先週、痛ましい交通事故が相次いで起こりました。
ひとつは今月19日、東京・池袋で87歳男性が運転する乗用車が暴走し、運転者・同乗者を含め男女8人が重軽傷を負い、さらに31歳の女性と3歳の長女が亡くなったという事故。
もうひとつは、21日、神戸市で64歳男性が運転する市バスが男女8人をはね、うち23歳男性と20歳女性が亡くなったというものです。
犠牲となったのは、いずれも将来ある若い(というか、うち一人はわずか3歳…)方々ばかりで、ご家族・友人・同僚・学友の心痛を思うと、なんともやるせなくなってしまいます。
一方の加害者側ですが、
一人は「いったんクルマの運転から遠ざかっていたが、足腰が弱ってから(車庫入れもままならない状態なのに)再びハンドルを握った、来年で米寿となる男性」。
もう一人は「4年前にいったん(定年)退職した後、再任用されて運転手を続けてきた、来年で年金受給開始の年齢をむかえる男性」。
ということなので、どちらも、日々の生活や収入の面で「高齢になってもなお、車を運転せざるを得ない事情」を抱えていたと言えそうです。
だからと言って、こんな事故を起こしていいワケはありません。
憤りに任せて暴論を吐けば、「自分たちの老後を支えてくれる若い人たちを殺してしまう高齢者って、何やってんだよ。自ら少子高齢化を加速してどうすんだよ」ということになりますが、さらにドライかつ冷淡に考えれば、これまで考えられなかったような「高齢者の高齢者による(高齢者のための)犯罪・社会トラブル」は、今後さらに増えていくんだと思います。
老人による危険運転。(←今回は、これ)
老人による危険薬物使用。
老人による売買春。
老人による違法賭博。
老人による振り込め詐欺・結婚(再婚)詐欺。
老人による万引き・強盗・カツアゲ。
老人によるパワハラ・セクハラ・マタハラ・モラハラ。
老人によるいじめ・家庭内暴力・殺人。
などなど。
これまでの事件の多くは、若年層や働き盛り世代を中心に発生してきましたし、老人はもっぱら被害者という役回りだったと思いますが、これからは「引き起こすのは老人で、加害者も老人。若者はむしろ被害者」という事例が増えるんじゃないでしょうか。
「年寄りの人口が増えて、しかも昔の年寄りよりも元気」なのですから、犯罪・社会トラブルの面でも中心的なポジションを担うようになっていったとしても、何ら不思議はないと思います。
かくいう自分も、フリーランスの個人事業主になってからはクルマに乗る頻度が増えましたから、安全運転には最新の注意を払わなければいけません。
とはいえ、ふだんは歩行者のスタンスで暮らすことが圧倒的ですから、「横断歩道の青信号が灯っていても、左右の安全を念入りに確認する」などして、暴走老人から我が身を守りたいと思います。
まずは、亡くなった方々に、合掌。
コメント