「サラリーマン時代に蓄えたなけなしのお金を、この先どう使っていくか」をあれこれ考えて実践してきた行動記録の8回目です。
前回は、とあるIFA(金融商品仲介業者)さんが開いた「投資信託セミナー」を聞きに行き、そこで「市場の動きにかかわりなく資産を増やしていくことを目指す投資信託」の存在を知り、驚いたことなどをお伝えしました。
で、今回は後日設定してもらった「個別相談」についてお伝えしてみます。
1回目の個別相談
前述のセミナーからあまり日を空けないところでアポが取れ、多少のメール打ち合わせなどを経て、個別相談当日を迎えました。
場所は、セミナーを主催していたIFAさんのオフィスです。
その後、何度かお会いすることになる男性営業担当社員さんと挨拶を交わし、こちらからはセミナーの感想を伝えるとともに「市場の動きにかかわりなく資産を増やしていくことを目指す投資信託」の存在を知って驚いたので、その辺も紹介してもらえると嬉しいことなど、それなりの期待感も表明したと思います。
すると、営業担当者さんは、改めて「買うべき投資信託の3条件」をおさらいしてくれました。
① キャッシュポジションをとれるかどうか
↑これは、「相場が下落しそうな時にも株を買ったりせず、投資信託内の株を売却して現金比率を高め、上昇しそうになったらそのキャッシュで株を買う」という運用をしているかどうか、ということです。
② ファンドマネージャーの腕は良いか
↑①もふくめて実績を出せているか、ということですよね。
③ 集中投資をしているか
↑「インデックスファンドのように市場全体に分散投資してしまうと、相場が下落した時には同じような影響を受けてしまうから、成長が期待できる『いい会社(せいぜい数十社)』だけに集中投資すること」とのことです。
大事なのは、どうもファンドマネージャーらしい
この3条件を圧縮すると、最終的には「ファンドマネージャーが優秀かどうか」ということに尽きるんだろうと思いますが、主にインデックスファンドの試し買いしかしていなかった当時の私にとっては、「ファンドマネージャー個人の力量が、投資信託の良し悪しをそれほどまでに左右する」というのがちょっとした発見でもありました。
と同時に、「そんな個人芸みたいなところで運用成績が左右されるっていうのも、なんか危なっかしいな…」という感想も持ちました。
そんな私の不安を察したらしく、営業担当者さんからは、懸念を払拭させるべく、以下のような説明もありました。
それぞれの投資信託が、ファンドマネージャーを中心にどんなスタッフ構成で運用されているかを日々チェックしている。
よってファンドマネージャーの交代などがきっかけとなって「おすすめできる、いい投資信託」から外すこともある。
各ファンドマネージャーには、頻繁にヒアリング取材も行なっている。
我々(IFA)は、自ら投資信託を企画・設計するのではなく、他の金融機関が作った数多くの投資信託の中から、顧客それぞれのニーズに最もふさわしいものを選んで提案・仲介していくのが仕事なのだから、ファンドマネージャーや運用成績に関する情報収集や分析は、大変重視している。
だそうです。
これを聞いてちょっと安心しました。
安心というか、正確には「ふーん、投資信託って、そういうものなんだ」と理解が深まったということかもしれません。
以上のやりとりの後、こちらからは、
「現状のライフステージ (早期リタイア済みの単身男性)」
「保有資産状況(総額で◯万円)」
「資産運用の経験ならびに保有商品(試し買い的にこんなものを保有中)」
「資産運用の目的や将来の希望(100歳まで資産が持つことを目標に、安定的な運用をしたい。老後資金になるので高いリスクはとりたくない)」
ことなどを口頭でお伝えしました。
営業担当者さんは、ものすごい勢いでメモを取り、
「いただいた情報をもとに、1週間程度の時間をもらって、◯◯さん(←私です)のためだけの資産運用提案書をお作りします」
との言葉があり、1回目の個別相談はエンディングに向かいました。
提案をもらう前にどうしても聞いておきたかったこと
で、終わりかけたその瞬間、あることが急に気になってしまったので、次のような質問をしてみました。
私:「次回は個別具体的な金融商品名を提案していただけるということですかね?」
営業担当者さん:「はい、その予定です。この投資信託に◯万円、というふうに具体的に提案させていただきます」
私:「こんなこと、この場で質問するのは非常にふさわしくないのかもしれませんが、うかがっていいですか?」
営:「えぇ、何なりとどうぞ」
私:「次回提案される投資信託とか金融商品とかって、御社(IFAさん)を通さないと買えないんですか?」
営:「いや、弊社が提案した商品は、お客様に◯◯証券(←ネット証券会社)で開設してもらう専用口座を通して購入してもらい、その仲介手数料を◯◯証券から受け取るというのが、弊社のビジネスモデルですから」
私:「はい、それは知っています」
営:「何を申し上げたいかというと、◯◯証券が取り扱う幅広い投資信託の中からご提案するわけですから、◯◯証券の口座を持っている方なら、弊社を通さなくても普通に購入すること自体は可能です」
私:「ですよね?」
営:「もっといえば、提案する信託の多くはメジャーな商品ですから、大手の証券会社だったらどこでも買えるものも多いです」
私:「ですよね。。。 ストレートにうかがいますけど、次回『この投資信託を◯万円分』と提案されたものを、御社の仲介という形でなく、既に私が持っている◯◯証券の口座で『自分で選んで買った』というふうにできちゃうんですよね?」
営:「…。 まぁ、できますね…」
私:「そうなったら、提案だけパクられてしまい、御社には仲介手数料が入らなくなるので、商売あがったりってことになるんじゃないですか? 私だって、そうしちゃうかもしれないですよw。大きなお世話ですけど、そのあたり、どうなんですか?」
営:「まぁ、これまでにそういう方も確かにいらっしゃいましたよ。 提案書受け取って『検討します』と言ってお帰りになって、それからまったく連絡がつかなくなった方とか」
私:「それもまた、ずいぶんヒドい話ですね…」
営:「ただ、これはしょうがない面もありますから。それに、その提案内容を真似てご自分で投資信託を買うのはご自由ですが、その後の経済動向の変化やファンドマネージャー交代とかによっては、弊社から売却・買い増し・買い替えなどのフォロー提案も適宜行なっていますけど、弊社と契約がなく『最初の提案だけ真似た人』には、そのようなフォローサービスは当然ありません」
私:「そりゃ、そうですよね」
営:「はい。ですから最初の入口だけ真似ても、長期的に安定した資産運用をするのは難しいと思いますけどね」
IFAというビジネスにおいては「提案がパクられるだけで終わってしまうリスク」が常に隣接しているらしいことが分かりました。
とはいえ、それをある程度許容しないと商売にならず、さらに最初だけパクったとしても、その後のフォローがなければ「いい資産運用」にはならないということのようです。
なるほど。
これで、ようやくスッキリしました。
ということで、「具体的な金融商品の提案」をいただいた2回目の個別相談については、また次回にでもお伝えします。
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