アメリカンエキスプレス 「家族カード」の「家族」とは?

After/リタイア後
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発端は…

私がメインカードとして使ってきた「デルタ スカイマイル アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード(以下「当カード」)」について、特典付与の条件が厳しくなった」という記事を以前に書かせていただきました。

手短かに振り返ると、

「これまでは、当カードを持っているだけで、優先チェックイン・優先セキュリティチェック・航空会社ラウンジ利用・優先搭乗・優先荷物受け取り・機内非常口前のシート確保など、飛行機まわりの優先サービスを受ける資格がもらえた。

ところが今後は、これらの優先サービスを享受するためには年間150万円以上のカード利用が必要となった。

早期リタイアしてクレジットカード全体の利用頻度も決済金額も減ってきた身としては、この条件をクリアするのは難しいかも。カード保有してても意味ないかも。解約するかも」

というようなお話です。

で、つい先日。

この難問を解決する奇策を発見しました。

「同じ当カードを持つ家族から『家族カード』を追加で発行してもらい、私はそれを使わせてもらう」

というものです。

家族カードの発行が「奇策」につながるしくみ

しくみを解説します。

私が家族カードを利用して買い物をすると、その利用額は「基本カードを保有する(私の)家族に対して請求」されます。

つまり、「私&家族」の2人分の買い物の金額が合算されるということです。

合算されるため、2人が別々に「年間150万円以上の利用」を目指さなくても済むこととなり、優先サービス付与の条件をクリアしやすくなります。

同様に、私が家族カードで買い物をすると、100円につき1マイルがもらえますが、そのマイルは私のマイル口座にではなく、家族カードを追加発行してくれた「基本カード会員(私の家族)」側にプールされていきます。

私自身ににマイルが貯まることはなくなりますが、私が今後マイルを使った特典旅行を予約したくなったら、基本カード会員(私の家族)に頼んで、貯まったマイルを使わせてもらえば特に不都合はありません。

なお、こうして2人分の利用実績を集約し、年間150万円の壁をクリアしても、優先サービスの資格が付与されるのは基本カード会員だけである点には、要注意です。

つまり、「家族カード」しか持たなくなる私には「優先サービスの利用権」は付与されないということです。

しかし、冒頭に挙げたような航空関係の優先サービスを受ける際には「同伴者1名にも、各サービスを適用してくれる」ので、基本カード会員(私の家族)と一緒に旅行をする場合であれば、私は常に「同伴者」としておこぼれを頂戴することが可能になります。

(もちろん、私だけの単独旅行ではサービスを受けることはできませんが)

しかも、当カードは家族カードの年会費が「1枚無料」のため、基本カード会員である私の家族に金銭的な負担をかけることもないのです。

というように、マイレージも優先サービスも、私自身に付与されることはなくなりますが、「家族カードをくれた基本会員に依存し、抱きつく」という手段に抵抗がなければ、実質的なメリットを享受しつつ、自分自身は当カードを解約できますので、いろんな意味でコストパフォーマンスに優れた解決法なのではないかと思います。(ここまでは、まだ奇策と呼べるほどではないです)

「家族カード」を発行するための前提

ただし、この解決法を採用するためには、いくつか前提があります。

まず1つめは、私の家族に、当カードを保有する人間がいるかどうかです。

まぁ、いない場合には、家族に事情を説明して当カードの発行を依頼すればいいので、本質的に大きなハードルではないでしょう。

(ただし、当人が欲しくもないカードを無理やり作らせる訳にもいかないので、ある程度は旅行や当カードに興味がある家族でないと難しいかとは思います)

2つめ。

こちらの方が、より本質的な話になりますが、「こんなことを頼める『家族そのもの』が、私にいるのか?」という点です。

アメリカンエキスプレス さんのサイトによれば、

「家族カードのご入会資格は、原則、配偶者・ご両親・18歳以上のお子様です」

とのことなので、つまりは「第1親等以内であれば家族カードを渡せる」ということらしいです。

私には今現在、「配偶者」も「お子様」もおりません。

幸い「ご両親」は健在ですが、上記の文脈を素直に読めば、

「私が基本カード会員のときに、親に家族カードを渡してあげられる」

ということであって、

「年老いた親に基本カード会員になってもらい、そこに家族カード会員として50歳過ぎの息子がぶら下がる」という老々パラサイト的な状況は想定されていないと思います。

ということで、つい先日までは、ここで「家族カード」をあきらめてしまっておりました。

「家族カード」の発行が「奇策」につながる所以(ゆえん)

ところが、その後。

ネット上の情報によると、アメリカンエキスプレス さんの場合、家族カードの発行範囲が、他社に比べてかなり緩和されており、こちらのサイトなどの情報を総合すると、

第1親等以内(配偶者・親・子供)だけでなく、兄弟姉妹(第2親等以下)でも可。

生計を同一にしていなくても可。

婚約者でも可。

育ての親でも可。

内縁関係でも可。

同性カップルでも可。

らしいのです。

要するに「基本カード会員が信頼している相手で、基本カード会員自身が支払いの責任を取れるなら、誰でもOK」というふうに理解できるのですが、これが本当だとしたら、他のカード会社には全く見当たらない、「ダイバーシティ大盤振る舞い指針」ではないかと思います。(当然、入会審査はあるでしょうが)

興味のある方は「アメリカンエキスプレス  家族カード 範囲」でググってみて下さい。

そもそも「家族カード」の「家族」とは?

以上の観点でアメリカンエキスプレス さんのサイトを再読してみると、

「家族カードのご入会資格は、原則配偶者・ご両親・18歳以上のお子様です」

となっており、「原則」という2文字に、実は物凄く深い意味が込められていたということになります。

ここまで来ると、

「これって、もう『家族カード』の範疇を超えているじゃん」

と思うわけですが、アメリカ本国のサイトを見てみたら、さらにいろんなことが分かりました。

まず、アメリカでは家族カードのことを「Family Cards」などとは呼ばず、「ADDITIONAL CARDS(追加カード)」と呼ぶようです。

そして、当カードのアメリカ版のページには、こんな説明が記載されています。

ADDITIONAL CARDS(追加カードについて)

You can add an Additional Card for anyone 13+ and you will earn miles for their purchases in the same way you do on your own.

↓適当な訳

13歳以上であれば、どなた向けであっても追加カードを発行できますし、ご自分のカード利用と同じように追加カード利用でもマイルを獲得できます)

このように、「家族限定」のニュアンスなど皆無であり、まさに「追加カード」としか呼びようのない潔さです。

続いて、「FAQ(よくある質問)」ページから。

How do I add an Additional Card Member to my account?

(私のアカウントで追加カードを発行すると、どうなるの? どうするの?)

Whether it’s your spouse, child in college, nanny or personal assistant, here’s some benefits of adding Additional Cards: You’ll share access to benefits, convenience and security that comes with Card Membership. 

You can keep track of spending with detailed statements showing everyone’s purchases. 

You can complete an application online to add someone to your account.

↓適当な訳

(あなたの配偶者でも、大学に通う子供であれ、シッターさんや個人秘書にであれ、追加カードを持たせれば彼らの利便性・安全性を向上させてあげられます。

また、彼らの購入履歴や支払い状況を詳細に追跡することもできるのです。

追加カードのオンライン発行手続きは、こちらから)

ここでも、ハッキリと「家族はもちろん、血縁関係はなくとも自分の生活や仕事を支えてくれる大事な人にカードを渡しておくと、安心・安全・便利ですよ」ということが記されています。

さすが、多様性の国で生まれ育ったクレジットカードだけあります。

「家族は血の繋がりで決まるんじゃないんです。そこに、文字通りCredit(信用)があるかどうかで決まるんです」

と言わんばかりです。

ちょっと、感動すら覚えます。

以上のことから、当カード(というかアメリカンエキスプレスカード全般)が「第1親等以内でない人にも家族カードを発行できる」という情報は、ほぼ事実だと思われます。

で、誰から「家族カード」をもらうのか?

さて、感激してばかりもいられません。

私もこの作戦を実行して「誰かの家族カード会員になるかどうか」をあれこれ検討してみましたが、結論としては、とりあえず方法は分かったので、当面保留にしておこうと思います。

日本のアメリカンエキスプレス さんが、おおっぴらに「あなたが信頼している人になら、誰にでも家族カードを発行できます」とは宣言していない中で、「全ての知り合いの中から、最も信頼できそうな人を選出する」のが、ちょっとおこがましいような気がして、腰が引けてしまっているからです。(笑)

まぁ、誰にお願いしたとしても、今の日本では少なからず驚きをもって受け止められるような話ですから、慎重に考えたいと思います。

(「家族カード」などという重たいネーミングも、逡巡してしまう一因なのかもしれません。アメリカのようにシンプルに「追加カード」だったら気楽なんですけど。w)

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