そもそも
サラリーマン時代、職場の健康保険組合診療所で「口から入れる(経口タイプの)胃がん内視鏡検査」を受けたことがあります。
その際は静脈麻酔注射を併用せず、喉用の麻酔薬を飲み込むだけだったこともあり、内視鏡の先端が食道に入り始めた時の吐き気は、相当なものがありました。
で、早期退職の1年後、私は国民健康保険に移ったのですが、私が住む自治体でも、50歳以上の区民に対し、2年に1度「胃がん検診」を実施しています。
バリウム検査(レントゲン)・内視鏡検査のいずれも有料で、前者が1,000円程度、後者が2,000円程度と差額もわずかだったこともあり、内視鏡での検査を受けることにしました。
問題は、過去につらい目にあった経口内視鏡に再チャレンジするか、初めての経鼻内視鏡に挑むかですが、区が指定する医療機関リストの中から経口・経鼻ともに対応可能なクリニックを訪問し、まずは事前説明を聞くこととなりました。
「口と鼻」。結局どっちにしたか
医師の説明によると、
「過去に経口がしんどかったのであれば、『経鼻』もしくは『経口 & 静脈麻酔注射併用』のどちらかをオススメする。ただし、静脈麻酔注射を併用すると、経口・経鼻どちらであっても『区の検査(約2,000円)』の扱いではなくなる」
とのこと。
ということで、あくまで2,000円にこだわった私は、「今後のための比較」の意味も込め、受けたことのない経鼻内視鏡を選択し、後日の検査日時を予約しました。
検査の流れ
以下、検査当日の主なフローとエピソードを発生順に列記しておきます。
(私の訪問したクリニックにおいて、私に起きたエピソードです。決して一般論化するものではありませんので、念のため)
処置室のリクライニングシートに座り、麻酔投与。
まず「どっちの鼻の穴でいくか」の選択を迫られ、私が選んだ左の鼻穴の奥にスプレー式の麻酔を吹き付けられました。
さらに意外だったのは、「吐き気・痛み防止」として飲み込むタイプの麻酔液も渡されたことです。
経鼻であっても、結局喉の奥を内視鏡が通過するので、使用するんだとか。
つまり、経鼻だと麻酔がダブルになるということです。
知りませんでした。
検査台へ移動
ゴロンと横になると、目の前にモニター画面がセットされました。
体内に侵入していく内視鏡映像を、望んでもいないのにリアルタイムで見せられてしまうようです。
また、そのモニター画面の横には、内視鏡の黒い管がぶら下がっていました。
けっこう太い管に見えたので、これは経口用なのだろうと思ったら、なんと医師はそれを手に取り「では始めますよ」と宣言。
心の中で「そんな太いモノ、入らないわよぉ〜っ!」と絶叫しました。(←乙女の心境)
経鼻内視鏡挿入開始
小鼻をちょっと通り過ぎた途端、鼻の奥で激痛が発生。
またもや乙女のように「痛いっ、痛いっ」を連発してしまいます。
先生も、
「うーん、ちょっと鼻腔が狭いかなぁ。あ、ちょっと鼻血が出ましたね」
と苦労している様子。
鼻血どうしてくれる?
左穴挿入から右穴挿入へ変更
「右の穴に変えましょう」
ということでいったん内視鏡が抜かれ(それもまた痛いのなんの)、右の鼻穴に例のスプレー麻酔を吹き付け、2分ほど経過してから再挿入が開始されました。
左ほどではないものの、相変わらず鼻腔が締め付けられるような痛みが発生します。
先生からは、
「キツければ、口から入れ直しましょうか?」
とのオファーをいただきましたが、時すでに遅く、もう内視鏡は食道に入り始めたとのことだったので、このまま身を委ねることにしました。
内部撮影開始
先生は写真を撮りながら、
「はい、ここまでが食道で、ここから胃袋の中に入りますよ」
「あぁ、この辺の胃の粘膜はキレイですねぇ」
「はい、ここが十二指腸の入口ですね。はい、入ります。はい、ここが胆汁の出て来る穴ですよね」
などと、まるでバスガイドさんのような案内をしてくれましたが、鼻の穴がツラすぎて、まともにモニター映像を見ることはできませんでした。
「経鼻だから話もできますよ。過去にピロリ菌について何か指摘されたことはありますか?」
と質問されたような記憶がうっすらありますが、その後に先生から、
「いや、そんなことはないはずです。以前は確実にピロリ菌がいましたよ。そういう胃ですよ、これ」
と言われたような気がしますので、おそらく私は苦痛の中で、
「以前ピロリ菌の検査をして『いません』と言われました」
と正直に答えたんだと思います。
こんなシチュエーションで、医師と「いる・いない、言われた・そんなハズない」の押し問答をすることになるとは夢にも思いませんでした。
そして、検査終了
検査時間はトータルで10分程度だったと思います。
麻酔スプレーが効いているらしく、気を緩めると、両方の鼻穴から鼻水が面白いように垂れてきます。
しかも、左側からの鼻水は、血も混じっているわけです。
この状況を見て看護師さんが、
「大丈夫ですか?」
と言ってくれましたが、鼻腔がまだズキズキするし、鼻血は出てくるし、という状況下では、
「いえ。まったく大丈夫じゃないです」
とぶっきらぼうに答えるのが精一杯でした。
ホントは返事をすることすらツラいほどでしたから。
その後も看護師さんはいろいろ話しかけて下さいました。
看護師:「ティッシュ使って下さいね」
私:「はい」(←ぶっきらぼう & 超・鼻声)
看:「血がちょっと出てるみたいなので、鼻は、あまり強くかまないで下さいね」
私:「はい」
看:「軽い鼻血ですから、ここをしばらく押さえれば止まりますよ」(←自分の鼻を指差しながら)
私:「ここって、どこですか?」(←ぶっきらぼうの極み)
看:「ここです」(←と、ふたたび自分の鼻を中途半端に指差す)
私:「小鼻のことですか?」
看:「はい」
最初から「小鼻」って言ってくれるか、自分の鼻で具体的にゼスチャーしてくれりゃぁいいのに。
その後、検査結果の説明を聞く日時を予約し、急いで帰宅しましたが、自宅でもベッドで横になるまでは鼻水が止まらず、鼻の穴にティッシュを丸めて詰め込み、数十分おきに交換するという有様でした。
ということで、今回得られた知見は、
「経鼻内視鏡でも、喉用の麻酔液を使う」
「鼻腔が狭いと鼻血が出ることもある」
「左の鼻穴が痛い時には、右穴から入れ直してもやっぱり痛い」
「費用が多少上がっても、『経口内視鏡 & 静脈麻酔注射併用』が一番ラクかも」
こんなところかと思います。
検査結果の説明については、次回にでもまた。
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