そもそもの発端
2017年の春に、地元区役所の健康課さんから各種がん検診の案内が送られて来ました。
私はタバコを嗜むため、肺がんリスクが最も心配です。
案内書によると、サラリーマン時代の人間ドックで毎年受けてきた「胸部X線撮影(いわゆる肺のレントゲン)」は無料、体内を輪切り状態にして断層撮影できる「ヘリカルCT」は3,000円の費用がかかるとのこと。
そこで、せっかくですからこれまでやったことのないCT検査を選択し、2007年の夏に、指定された地元医師会の診療所で撮影してもらうことにしました。
検診結果は…
で、その結果は、
「右上葉小結節 経過観察6か月後」。
つまり、
「右側の肺の上部に、小さな『かたまり』みたいなものがあるから、半年経ったら同様の再検査をして、大きさがどうなるか確認することをおすすめします」
ということです。
この医師会診療所では、再検査や治療は行なっていないそうで、紹介状を書いてもらい、都内の(CT設備のある)総合病院に行ってみることにしました。
総合病院にて(2017年•夏)
紹介状が功を奏し、私が向かった総合病院では「初診時の特別料金(この病院では5,400円)」を加算されることもなく診察券を作ってもらえました。
続く呼吸器内科の診察室で、以前の診療所で撮ったCT画像CD-ROMと「患者が開封することを禁じた紹介状(封筒入り)」を担当のお医者さんに渡し、問診を受けます。
その際ちょっと驚いたのは、紹介状を読み終え、肺の輪切り画像が映るモニターの一部を指差しながら、このお医者さんが、
「結節って、これのことですか?」
と、私に訊いてきたことです。
えっ?
その紹介状には、
「何枚目の画像の、このへんの座標ポジションに写っている影を、結節だと診断した」
とか、書いてないんですか?
輪切りされた私の肺の画像には、他にも白い筋がいくつも写っていて、どれが正常な肺組織の影で、どれが問題の結節かなんて、初めてCT画像を見た患者に分かるわけないでしょ?
などと、不安に駆られるところからスタートしましたが、その後この先生も、さすがに結節が特定できたらしく、
「今回のCT画像はお預かりしますので、診療所の見立て通り、半年後に来院してもらってCTをもう一回撮りましょう。では半年後の冬の何月何日がいいか、今決めましょう」
という感じで、再検査を予約するに至りました。
2回目の総合病院(2018年•冬)
結節が見つかってからちょうど半年後。
スマホのカレンダーアプリのおかげで予約日時を忘れることなく総合病院を訪問し、CTの再撮影(この病院では初の撮影)に臨みました。
撮影から数十分後、診察室に呼ばれて画像の診断結果を聞きます。
お医者さん(前年夏とは別の先生)によると、
「大きさはほとんど変わってないですね。おそらく良性なものだと思います。でも念のため、しばらく経過観察を続けた方がいいと思います」
とのこと。
例によって、半年後のCT検査の予約をその場で入れました。
3回目の総合病院(2018年•夏)
さらに半年後。
診療所分も含め、通算で3回目のCT検査と診察を受けました。
大病院だけあって、診察室にいらっしゃったのは、またもや別の先生です。
「スライス撮影される位置が毎回微妙にズレますから、結節の形が変わっているように見えますが、大きさはほとんど変わってませんね』
と言われて安心したのも束の間、その先生が、こんなことを付け加えました。
「さっき撮影したばかりですから、CT担当の放射線科の先生の所見コメントはまだ来ていませんが、私とほぼ同じ判断になると思いますよ。気になるんでしたら、数日後にまた来ていただければ、放射線科医の所見コメントを加味した結果もお伝えできます」
私はちょっと驚きながら、
「あの、前回も撮影直後に呼吸器内科の先生からの診断結果をうかがいましたが、その時は放射線科の先生の所見はなかったんですか?」
と尋ねたところ、
「あ、もちろん数日後に所見が来ましたよ。『前医(診療所)での撮影と比べて、ほとんど大きさは変わっていない』となってますね」
との返答とともに、放射線科の先生が半年前に下した所見も加味した「半年前に出来上がっていた検査結果表」を初めて手渡されたのです。
つまり、
「CT撮影 → 数十分後に呼吸器内科医師の見立てを聞く」
というところまでで検査・診察が完了するのではなく、さらに続けて、
「 → 後日、放射線科医の所見が到着 → それも加味して呼吸器内科医が検査結果表を作成 → 撮影から数日経てば患者が入手可能」
というフローが本来存在していたということです。
総合病院の3回目の診察で、ようやく私は診断フローの全貌を知ったわけです。
私は、躊躇なく、
「では、次回(半年後)のCT検査は、この日でお願いします。で、結果をうかがうのは、その3日後で予約をお願いします」
と申し出て、
「2回来ていただくことになりますが」
という先生の念押しに対しても、
「はい、構いません(当然そうなるでしょ)」
と即答し、帰宅しました。
なんだかなぁ。。。
4回目の総合病院(2019年•冬)
で、さらに半年経った先週。
通算で4回目のCT検査を受け、その3日後に検査結果を聞きに行きました。
すると、前回と同じ呼吸器内科の先生から、最終形の検査結果表と肺のCT画像を見せられながら、
「前々回・前回・そして今回の画像を並べてみますね。ほら、大きさにほとんど変化がないですよね。よってこの結節は『過去に起きた何らかの炎症でできた傷跡みたいなもの』だと判断していいと思います」
という、ありがたいお言葉をいただきました。
加えて、
「このような場合には、できれば2年間は経過観察を続けたほうが安心できるので、できればあと1回ぐらいCT検査をしておいたほうがいいですね。時期は、また半年後か、もしくは、うーん、これなら1年後でもいいかなぁ」
との助言もあり、
私:「じゃぁ、(お金ももったいないので)1年後で。笑」
先生:「ですね。笑」
というやり取りもありました。
で、これで終わるかと思ったら、さらに先生はこう続けます。
「ウチみたいな総合病院では、最後の診察から半年以上経過すると、再度かかりつけ医の紹介状を持参してもらうか、もしくは特別料金をいただくことになってるんですよ。ウチの場合は5,400円ですが。1年後の再検査だと、このどちらかが必要になりますが、いいですか?」
と、そんなことを言われても、本件に関しては、この病院が私のかかりつけ医になっているも同前でして、まさか「この病院」から「この病院に対する紹介状」が発行されることなどあり得ず、そうなると5,400円の特別料金加算を受け入れるほかに選択肢はありません。
ちなみに、これまで「CT検査&診察」にかかってきた1回あたりの費用は、偶然にも5,400円程度でした。
どうせ5,400円取られるのであれば、それを検査に充てたほうがいいに決まっていますから、
私:「すいません、だったら、次の検査はやっぱりこれまで同様、ちょうど半年後にして下さい」
と申し出た次第です。
そこで新たな問題や変化が見つからなければ、検査は終了しようと思います。
ということで、通院を重ねるごとに大病院の事情通になってきたというお話でした。
【余談】
検査結果表の隅っこに、「まだら脂肪肝」という文字が印字されていました。
CT検査では上半身全体を撮影していたので、ついでに写ってしまったんだと思いますが、とりあえず見なかったことにします…。
コメント