ジャニー喜多川氏の性加害について旧ジャニーズ事務所が会見を開いてから1年ちょっとが経ちましたが、昨日(2024年10月20日)のNHKスペシャルは“1年後の総括”として、かなり踏み込んだ内容になっていたと思います。
ちょっとだけエッセンスをご紹介してみます。
このスキャンダルが発覚してもなお、旧所属タレントの中にはジャニー氏への感謝を語る人もいるようだが、それは最近始まったことではなく、1960年代後半から70年代にかけて活躍したフォーリーブスのメンバーでも同じだったこと。
初代ジャニーズのメンバー(の一人)は小学生の頃から被害を受け続け、にも関わらずジャニー氏をめぐる訴訟の中で(性加害について)嘘の証言を強いられたこと。(20年も経ってからようやく暴露本で告白)
ジャニー氏自身、小さい頃から性被害(本人は愛情と受け止めていたらしいが)を受けていたこと。
デビューが決まったタレントには手を出さず、その後は姉のメリー喜多川氏の管理に委ねられること。
事務所に不都合な報道があると、メリー氏が「タレントを引き上げる」と脅しをかけ、それに屈したり忖度する形で自らタブー形成に加担していったマスメディア。
などなど、噂に違わぬジャニーズの暗部が、様々な関係者からの証言インタビューで明らかにされていくという、そんな番組でした。
中でも最大の見どころは、
- NHKで番組制作トップから理事へと昇進したのち、ジャニーズ事務所へ移り、今も新会社スタートエンターテイメントの顧問を務めるOBの実名を出し、突撃取材を敢行。(直撃を受け、「なんで僕なの? 仲間でしょ?」と懐柔を試みるシーンが味わい深いです)
- 初代ジャニーズメンバーの姉が、亡くなった弟に代わってスマイルアップ社(旧ジャニーズ事務所)に謝罪を求めた際の電話応対のとんでもなさ。(しかも応対者は補償本部の本部長…)
- そして、エンディングで表示された「NHKがスタートエンターテイメント所属タレントへの出演依頼を再開すること」と、それに関するNHKのコメント。(これは、当Nスペ制作現場から芸能番組部門やNHK上層部に対する異議申し立てなんだと思います)
といったあたりかと。
他にも見どころ満載ですが、当番組は2024年10月27日まではNHKプラスで配信されてますので、まずはご覧になることをおすすめします。
個人的な感想としては、この問題が表面化しなければ、ジャニー氏の死去後に「ファミリーヒストリー」とか「アナザーストーリーズ」などNHKの別番組で喜多川家やジャニーズ事務所が美談として取り上げられてもおかしくなかったのではないかと思われ、そうならずにホントに良かったなといった感じです。
過去記事はこちら。
コメント