こんな「三の丸尚蔵館」でした。

先日、NHKのBS-1で『BS1スペシャル「天皇・皇后の肖像画」』という番組をやっていました。

写実絵画の巨匠 野田弘志さんが、約4年もの歳月をかけて、天皇皇后両陛下の肖像画(しかも縦2メートル × 横2メートル!)を書き上げるまでのドキュメンタリーです。

で、この肖像画が、皇居東御苑にある三の丸尚蔵館という施設で現在開かれている「御即位30年・御成婚60年記念特別展」で展示されているんだとか。

ということで、仕事の打ち合わせで近くまで行ったついでに見学してきました。

最寄りの門は、大手門です。
まず、正面に見えている小さな門をくぐります。
荷物チェックを受けてから小さな門(横に「大手高麗門」という石碑がありました)をくぐり、振り返ったらこんな景色が。
江戸とTokyoのすばらしいミスマッチ。
高麗門の奥に、大きな門が。
これがいわゆる大手門の本体だと思われます。
発券所でプラスチック製の入園票を受け取ります。
退園するまで失くさないようにしましょう。
めでたく皇居東御苑に入りました。
入園ならびに三の丸尚蔵館の入館も、無料です。
宮内庁、太っ腹。
開催中の特別展では、例の肖像画だけでなく、両陛下の歩みと折々で詠まれた和歌(御製・御歌なども展示されています。
三の丸尚蔵館の全景
そもそもここは、皇室から国に寄贈された美術品類を収蔵・展示する施設なんだそうです。
皇室ご一家も太っ腹です。
三の丸尚蔵館の入口です。
いよいよ肖像画とご対面です。

ここまで引っぱっておいて言うのもなんですが、館内は一切撮影禁止なので、ここからは文字のみで肖像画の感想などを。

2メートル × 2メートルの肖像画は、すごい

両陛下の実際のご身長よりも若干大きめに描かれているように感じましたが、前述のドキュメンタリー番組によると、野田画伯は皇居で両陛下の写真を撮影し、それをもとに肖像画を描かれたとのこと。
最初は、
「だったら、2メートル × 2メートルの写真でいいんじゃね?」
とも思いながら番組を見ていましたが、野田画伯曰く、
写真よりもリアルに描けるのが写実画」
なんだそうです。
さすが、写実画家の巨匠だけあって、言葉に重みがあります。私も考えを改めることにします。

写実画は、すごい

ドキュメンタリー番組では、制作途中の様子も紹介されておりまして、私のような素人には「どう見ても、もう完成してるよね」としか思えないクオリティになってもなお、
6割しか完成してない
と言いながら、各パーツの拡大写真をルーペで覗き、細かいタッチで筆を走らせる画伯の姿が映っていました。
それで私も興味を惹かれて三の丸尚蔵館まで現物を見に来たのですが、この肖像画を目の当たりにして、その予想以上に精緻な筆致には本当に感心しました。

「似てる・そっくり」などというレベルをはるかに超えて、「両陛下の立体感」というか「空気感」というか、「お二人のお人柄」(直接お目にかかった事ないですけどw)まで伝わってくるとでもいいましょうか。

正面から肖像画に対峙しているうちに、美智子さまから「まぁ、よくいらっしゃいましたね。ごきげんよう」と言われているかのような気分になるから不思議です。

妙に美化されていないから、すごい

写真ですらデジタル修正がいくらでも効くこのご時世にあって、この肖像画にはお二人の白髪シワなども緻密に描き込まれており、見ているうちに「あぁ、ご苦労されて来たんだなぁ…」と感服してしまいました。
なかでも、天皇陛下の右手親指の爪に走る縦筋爪甲縦条(そうこうじゅうじょう)というらしいです)までしっかり描写されているのに気づいた時には、何故かちょっとグッときました。

30年間、本当にお疲れ様でございました。


この特別展は4月21日までとのことですが、会期終了とともにこの肖像画の展示も終了してしまうのか、それともその後も常設展示されるのかは定かではありませんので、興味のあるかたはお早めにどうぞ。