こんな「日大アメフト問題」でした。

先月開催された日大・関学によるアメリカンフットボール定期戦において「危険タックル」を実行した日大フェニックスの選手。

その選手本人による昨日の記者会見以降(というか、ここ数日ずっとですが)、この問題はメディアでも大きく取り上げられております。

日大アメフト部の恐怖支配的な体質。

生徒を守らず、何を守ろうとしているのか分からない大学当局。

意見どころか質問すらできなかった日大側・前監督と選手の関係

指導する側とされる側の受けとめ方の乖離

20歳の若者が顔と名前をさらして会見に臨んだ覚悟。

日大に我が子を預けることの保護者の不安

などなど、さまざまな論点が噴出しています。

まぁ、「日大当局のリスクマネジメントがひどすぎる」という一言に尽きるかと思いますが、それにしても「既に自分の体が燃えているのに、なぜさらに自ら油を浴び続けるのか?」がまったく意味不明です。

いくらなんでも「ドM」が過ぎます。

くだんの「前監督」は「学校法人 日本大学における人事(含む男女共同参画)担当常務理事公式サイトを見ると、理事評議員にも名前を連ねています)」という立場でもあります。(ただし今日現在)

そんなことを合わせて考えると、「不祥事をしでかしたのが大学のナンバー2であり、しかも学内の人事権を握っていることもあって、まともに進言・直言・対応できる職員がいないんだろうなぁ」と推測せざるを得ません。

と同時に、いちスポーツ部の不祥事、そして大学の経営幹部の失態というドタバタに巻き込まれたすべての日大関係者(学生・OB含む)に対して同情いたします。

さて、振り返ってみると、学校の運動部における不祥事はこれまでにいくつも発生しています。

そして不祥事が発覚した結果、「退部させられた」「試合に参加できなくなった」「廃部になった」「停学・退学処分になった」「逮捕された」など、いろんな処分が下され、そしてそれが報道されることで社会的制裁も下されてきました。

今回、ものすごい報道量になっていますが、そもそもこのアメフト問題って、これほどの報道量に見合うだけの大事件なのでしょうか?

たとえば、増澤陸(Rick Masuzawa)さんという方のブログ『それ、僕が図解します。』では、あくまでダメージコントロールの視点から「日大はどこで対応を誤ったのか。諸対応の過ちから引き返せる分水嶺はどこだったのか」について、図解で整理・解説がなされており、「どの対応によって、火に油を注いで自ら騒ぎを大きくした」のかが大変分かりやすくまとまっています。

ただその一方、「油=燃えるもの」があるだけでは火は燃えません。

その他に「燃えるのに必要な分の酸素」「点火できるだけの熱」も必要です。

では、何がこんなに「日大アメフト問題」を熱くさせるのでしょうか。

なぜ連日メディアで大きく取り上げられるのでしょうか。

ということで、日大アメフト問題を大きく燃やそうとする「酸素とか熱」に当たるものを、いくつか妄想してみました。

妄想1 そもそも「大学スポーツ」はOBの関心が高い

「小学校対抗」「中学校対抗」だと、児童生徒・OB・保護者などの関係者数が分散してしまい、大きな規模にはなりません。

「高校対抗」でも似たり寄ったりで、「高校総体の結果が全国ニュースで報道されることなど稀です。(ただし高校野球は「県対抗」の側面があるため例外的に全国報道になっていると私は理解しています)

これが大学になるとどうなるか。

県対抗ではなく、「自分の最終学歴校」どうしが対抗戦をするわけです。

しかもメディア(特にマスメディア)の社員は、ほぼ100%「大卒」以上です。

つまり「自分が最後に過ごした母校の関わるスポーツ対抗戦」は、そもそもOB達の関心を集めやすく、それはメディアで働くOBも同様でしょうから、自然と報道が過熱しやすい、という仮説です。

関連して申し上げると、「箱根駅伝」が人気なのも私は同じ理由だと思っています。(もちろんコンテンツが正月休み向きという他要因もあるでしょうけど)

妄想2 他に報道するネタがない

仮に今、

東京都知事の新党結成と“排除”発言」

北朝鮮からのミサイル発射とJアラート発令」

アイドルグループの1メンバーの不祥事」

などが同時発生していたとしたら、このアメフト問題はこれほど報道されていないと思います。

同じスポーツジャンルのニュースに限定してもいいですが、それでも、

平昌オリンピックでの日本人選手の大活躍」

横綱による暴行と被害側親方の報復的行動」

「日本人大リーガー選手達の活躍」

「日本プロ野球界、往年の大スター選手の訃報

などと時期がかぶっていたら、やはり扱いとしてはゼロに等しかったと思います。

要するに、「ニュースバリューの高いネタが、今は他にないだけ」という身もふたもない理由になります。

妄想3 SNS(特に動画)で先行炎上したネタに対するマスメディア側の嫉妬

これは「妄想2」を補強するような役割なのかもしれませんが、どんなに他にネタがないにしても、いまどき「動画どころか写真もない」ではニュースになりません。

しかも、マスメディアが取り上げるより前に、SNS上で当問題の動画が話題になっていましたから、

マスメディア発ではないけど(マスメディア発でないからこそ)、俺たちが巻き返すんだ。それこそがマスコミだ。ネットに局地的炎上はできても、これだけ拡散するパワーなんか、ないだろ?」

という気持ちが働いたとしても不思議ではありません。

つまり、「自分たちより先にこんなオイシイ映像をアップしやがって!」という嫉妬から生まれたネットへの復習戦という話です。

妄想4 最近続発する「長く続いてきた権威伝統オウンゴール的不祥事」には乗っかりやすい

日大は、国内のアメフト業界(というのか?)においては超一流校ですし、前監督も退任したとはいえ、今だに超ビッグ大学組織のナンバー2のままです。

昨今、長らく「権威・伝統」と呼ばれるポジションにあった存在が、こちらが頼んでもいないのに次々と不祥事をやらかしてくれます。

そのポジション本来の高さと、不祥事の「ありえなさ・アホらしさ」高低差があればあるほど報道価値があるようで、そんな事件が入れ食いのように向こうからやってくるとなれば、これは取り上げないわけにはいきません。

最近でいえば「キャリア官僚の文書偽造・セクハラ」「日本相撲協会の数々の不祥事」「女子レスリング選手へのパワハラに対する協会側の統治不全」「一流メーカーの粉飾決算」なども、同様の側面があるんじゃないでしょうか。

「○○ともあろう人(組織・会社・グループ)が、こんなひどい事をするとは。 失望した」と世間に思わせるネタは、やはり不祥事に限るのでしょう。

妄想5 なかなか倒れてくれない安倍政権への「うさ晴らし的代理戦争」

妄想4で触れた「長期的権威のオウンゴール的不祥事」がいくつも芽吹き、メディアが情報を仕入れてさんざん報道してきたのに、一向に失脚しないのが安倍政権です。

森友・加計学園・財務省・防衛省・首相夫人・魔の二回生議員など、不祥事のタネが尽きることがありませんでしたが、「これもある・あれもある」といくら報道しても全く動じる気配がありません。

これを言うとマスコミ関係者の皆さんは怒るんだと思いますが、「あーあ、安倍が強過ぎて全然面白くねーよ。そろそろ、何かを叩きたくね?」みたいなマインドで、対安倍政権に用いた同じ戦法で、権威ある「別の何か」を糾弾したいという欲求が、あったりしませんでしょうかね。

ひいては、「万に一つでも、そういうのがきっかけになって、安倍政権の失脚につながってくれればなぁ」みたいな願望とか。w

ちょっとバカバカしい話ではありますが、あちこちの番組のコメンテーター達が、

「正々堂々と会見してくれたこの学生の誠実な態度に比べ、政治家や官僚達はまったく!」

と、両者を安直に対比するのを聞くたびに、この妄想ってあながちハズレていないかも、と感じます。

いずれも「私だけの妄想」の域を出ませんし、物証も確証もありません。

1〜5の組み合わさり方も千差万別ですから、眉に唾しつつも「さもありなん」なフィクションとして受け止めていただく程度でよろしいかと存じます。