今年のNHKドラマは豊作だと思った話。

今年のNHKドラマは豊作だと思った話。 TV/テレビ
スポンサーリンク

ハードディスクレコーダーの「『新ドラマ』の自動録画設定」をオンにしていることも手伝って、ほぼ全ての新ドラマの第1回を見るようになってから数年が経ちます。

もちろん、全ドラマの最終回まで完走視聴出来るはずもなく、「2〜3回目で脱落する」「初回で脱落」「オープニング数分で削除」「ラブコメだと判明した瞬間に削除」するケースが大半であり、「あー面白かった。最終回まで見られてよかった」という作品はごく一部だったりします。

そんな中、今年は「このドラマ、面白いよね。あ、NHKで放送したんだ。あ、これもNHKだ。あれもNHKだ」と気づかされる経験が多かったので、いくつか紹介してみます。

 

大河ドラマ『鎌倉殿の13人

三谷幸喜さん脚本による『新選組!』『真田丸』に続く3作目です。

個人的には、コミカル要素とシリアス要素の配分が絶妙だった『真田丸』が一番好きなんですが、今年の『鎌倉殿』は主人公のダークヒーロー感が最高に黒光りしており、加えて私が鎌倉幕府(北条家)の史実をほとんど知らずに見ていることも手伝って、「疑心と怨念と暗殺のオンパレードじゃん、ひでー歴史だな、こりゃ・・」という気持ちにたっぷり浸れます。

もちろん、コミカル要素も毎回盛り込まれるのですが、その一方でのダークサイドなシーンとのギャップが激しく、まるでジェットコースターに乗っているような感情のアップダウンが堪能できます。

当初は「ここまでグロテスクにやらなくても…」とドン引きしたこともありましたが、最近は当ドラマのテイストにも慣れてきたため、「このあと、誰が・どんな理由で・どんな方法で粛清されるんだろう・そのとき北条家の人々の表情は?」というワクワク感(←どうなのこの表現?)が高まってきており、最終回まで期待できそうです。

 

拾われた男 LOST MAN FOUND』

俳優・松尾諭さんのエッセイを原作としたドラマです。

松尾さん役を演じる仲野太賀さんをはじめとする出演者が素晴らしいこともありますが、何よりも脚本と演出が出色なんだと思いながら視聴しました。

NHK(NHKエンタープライズ)とウォルト・ディズニー・ジャパンの共同製作ということもあるのでしょう、きちんとお金と時間をかけて作られていると思いますし、やはりちゃんと作られたドラマは面白いです。

いろんな俳優・映画演劇関係者が「本人役」で登場するのも楽しめました。

BSプレミアムでの放送に続き、2022年10月11日からはNHK総合でも放送予定だそうです。

見逃した方はどうぞお楽しみに。

 

オリバーな犬、 (Gosh!!) このヤロウ

2021年に全3回で放送されたシーズン1に続くシーズン2が始まってます。

演出・脚本・編集を務めたオダギリジョーさんのオリジナル企画もので、「相棒の警察犬が、自分にだけ人間のオッサンに見える」という設定も、「えっ?」の応酬が何十回も続くなどのセリフ回しも、複数アングルを分割画面で見せるなどのカット割りも、全てがぶっ飛んでて面白いです。

オダギリジョーさんの“作家性”がかなり尊重されているというか、今どきのNHKはここまでやってOKなんだというか、「公共放送におけるドラマ・エンタメ表現の限界」を考えたくなったりもしましたが、私は純粋に楽しんでます。

出演者がムダに豪華(笑)なのも、オダギリジョーさんの才能とか人間力に惹かれた結果なんだろうと勝手に想像しています。

シーズン2も全3回らしく、「シーズン1で未解決のまま終わったストーリー本線の謎を、ちゃんと回収しきれるんですか? 今シーズンから“謎の新キャラ”も大量投入させてるけど、第2回が終わってもほとんど回収できてないんですけど? あと1話しか残ってないんですけど? それともストーリーを追うような見方をしない方が楽しめるんでしょうか?」という不安要素も込みで、10月4日放送予定の最終回を楽しみにしているところです。

 

あなたのブツが、ここに

月〜木の夜10時45分から15分の「夜ドラ」枠で放送されたヒューマンドラマで、2020年からのコロナ禍の大阪・十三や尼崎市が舞台です。

コロナ禍を取り上げた連続ドラマって、これが日本初かも?」という気もしますが、そういう固いことは置いといて、「働くとは。親子とは。家族・同僚とは」といったあたりがいい感じで描かれてました。

最初数回は「ふーん」程度で見ていましたが、ラスト数回はかなり引き込まれましたし、グッとくるシーンの連続だったと思います。

登場人物たちは一人残らずしっかりキャラが立っていましたし、セリフだけに頼らない心理描写も素晴らしかったと思います。

「コロナ禍」という設定なので、登場人物は軒並みマスク着用しているのですが、顔半分を隠しながら(目力や身振りや声色などを総動員して)感情を表現するその力量に感服させられました。

予想外に「いい拾い物をしたな」というドラマでした。まさに「拾われたドラマ」。笑

 

で、朝ドラ『ちむどんどん

私が朝ドラを再評価するきっかけとなったのは、2013年の『あまちゃん』からでして、当時は「毎日の放送が待ちきれない」ほど楽しんでいたように記憶しています。

世間的にも大きな話題となり、「朝ドラの新たな視聴層(←まさに私がこれ)を掘り起こした」などと評価されたりしていました。

おそらく『あまちゃん』以降の作品を担当する制作陣は、それまでにないプレッシャーを感じながら作っているんじゃないかと推察しています。

もちろん、それ以前の朝ドラ担当だって「いいものを作りたい」とは思っていたとは思いますが、視聴者側が朝ドラを見る目が大きく変化し、良くも悪くも「目が肥えた」お客さんを満足させなければいけないわけで、「時計がわりに見る・見せてる」などと揶揄されていた両者の“生ぬるい”関係性はとっくに崩壊しているんだと思うわけです。

で、そんな中での『ちむどんどん』。

SNSでは勝手に「反省会」が開かれたりしているようですが、個人的には「たしかにご都合主義なストーリー展開が多く、いささか『?』な内容だったような気もするするけど、何もそこまで叩かなくも…。2000年代までの朝ドラにも、こういう作品はいっぱいあったじゃないですか。時々“箸休め”があってもいいじゃないですか」というのが私の正直な気持ちです。

ちなみに、先日帰省した際、私の老母も「毎日見てるけど、なんか面白くないね」と呟いており、じゃあと思って私が朝8時に「羽鳥慎一モーニングショー」に切り替えると即座に「あたしは朝ドラ見るの! 羽鳥くんは、その後にして!」と叱られたりもしまして、まぁ、これが朝ドラの威力なんだろうなと改めて痛感した次第です。

 

ということで、NHKさんにはこれからも面白いドラマ制作を期待させていただきます。

 

ドラマ - NHK
NHKが放送・配信するドラマの情報サイトです。各ドラマの番組内容はもちろん、最新情報や再放送、NHKプラスでの見逃し情報などをお届けします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました