こんな「吉本興業をめぐる問題」でした。

「芸人の闇営業反社会的勢力との関わり」に端を発した一連の騒動ですが、

  • 内部告発的要素を含む、芸人側の悲痛な号泣謝罪会見
  • 芸人仲間の会見に接し、情報番組のMCを担当する芸人が吉本興業の経営陣を批判するとともに「上層部が辞めない限り自分が吉本を辞める」と発言。
  • 同日、同社社長グダグダな記者会見を実施。
  • 新旧の所属芸人たちがSNSで意見表明。
  • 大物芸人(ならびに元芸人・元関係者)も続々とコメント発表。

という状態に突入しております。

そのおかげで、「闇営業」「反社会的勢力」「企業の危機管理能力統治能力」「芸人と事務所の契約形態」「税金が投入されている公的事業に同社が参画していることの是非」などと論点が拡散しまくっており、事態収拾のメドが立っていません。

業界関係者でもなければ、ましてや吉本興業と専属契約を結んでいる芸人でもない多くの一般人にとっては、もはやどうでもいいような展開になってきましたが、昨今の各種報道を見聞きして私が今感じていることを備忘録としてしまとめておきます。

 

1.「再び心からお笑いを楽しめるように早く解決してほしい」という意見が気持ち悪い。

情報番組のタレントMCがこういうことを言いながらコーナーを締めることが多いのですが、吉本興業の昭和テイストな企業体質がこれだけ表沙汰になってしまった以上、なぁなぁで適当な手打ちをされても、オーディエンスが再び心から笑える状態に戻るのは極めて難しくなっていると思います。

第一、誰に訊かれたわけでもないのに「同社に対する積年の不満」を世間にぶちまけた(若手)芸人自体、現状のままではもう引っ込みがつかないのではないでしょうか。

それに、世の中には「吉本の笑いのセンスそのものがキライ」という人だっているわけで、ごく一部の利害関係者を除いては「早く解決して。早く普通に笑わせて」と心から願っている人は実はそんなに多くないんじゃないかと考えます。

 

2.吉本関係者は自らこれ以上「家族だファミリーだ」と言わないほうがいいのでは。

若い頃から現会長・現社長と一緒に働き、苦労して同社を大きくしてきた芸人・スタッフが「家族的な会社だ、親子の関係だ」と考えるのは自然なことだと思います。

しかし、養成学校ビジネスの成功によって「師弟関係を持たない『芸人の卵』の大量生産」が実現し、「契約タレントは6,000人」という規模になってしまってからもなお「家族だファミリーだ」というのは、あまりにもムリがあります。

それでもなお、往年の大物芸人、とくに“暴力団関係者との交際”発覚をきっかけに芸能界を引退した元大物芸人などが「吉本は家族だファミリーだ」と言い募れば言い募るほど、「もしかしたら、この会社自体がある種の『反社会的勢力』なんじゃないの?」という風評を生んでしまうんじゃないでしょうか。

 

3.それでも「ジャニーズ事務所」よりは自由なのかも。

各局の情報番組などには、毎日のように多くの吉本芸人がレギュラーコメンテーター(さらにはメインMC)として出演し、複雑な表情でこのニュースについてのコメントを発していたりします。

しかし、これがもし「ジャニーズ事務所」だったらどういう対応になっていたのでしょうか。

というか、現に先日の「同事務所に公正取引委員会が独禁法違反の疑いで注意」報道においては、所属タレントが出演する情報番組では彼らはコメントをしないどころか、そもそもネタとして取り上げない番組が頻発したわけです。

それに比べれば「自分の所属する事務所の不祥事でも、普通に番組内で取り上げさせる」し、「自分も(苦しみながらも)コメントする」だけ、吉本興業と所属芸人の対応には誠意が見られると言っていいのかもしれません。

 

4.「芸人はこれ以上コメントするな」というのなら番組を降板させるしかない。

往年の芸人や一部の識者コメンテーターから発せられる意見として、
芸人の本分は“笑い”である。その笑いに直接関係しない『事務所の内情暴露』などは控えるべき。そうしないと、今後二度と笑ってもらえなくなる
といったものがあります。

これは、「誰にも頼まれてもいないのにSNSでコメントしてしまう芸人」に対しては通用する言い分でしょうが、委託業務として「情報番組のMCやコメンテーターを務めている芸人」にとっては「番組内で自分の考えを何も言うな、黙っていろ」と言われるようなものですから、かなり非現実的な助言だと思われます。

唯一の解決策としては「情報番組からお笑い芸人を降板させる」という方法があると思いますが、おそらくそれでは吉本興業のビジネスにも悪影響が出てしまいますから、彼ら彼女らは「それこそ芸人独特の絶妙なさじ加減で、ユーモアを交えつつ、私情・私憤を(ある程度)伏せながら、そつなくコメントして切り抜ける」以外に方法はないのでしょう。

これはかなりしんどい戦い方だと思いますが、そもそも私はこの吉本問題に限らず、別に選挙やら日韓問題やら消費増税に関する芸人さん達のおもしろ意見を聞きたいわけではないので、これらの時事ネタに関するコメント発信がしんどい芸人さんには「降板の自由」を保障してあげればいいのでは? と考えます。

 

 

ということで、個人的には「ジャニーズ事務所のあれこれ」のほうがニュースとしては興味深いので、「吉本興業」ネタは税金投入さえ見直されれば、あとは煮るなり焼くなりお好きにどうぞ、といったところです。