先日、これまでにないくらい憂鬱な気持ちでアイスティーを飲んでいました。
そのカフェのアイスティーがまずくて憂鬱だったのではありません。
翌日に迫った「人生初の大腸内視鏡検査」に向けて、決められた検査食と水・お茶しか摂取してはいけないことになっていたため、ふだんよく飲むアイスカフェラテを封印し、アイスティー(ストレート)を渋々飲んでいたのであります。
そもそもは、昨年の秋に受けた健康診断で、初めて「便潜血反応が出た」ところから始まります。
「便潜血」とは、読んで字のごとく「便に潜む血」、すなわち「ウ○コに血が混じる」ということです。
それが起こるということは、消化管のどこかで出血しているということになりますが、その場合は主に大腸ガンや大腸ポリープが疑われるようで、郵送されてきた健康診断結果表には、
「二次検査を必要とします。精密検査項目:大腸」
の文字がありました。
「悪玉コレステロールが高い」とか「ガンマGTPが高い」などの指摘には、もう慣れっこになっていますが、初めて「大腸」と言われるとさすがに新鮮かつ厳粛な気持ちになります。
この健診結果報告を受けて、さっそく病院で「大腸内視鏡検査」の予約をしたというワケです。
この検査は、事前の食事制限とともに、前日には各種下剤を飲む必要があります。
なぜ、そんなことをするかというと、検査当日に「大腸を空っぽにしておく」必要があるからです。
では、なぜ空っぽにする必要があるかということ、「内視鏡を肛門から挿入する」ことになるからです。
「内視鏡を大腸に突っ込んではみたものの、モニターに映るのは大腸壁ではなくてウ○コばかり」では検査の意味がありません。
だから検査の二日前から食事内容の制限、前日は専用の検査食と水分のみ、当日は絶食(水分のみ)というステップを踏むことになるワケです。
さらにこの内視鏡はスグレモノでありまして、簡単なポリープ(できもの)であれば検査と同時に切除もしてくれるんだそうです。
それ自体は素晴らしいのですが、もしポリープ切除を実施すると、「切除後1週間程度は、おかゆ・うどん・そば以外は食べないように」との予告もされていました。
健康のため、体のためとはいえ、もしかすると足かけ10日間ほど好きなものが食べられず、検査のために下剤も飲み、「出すための穴に、器具を入れられる」というその一連のプロセスを考えると、そりゃぁ美味しくお茶を飲めるワケがありません。
ということで、当日までにしたこと・起きたことをまとめてみます。
検査の3日前:
通常の食事はここまで。もしかするとこのあと10日間ほど好きなものが食べられなくなるかもしれないので、豪勢に「ケンタッキーフライドチキン」とハイボールをを買い込み、ガツガツいかせていただきました。
検査の2日前:
食事制限が始まります。「繊維の多いもの、消化の悪いものは避けてください」とのことでした。
避けるべき食材の例としては「海藻類・きのこ類・繊維の多い野菜・種のある果物・その他(ゴマ・ピーナッツ・こんにゃく)」が挙げられています。
また、たくさん飲むべき水分は「水・お茶・ウーロン茶・麦茶」、ダメな水分は「牛乳などの乳製品・繊維飲料水・果実入飲料水・酒(アルコール類)」だそうです。
しょうがないので「蒸し鶏とマカロニをマヨネーズで和えたサラダ」とかを買ってみましたが、帰宅してから、思いのほかゴマがたっぷりかかっているサラダだということに気づきました。
ゴマの存在に気づいた瞬間から、「検査中のお医者さんに叱られる」というシーンの妄想が始まりました。
あっ、あなた、ゴマ食いましたね!
内視鏡にバッチリ映ってますよ! これ、ゴマでしょ?!
あれだけダメだっつっておいたのに、ゴマ食っちゃったんですね!
大腸の中、ゴマだらけですよ!
ブツブツだらけですよ!
もうゴマだかポリープだか、ワケわかんねーしっ!
ぐりぐりーっ!!(←怒りに任せて内視鏡を乱暴に操作しだす医者)
ぬぉ〜〜っ!!(←内視鏡の挿入箇所を乱暴に扱われた痛みに悶絶する自分)
ここまで妄想が発展すれば、落ち着いて食事もできるというものです。
ゴマだらけサラダ、普通に食っちゃいました。
検査の前日:
水・お茶以外の水分NGは当然継続で、食事はこんな検査食だけとなります。その名もグリコの『大腸検査食 エニマクリンPO』。
朝食は検査食内の「和風がゆ鮭入り」「すまし汁」だけです。グリコ製品なのですが味付けは極めて永谷園チックでした。朝8時摂食。
昼食は「ゼリーミール」と、クリームが挟まった「ウェハース菓子」のみ。味はウイダーinゼリーと、大塚ザ・カルシウムそのまんまという感じです。12時摂食。
間食は「エネ飲ピーチ味」「エネ飲マスカット味」「ビスコ」の3種。エネ飲はパウダーを水やお湯に溶かして飲むタイプで、ビスコは普通のビスコです。ここでようやく名実ともにグリコな食材登場。16時摂食。
夕食は「コーンスープ」だけです。(さっきの写真です) 19時までにという指定があったので18時30分摂食。
20時:1回目の下剤服用。薬名は「ラキソデート液」。
21時:2回目の下剤服用。薬名は「プルゼニド錠」。「便通がいいほうではない」ことを伝えたら看護師さんは通常は1錠のところ、2錠くれたので2錠ともゴックン。 写真は撮り忘れました。
22時:体調変化なし。最初の下剤服用から2時間経ってますが、便意はまだやって来ません。指示通り、水とお茶をガブガブ飲みますが、利尿作用が活発化するばかりです。
23時:体調変化なし。「排尿しちゃったし」と思い、また水・お茶を補給しますが、排尿ペースばかりがさらに上がります。
24時:体調あいかわらず。布団にもぐって体が暖まれば、排尿ペースが減るかもと思い、早々に就寝。
25時(1時):突如下腹部がキュンキュンする。急ぎトイレへ。やっと下剤が利きました。
27時(3時):またもや君に腹キュン。慌ててベッドを抜け出しトイレへ。なかなかスッキリせず20分ぐらいお籠りしてました。
朝5時:3度目のキュンキュン。たいして量も出ないのに、腹ばかり渋くなるのでツライ状態でした。しかも、寝不足です。
検査の当日:
3度目の下剤服用。薬名は「マグコロールP」と「ガスコン」。これを900mlの水に溶かして時間をかけて飲みます。
味はポカリスウェットに極めて似ていますが、900mlってなかなか飲みきれる量ではありません。8時服用。
9時:900mlもの下剤を飲んだのに体調変化なし。もらった指示書には「マグコロールPを飲んでから1時間たっても排便がない場合は病院へ連絡を」と書いてありますが、ちょっと様子をみることに。
10時:相変わらず変化なし。事前の口頭説明で「検査は14時からなので、12時までに便通が少なければ連絡を」と言われていたこともあり、もう少し待つことにしました。がんばれ、自分の胃腸。
11時:ようやく反応が。しかも突然に。もう、水のような感じで、粘度ゼロ。
ただ、少なくとも起床してからインプットした水分量に比べ、アウトプットされた水分量が極端に少ないように感じられたため、このまま検査を受けてしまっていいのかどうか、念のため病院に電話してみることにしました。
大腸が完全に空っぽになっていない状態で内視鏡で覗かれてしまうと、ゴマを食べたことがバレて医者に叱られるような気がしたからです。
長くなったので、続きはまた次回にでも。
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