「パパはニュースキャスター」の同窓会を見た。

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2021年4月3日に田村正和さんが亡くなってから、1年が過ぎました。早いもんです。

先日、CS放送のTBSチャンネル2で、田村正和さん主演のコメディードラマ「パパはニュースキャスター」の全話(1987年放送)&スペシャル3本の一挙放送がありまして、マサカズ(←敬愛の念を込めてこう呼ばせてもらいます)が好きな私としては当然コンプリート録画を済ませ、1話ずつ噛み締めるように視聴している今日この頃です。

 

そして昨日。

第5話「独占!衝撃の告白」の回を見ながら関連情報をネット検索していたら、さる3月21日になんとこのドラマのプロデューサー脚本家、そして3人の娘(3人とも愛(めぐみ)といいます)を演じた当時の子役さんが一堂に会し、「パパはニュースキャスター」の制作に至る経緯、撮影裏話、マサカズとの思い出を語り合うセミナーイベントがあったことを知りました。

いやぁ、迂闊でした。知りませんでした。行きたかったです。悔しいです…。

 

と落胆しながらいろいろググっていたところ、今度はなんと、イベント当日の動画が先週からYouTubeで公開されていることが分かりました!

いやぁ、迂闊でした。知りませんでした。見たかったし、見られて嬉しいです!

 

ということで、前・後半に分けられた動画を見て、個人的に印象深かった点を羅列しておきます。
(動画へのリンクは文末にまとめておきます)

 

マサカズを“親子ものコメディードラマ”に起用するに至った経緯。

当時のプロデューサーの八木康夫さんの話をまとめると、こんな流れのようです。

  • 1984年のTBSドラマ「くれない族の反乱」で初めて八木氏はマサカズと組む。
  • 最終回の「マサカズと子役の別れ」のシーンがあまりに切なくて、八木氏は感動。いつかマサカズ主役の親子ものドラマを作ってみたいと決意。
  • 同年、2クール予定で始まった某ドラマの視聴率が芳しくなく、打ち切り決定。編成から八木氏へ「8回分の穴埋めドラマを急遽作って」と依頼。
  • 八木氏は、かねてから温めていた“マサカズの親子ものホームコメディードラマ”を企画し、マサカズのマネージャーに打診。
  • マネージャーからは「天下の田村に、何をやらせる気だ?」とダメ出しされたものの、なんとかマサカズ本人への直接交渉の機会を得て、京都の自宅へ。
  • 八木氏が「ぜひご検討を。後日お返事を…」的なノリで企画を説明したところ、マサカズはその場で「やります」と即答。これで制作されたのが1984年の「うちの子にかぎって…」。

これが、その後の「パパはニュースキャスター」につながっていくということですね。

うーむ、人に歴史あり。ドラマにも歴史あり、です。

 

“ニュースキャスター”という設定は、プロデューサーの妻のアイディア。

“田村正和主演の親子ものホームコメディードラマ”を作ることとなり、八木氏はご自分の妻に「どんな役柄のマサカズが見たい?」を訊ねたところ、「ニュースキャスター」という答えが返ってきて、それがヒントになったとのこと。ほほぉ〜。

 

「西尾愛を演じた西尾まりさんの喜劇を演じる才能は天賦のもの」byプロデューサー。

↑だそうです。西尾まりさんは、今でも素晴らしいバイプレーヤーとして活躍してます。

そしてこの“喜劇の才能”は言うまでもなくマサカズにも備わっていて、真面目にクールにやればやるほど面白くなるところが天賦の才能だという趣旨のことをおっしゃってました。

古畑任三郎」シリーズにもつながる彼の“コメディー俳優”としての才能を見出したのは、八木プロデューサーさんということなんだと思います。

 

大塚愛を演じた大塚ちか子さんの記憶力は素晴らしい。

マサカズ × 八木プロデューサー、そして脚本家の伴一彦さんがタッグを組んだコメディードラマはこの前にも「うちの子にかぎって…」などがあったのですが、“3人の愛”のうち、大塚ちか子さんは本作からの参加ということもあってか、当時のエピソードを色々覚えていらっしゃって、「いやいや、違うよ。オーディションあったよ。覚えてない? 私はすごく覚えてる。その過程で私たち3人は何度か同席してたけど、“合格だ、制作記者発表だ”となってTBSに呼ばれて行ったら、自分以外に2人の愛ちゃん役がいて、あぁそういうことかって思った」などなど、臨場感あふれる思い出話をしていらっしゃいました。

 

鈴木愛を演じた鈴木美恵子さんはユーモアあふれる人情肌。

「大人になってから俳優の道で行き詰まっていた頃、別作品でマサカズと何十年ぶりかで共演したとき、自分の行き詰まり感を見透かされたら嫌だなと思っていたら、マサカズから優しくハグをしてもらい、そこからまた自分の道を力強く歩めるようになった。感謝している」と涙ながらに語った鈴木美恵子さん、あなたは素敵です。

 

「設定が出来上がった後は、マサカズをどうイジって困らせてみるか、それを考えるのが楽しかった」by 脚本家。

本作だけでなく、一連の“TBS 田村コメディードラマ”を作った伴一彦さんならではのお言葉です。

確かに、脚本家にしかできない“遊び”ですし、その遊びをマサカズでやれたのって、どれほど楽しかったことでしょう。うらやましい。

 

実は、マサカズ主演予定で“親子もの新作ドラマ”の制作構想があったが、彼の体調不良で実現しなかった。

これは八木さんが明かした秘話ですが、マサカズからは亡くなる前に「やれなくて申し訳ない」という手紙が届いたそうです。(書いていても涙腺が緩んでくる…)

この企画はお蔵入りすることなく、その後、別のキャストで制作されたため、「詳細は控えます」とのこと。そりゃそうですよね。

 

国内外からリメイクの話が来ていた。

八木さんと伴さんの発言を総合すると「それなりにオファーはあったけど、たとえばアメリカとかだと男女平等とかジェンダー、さらにはアルコール依存に関する意識が高く、『酒に酔って記憶をなくすたびに女を口説き、ときに妊娠させてしまうニュースキャスター』という設定はNGだった。国内からも『違う俳優でリメイクを』という話もあったが、マサカズだからこそできたドラマなので、敢えて違う俳優でリメイクする意味あるの? マサカズバージョンをこれからも楽しめばいいんじゃね?」というところらしいです。

伴さんにしてみれば、多分に「(マサカズが演じることを前提に)あて書きしてるんだよ」という気持ちもおありでしょうし、私もリメイクバージョンが実現しなくて本当に良かったと思います。(マサカズ本人が出てくれるなら別ですが)

 

他にも…、

  • 今日のセミナーイベントは、200人程度の観覧募集に対して1,500人からの応募があった。(すげーな、しかし)

  • マサカズは、カメラが回っていないところでは(怒った時だっけ? 酔った時だったかな?)チョイチョイ京都弁になっていた。

  • 3人の愛ちゃんたちは、当時八木さんから「田村さんはうるさいのが嫌いだから、(本番以外は)田村さんの近くでは静かにしていなさい」と叱られた。(よっぽどやかましかったんでしょうね。笑)

  • 職場がテレビ局という設定なので、実際のTBS局舎内(スタジオに限らず)でもよく撮影していたが、当時のTBS報道局は非協力的だったし、ニュースキャスターや報道局内を描くようなドラマ自体に否定的だった。(ドラマがヒットしてからは、報道局からのクレームが減ったそうです。笑)

  • キャスター役のマサカズは“カメラ目線の芝居”に慣れておらず、当初戸惑っていた。

  • フジテレビを円満退職し、フリーアナウンサーになりたてだった逸見政孝さんから、ニュース原稿とかキャスターとしての立ち居振る舞いなどについてアドバイスをもらった。(スペシャル版にゲスト出演もされています)

  • ニューヨークロケの空港(往路か帰路かは失念)で、鈴木(愛)さんは大好きな手塚治虫さんに遭遇し、そして…。

  • 同じくニューヨークロケ帰りの成田空港で、3人の愛ちゃんたちに、なんと坂本龍一さんが声をかけてきて、そして…。

などなど、面白エピソードが満載でした。

 

セミナー内で、確か西尾(愛)さんだったと思いますが、「コロナの影響で、田村さんの思い出と向き合ったり、きちんとお別れすることができなかった。今日のこのセミナーが、その機会のひとつになったと思う。この場を与えてくれて感謝します」という趣旨の発言もありましたが、ホントにその通りだと思います。

 

マサカズファンに限らず、日本のコメディードラマの歴史に興味のある方は、ぜひご覧になることをオススメします。(YouTubeにいつまでセミナー動画が上がっているのかも定かではありませんので、お早めにどうぞ)

あらためて、合掌。

 

【参考】

TBSチャンネルさんの「パパはニュースキャスター」紹介ページ。↓

判一彦さん公式サイトの「パパはニュースキャスター」全シナリオ。↓
(スペシャル版もあります。もちろん彼の他の作品も。素晴らしすぎます)

イベント主催者である放送番組センターさん(放送ライブラリーを運営)のセミナー告知ページ。↓
( 「第51回 名作の舞台裏『パパはニュースキャスター』」というイベントだったようです)

イベント共催者の放送人の会さんのサイトにあった、開催告知チラシpdf。↓

で、肝心のセミナー動画。(前編・パート1)。↓

セミナー動画。(後編・パート2)↓


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