「新型コロナ支援制度」の変更に気づかなかった話。(その2)

今回は、前回(その1)よりも切実な話になると思います。

 

「持続化給付金」について。

これは経済産業省が行なっている支援でして、簡単に言うと「新型コロナウィルス感染症拡大によって、営業自粛とかで大きな影響を受けてるだろうけど、給付金を出すから事業の継続や再起をめざして頑張ってね」というものです。

給付金額の上限は、「中小法人などには200万円、個人事業者に対しては100万円」となっています。(公式サイトはこちら。↓)

 

で、実際はいくらもらえるのか。

さて、肝心の給付金の算定方法は、ざっくり言うと以下のようなものです。(個人事業者の場合。正確かつ最新の情報は公式サイトをどうぞ)

  • 今年の1〜12月の間だったらどの月でもいいので、前年同月の売上(以下「月収」)と比較する。(よって申請自体は来年の1月15日まで可能。ただし申請機会は1回だけ)

  • 今年の月収が前年同月の半分以下になった月」が1回でもあれば、受給対象となる。

  • 「月収が半分以下の月」が複数あるなら、計算に使う月を任意でひとつ選ぶ。(一般的には「最も月収の減った月」にするケースが多いと思われます)

  • 「計算に使う月」の今年の月収を12倍する。(←つまりこれを「今年の“想定年収”とみなす」ということですね)

  • 「前年の年収」から「今年の想定年収」を引く

  • その差額(≒年収の減少分)のうち、「上限100万円」まで給付する。

と、大体こんな感じです。

 

つまり乱暴にまとめると、年収が「昨年5億 → 今年はたぶんゼロ」の人にも「昨年500万 → 今年はたぶん300万」の人にも、「国が100万円まで面倒みてくれる」ということです。
よって「けっこう助かっちゃう」と感じる人もいれば「焼け石に水。何の足しにもならない」と嘆く人もいるんだと思いますが、かと言って「全員に昨年並みの収入に達するまで損失補填する」こともできないでしょうし、まぁ、しょうがありません。

 

もうひとつあった“ケチくさい”算定条件。

で、ここまでなら私も素直に「いただけるのなら、ありがたくいただいておこう」と思えたのですが、算定方法にもうひとつ重要な条件が埋め込まれていることを知り、かなり興醒めしてしまいました。

それは、「算定された給付額のうち、10万円未満の金額は切り捨てる」というものです。

算定の結果、給付額が「904,300円」となって「もらえるのは90万円きっかり」ならまだ我慢もできるでしょう。

しかし、算定額が「199,800円」の人は「10万円」に、そして「99,700円」と算定された人は「1円ももらえない」ということになるわけです。

これはつまり、「上限100万円」のほぼ1割に相当する額が切り捨てられるということですから、到底あり得ない切り捨てっぷりだと思います。

 

そして「切り捨て」は見直しに。

そして、その後。
当然というか案の定というか、5月8日にこの「10万円未満は切り捨てます」条件は見直され、1円単位まできちんといただけることになったようです。
(以下は持続化給付金公式サイトの「制度内容」ページの一部です。↓)

「この非常時に、切り捨てるなんてケチくさいこと言っちゃってごめんなさい」というトーンは皆無。「突然の政治判断でひっくり返っちゃった苦肉策」感ばかりが滲み出てる印象。w

なお、上のキャプチャー画像を見れば分かる通り、「迅速に給付を進める」ため、これまで通り「電子申請画面では10万円未満の金額を切り捨てて給付額が算定」され、いったん「10万円未満を切り捨てた金額を口座に振り込」むとのこと。

そして、改めて「後日10万円未満の切り捨てられた金額は、追加で給付」するんだそうです。

まぁ、算出された本来の給付額が正しくもらえるのですから、結果オーライなのかもしれませんが、最後の「なお、追加の給付を受けるための申請は不要です」という「言わずもがな」な一文は、どうしても鼻についてしまいます。

そもそもは「非常事態なんだから、1円単位の金額指定で振り込みなんかやってたら給付が遅くなる」という善意の理屈があったのだと思いますが、だったら「非常事態なんだから10万円未満は切り下げじゃなく、切り上げとけよ」と言いたくもなったり。(こういうところをしみったれても、何もいいことないんじゃないかと…)

 

「切り捨てます」情報の残骸があちこちに…。

一方で、弊害というか後遺症もありまして、本稿執筆時点(5月14日の夕刻)においてもなお、いろんな自治体のホームページの情報が「10万円未満は切り捨てる」のままになっているようなのです。
方針変更から、もう6日も経ってるんですけどね。

「持続化給付金 10万円未満の端数 切り捨てる」でググるとけっこう出てきますが、例えば関東圏でいけば千葉県習志野市の当該ページが今現在、未修正のままです。
しかも「5月12日」には更新までされているページらしいのですが…。↓

当該ページ上段。更新日は5月12日。(方針が変更されたのは5月8日です)

 

当該ページ中段。いまだに「切り捨て御免」状態。

 

まぁ、自治体もてんてこ舞いでしょうし、本家本元の申請サイトが修正されていれば、概ね実害はないのかもしれません。

ただ、中には「アタシの手作りアクセサリー通販ビジネスって、今のところコロナの影響ってそんなに大きくないのよね。申請しても10万円にはギリギリで届かなそうだし、どうせもらえないなら面倒な申請はやめとくわ」というフリーランスさんもいらっしゃるんじゃないでしょうか。
そこらへんが、ちょっとばかり気になります。

 

おそらく、今後もいろんな支援策が浮上し、手続き方法も二転三転することがあるでしょうから、とにかく情報収集だけは抜かりなくやっておきたいものです。(と書いてる自分が、そもそも気づくのが遅かったという…。w)