を強くにじませたSNSメッセージ」とかを発信される可能性だってあると思います。そのときに八木さんとか竹田さんがどんな反応をなさるのか、注目していきたいと思います。
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