大河ドラマ『いだてん』あれこれ。

大河ドラマ『いだてん』あれこれ。 by konmaru
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歴代のNHK大河ドラマにおける最低視聴率を更新したらしい『いだてん 〜東京オリムピック噺〜』ですが、初回から欠かさず見ている私としては「ちゃんと見続けたら、結構面白いんだけどな」と、もったいない気持ちでいっぱいになる今日この頃です。

とはいえ、よほどの話題性がないと、連続ドラマを途中回から見始める人はそうそういないわけでして、この先もコアな“いだてんファン”だけが楽しむという視聴状況を維持したまま、最終回へとなだれ込むものと思われます。

それで全然いいんですが。

 

で、11月から「最終章」に入った『いだてん』ですが、本筋に関係ないところでいろいろ思うことがあったので簡単にまとめてみます。

 

その1:徳井義実さんのシーンがけっこう残されている。

11月3日放送回(第41回)の冒頭で、こんなメッセージが表示されました。

「大河ドラマ『いだてん』は10月1日にすべての収録を終了しています。徳井義実さん演じる日本女子バレーボールの大松博文監督を描くシーンについては編集などでできるだけ配慮をして放送いたします」だそうです。

 

この画面を見て、
「やれやれ、彼の出演シーンはすべてナレーションによる解説とかに置き換えられ、安藤サクラさんとの共演部分もろとも、女子バレーボールのシーンはほぼ全カットされるのかなぁ」
と予想したのですが、実際には“徳井さん出演シーン”が意外なほど多く残っておりました。

当日の放送分数は通常回より1分短縮されたそうですけれど、カットを1分程度におさめ、多くの徳井さんのシーン(予想以上に名演だったと思います)を残す形で放送した制作陣の判断には、拍手を送りたいと思います。

また、徳井さんは「最終回まで登場予定」との報道もありましたが、極端なカットなどせず、この調子で放送を続けていただきたいものです。

(幸か不幸か低視聴率なので、「なぜ徳井のシーンをもっとカットしないのか」などのクレームも寄せるようなヒマな人は、どうせもう見ていないと思いますし)

 

 

その2:当時の組織委員会事務局の場所が、なぜかボカされている。

同じく11月3日の放送回で、こんなナレーションが入りました。

国立競技場に程近い古い洋館に組織委員会事務局を開設」だそうです。

 

事実関係としては、ここで言っている「古い洋館」とは、現在の「迎賓館赤坂離宮」のことでありまして、1961〜1965年にかけて組織委員会事務局として使われていたことは、当の迎賓館の公式サイトでもきちんと説明されています。

この事実を、今さら伏せて描く理由がよく分かりません。

この迎賓館赤坂離宮は、過去に「国立国会図書館(1948〜1961年)」として使用されたこともあるぐらいですから、ひょっとしてそのへんも合わせて今後ドラマの中で描かれていくのでしょうか。

(そこまで引っぱれるネタでもないので、なにか別の事情なんだと想像してますけど。それにしても「古い洋館」って…)

 

 

その3:NHK放送センターが代々木にある理由が描かれた。

3年後のオリンピック開催を控えた1961年、「選手村埼玉県内(朝霞)に作る」という政府計画を中止させ、競技場に近い代々木アメリカ軍居住区域(ワシントンハイツを返還してもらい、そこに選手村を建設すべく、主人公の田畑政治阿部サダヲ)が奔走。
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アメリカは“立ち退き料”として60億円を要求。
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日本政府は「そんな金はない。朝霞なら米軍はタダで立ち退くと言っているんだから朝霞でいいじゃないか」と難色を示す。
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田畑は、「オリンピック後も国のために使える恒久施設(競技場など)なら、国と都が費用を折半する」スキームに着目。
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「オリンピック後も長く使えるものは何か?」と悩む田畑。
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「これからはカラーテレビの時代! そうだっ、放送局だ!」とひらめく。
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時の首相、池田勇人に「競技場の近くに放送施設を建てる。そこからカラー放送でオリンピックを(安定的に)放送する。カラーテレビがバカ売れすれば国がうるおう。60億円など安いもの」と直談判。
 ↓
代々木ワシントンハイツの返還が決定

 

11月10日の放送回(第42回)をかいつまむと、こういう経緯なんだそうです。

どこまで史実に沿っているのかは不明ながら、つい60年ほど前の話ですから、大筋はこんなもんなのでしょう。

実際、返還後にまずオリンピックの放送センター(今で言うIBC)が建設され、オリンピック終了後、それまで内幸町にあったNHKが現在の地(渋谷区神南)に移転してきています。

ただしウィキペディアによれば、「池田勇人首相に交渉したのは、当時のNHK会長」だそうですし、その内容も「ワシントンハイツ跡地を払い下げてほしい」と、アメリカからの返還が決定した後での交渉をイメージさせる記述になっています。

「田畑がNHK会長にも根回しして共同戦線を張った」可能性もありますし、主人公の痛快さを強調するための脚色なのかもしれません。

まぁどっちでもいいのですが、NHKの大看板番組の大河ドラマ内で、
どうしてNHK放送センターは、ここにあるの?(チコちゃん・5歳)
という謎解きが見られる日が来るとは、夢にも思いませんでした。

主人公・田畑が閃いた瞬間のセリフ。(俳優さんにはモザイク かけてます)

 

ということで、迎賓館にせよ、NHK放送センターにせよ、1964年の東京オリンピックをきっかけに、東京が激変したことがうかがえるシーンではありました。

50年後の大河ドラマ『IDATEN 2』では、「2020年東京オリンピックでマラソンと競歩が突然札幌に変更された」エピソードについて、ぜひ面白おかしく描いてほしいものです。(クセのある登場人物ばかりで楽しいドラマになるんじゃないでしょうか)

 

※「『いだてん』と、直後の『NHKスペシャル』のギャップのスゴさ」について触れた過去記事はこちら

 

 

 

 
 

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