こんな「NHK紅白パブリックビューイング」でした。

すでに旧聞に属する話題ではありますが、昨年の大晦日に放送された『第69回NHK紅白歌合戦』の8Kスーパーハイビジョンパブリックビューイングを覗いて来ましたので、軽くご紹介してみます。

場所は、東京ミッドタウン日比谷の1階アトリウムです。
3階まで吹き抜けになっている空間でした。

六本木には「日比谷」が付かない「東京ミッドタウン」があるのですから、こちらは「日比谷ミッドタウン」の方が紛らわしくなくてよろしいような気が。

既に28日からさまざまなコンテンツが上映されてきていたようです。
先日訪れたNHK放送博物館とは違い、8K放送をそのまま上映するのではなく、いくつかの目玉コンテンツパッケージを上映しているようです。

MISIAさんやSuperflyさんのライブ収録も上映していたようです。
昨年の紅白を観た後だからこそ言うわけですが、それらも観てみたかったです。
会場の脇には、紅白のパネルと司会者4人の写真が。

紅白の放送開始直前ということもあり、立ち見のお客さんもたくさんいらっしゃいました。

2階部分から見下ろしながらの撮影。

22.2chの音響空間を作るべく、観客の頭上を取り巻くような形で、スピーカーを吊るすための仮設やぐらが組まれています。

2階からだと、やぐら鉄骨の一部がスクリーンと干渉してしまいますが、1階で他人の頭を避けながら観るよりは落ち着いて鑑賞できそうです。

観客の後方には、投影用のプロジェクターがいくつも設置されていました。

業務用なのでしょうけれど、コタツぐらいの大きさでした。
民家に設置するのは至難の業です。

プロジェクターの裏側では、数人のスタッフさんが投影状態を常時チェックしていらっしゃいました。

ご苦労様です。

3階に上がり、吹き抜けスペースを真横から撮影。
左手から順に、プロジェクター → 立見観客 → 着席観客 → スクリーン という並びです。

1階だと、写真上部に写っている入口ドアが開くたびに冷気が吹き込んで来ることもあり、私は上層階に陣取ることにした次第です。

8Kスーパーハイビジョンを投影するプロジェクターを斜め正面から撮影。

5台も用意されていました。
理由は後ほど。

19時15分になり、いよいよ紅白スタートです。
私も2階の定位置に戻りました。

画面はモザイク加工させていただきました。



以下、若干の解説や感想などを。

プロジェクターが5台もある理由

鑑賞中、近くを通りかかったNHKのスタッフさんにうかがったところ、以下のことがわかりました。

  • このパブリックビューイングでは、8K画面を4分割し、それぞれのパートを4台の4K用プロジェクターを使って分割投影している。
  • そのため、どれか1台がトラブると、画面の4分の1が映らなくなる
  • そんな場合に備えて、予備の4K用プロジェクターが1台設置してある。
  • トラブルが発生したら、その段階で予備機を使って4K上映に切り替える
  • よって、プロジェクターは全部で5台設置してある。

さすが、NHKさん、万全の体制です。

ちなみに、日本国内には「8K用プロジェクター」は1台しかなく、この会場の明るさやスクリーンまでの投影距離を考えると、その唯一の8Kプロジェクターは適さないのだとか。
なるほどなるほど。

観賞用の座席が用意されていた

このパブリックビューイングを事前告知していたサイトには「お立見になります」という文言があったため、私は紅白が始まる直前にノンビリと会場入りしたのですが、スクリーンの前には、なんと50脚ほどの座席が用意されておりました。
それを知っていたら、もっと早めに行けたのに…。

まぁ、もともと冒頭から1時間程度しか鑑賞するつもりがありませんでしたので、立ち見でも良かったのですが、スクリーンの間近で観られなかったのは残念でした。

紅白の再放送・上映会などは予定なし

NHK放送博物館常設8Kシアターを念頭に、「この紅白を再放送したり、特定の会場で事後に8K上映会をする予定は?」と、別のスタッフさんに尋ねてみましたが、
「膨大な権利処理を経て制作している番組なので、このリアルタイム放送と、期間限定の見逃し配信以外の放送(や上映)は予定していない」
とのこと。
ごもっともです。

8K(と4K)用の映像は、8K用独自のカメラで撮影

地上波の2K放送と、4K/8K放送は全く別物で、舞台転換の様子も観られる」という事前のふれこみもありましたが、後日、地上波を録画した映像を観ながら8K映像を観たときの記憶を照合してみたところ、全てが「4K/8K独自」ということでもなかったと思います。

例えば、オープニングや曲間に挟まれるVTR部分などは地上波と同一でした。

また、番組の一部分では、
この映像は4K画像です
という注釈テロップが表示されていましたので、すべてのカメラが4K/8K対応ということではなかったのでしょう。

さらに、曲紹介の一部ではMCコーナーではなく(予告通り)舞台転換が映っていましたし、「地上波用のステディカムのカメラマンが、ステージ上で歌手を横切るシーン」とかも映っていましたので、それらについては4K/8K用の独自カメラで撮影されていたのは確かだと思います。
そのため、MCコーナーで曲紹介する司会者は地上波用カメラに目線を向けていて、4K/8K用カメラには目線が向かないというシーンも確認できました。

おそらく、高精細画像が堪能できる4K/8K放送用として「引き気味の映像」を撮影していたんだと思いますが、それにしても、一部は地上波と共用とはいえ、かなりの数の独自カメラがNHKホールに投入されていたようです。

パブリックビューイング会場にいた数人のスタッフさんにも尋ねてみたのですが、
「NHKホールのカメラは、すべて8K対応のものであり、それを地上波や4K放送用にコンバートしています」
と答える方もいれば、
「ほとんどが地上波用とは別の独自カメラです」
と答える方がいるなど、真相にたどり着くことはできませんでした。

今年の紅白でもクレーンカメラ撮影が多用されていましたが、まさか地上波(2Kカメラ)用と4K/8Kカメラ用のクレーンがそれぞれ設置されていたとも考えにくいですし、この辺はよく分かりません。
分かったらどうなるものでもありませんが(笑)、地上波の総合テレビが4K/8K化するまでは、紅白には膨大な数のカメラが投入され続けるのでしょう。

22.2chの音響空間は素晴らしい

商業施設のアトリウムという、いかにも音が反響しやすそうな空間特性を割り引いても、NHKホールの臨場感がダイレクトに伝わる音響が再現されていると感じました。

よって、チコちゃんが登場した時などのNHKホールの盛り上がりは、実にリアルに追体験できたと思います。

一方で、「伴奏(のカラオケ)と一体で収録された歌唱音声、要するに口パクの歌手」と「歌も伴奏も生演奏の歌手」とでは、音響の迫力がまるで違うなど、ちょっとした(というか音楽番組としてはかなり致命的な)副産物もあったのではないかと思います。

このへん、生演奏・生歌唱をウリにしている(らしい)『FNS歌謡祭』で積極導入してみたら、より楽しめるかもしれません。



そんなこんながありまして、紅白の第1部を半分ほど鑑賞したところで足腰が辛くなったため、東京ミッドタウン日比谷を退散し、続きは自宅で観た次第です。

以上、紅白のパブリックビューイング報告でした。

あと数時間で2019年を迎える東京ミッドタウン日比谷の夜景。