「我が家の玄関の電球型蛍光灯を、東京都の税金でLED電球に切り換える」の2回目です。
前回はこちら。
ということで、もろもろの情報収集、下準備(電球をはずし、身分証明書を携行するぐらいですが)をした上で、電車で2駅のところにある個人経営の「街の電気屋さん」に向かいました。
(ヨドバシカメラやヤマダ電機などの大型家電量販店でも対応してもらえるようですが、混雑していると時間がかかりそうなので今回はパスしました)
以下、何点か感じたことなどをまとめておきます。
その1:「新たな仕組み」導入直後なので、電気屋さんにも浸透していない
私が訪問した電気屋さん特有の事情かもしれませんが、少なくともこの店主のオヤジさんは「新たな仕組み」をまるで理解しておりませんでした。
店主「あれ、お客さんが持って来てくれたこの電球、切れてますよ?」
私「あ、はい、切れてます(それでもOKなのは事前確認済み)」
店主「おーい、母ちゃ〜ん、ちょっと来てくれよ〜。切れた電球持って来ました、とさ〜」
奥様「切れてたっていいのよ。先週から変わったじゃない。しょうがないわね、私がやるわ」
こんな調子でした。
しかし、その後この奥様からもこんな謎の質問がありました。
「新しいLED電球は、持っていらっしゃったのと同じサイズでいいですか? それとも小さいやつにしときます?」
確かにこの8月からは、もらえるLED電球のサイズが「E26型(ソケットにはめる口金部分の直径が26ミリ)」だけでなく、小型の「E17型」サイズもOKとなりましたが、持参した電球と同じサイズを交付するのが決まりのはずです。(こちらの公式サイトにもその旨明記されています)
「消費者ファースト」な対応で大変ありがたいのですが、後日、この電気屋さんが都から(あるいは小池都知事から直接)お咎めを受けたりすることはないのでしょうか。
そのへん、ちょっと心配ではありますが、いずれにせよ、このスキームの詳細が浸透するにはもう少し時間がかかるのかもしれません。
その2:持参電球を返却されても、事実上、再利用できない
前回もお伝えしましたが、従来は「白熱電球2個持って来てくれたらLED電球1個と交換」だったのが、この8月(15日)からは、
「切れててもいいから、とにかく電球1個持って来て見せてくれたら、LED電球1個あげる」
「持参した電球には、確認シールを貼ってその場で返却する」
というスキームに変更になりました。
私はこれを、「まだ使える白熱電球を店に渡して処分されてしまうのはもったいない」と考える都民に対するケア施策かと思って評価していたのですが、どうも違ったようです。
きっかけは、返却された電球に貼られた確認シールです。
私の場合、切れた電球だったので再利用したくでもできませんが、まだ使える電球を持参した人は、シールを剥がして予備電球として再利用することを考えたりもするはずです。
ところが、何の気なしにその確認シールを剥がそうとしてみたら、まったくもってキレイに剥がれないのです。
正確に申し上げると、表面のシールが剥がれても、薄い接着物でできた「同じ文面のシール痕」が、電球の表面にキチンと残ってしまうのです。
返却時にシールを貼らなくても、「身分証明書をチェックした上で、1人1個まで」という制限があるのですから、そうそう不正は起きないようにも思いますが、これだけ分かりやすいシール痕が残ってしまうと、転売はもちろん、自宅で再利用しようという気すら起きません。
念のため「お問い合わせコールセンター」にも確認してみたのですが、
「まだ使える電球であってもシールがキレイに剥がれないようになっていて、そこから発火する危険性もあるため、再利用はおすすめしません」
「仮にキレイに剥がせたとしても、ノリなどが残っていればやはり危険なので、再利用はおすすめしません」
との回答でした。
このことから分かるのは、「(普通の電球とLED電球との)交換方式」から「(普通の電球を持参さえすれば、LED電球をくれる)交付方式」に切り替えたのは、「まだ使える電球を交換するのはもったいない」という都民感情に配慮したというよりは、むしろ「交換された中古の白熱電球や電球型蛍光灯が電気屋さんに蓄積されてしまうと、その管理・処分業務が発生するので、その負担を無くす」ためなのだろう、ということです。
「持ち帰ってもらえれば、電気屋さんの管理負担は無くなる」
↓
「ただ、返却すると、まだ使える電球が再利用されてしまい、省エネという政策目標自体に矛盾する」
↓
「だから、返却する電球には(キレイに剥がせない)シールを貼って再利用を阻止する」
およそ、こんなところなのではないでしょうか。
「返却は、“民のため”より、“店のため”」 4点。
(シール痕を無理にこすり落として再利用してしまい、シール痕の接着剤成分などから発火するような事故が増えないことを願います)
その3:ポリの手提げ袋を所望したら、出し渋られた
電気屋さんでは、パッケージに入ったLED電球のほかに、東京都が作成した「省エネガイド」もいただきました。
これ以外に「家から持参した電球」もあるわけで、「左手に裸電球、右手に財布」という状態でやって来た私にとっては想定外の荷物になりそうです。
これらをすべて直接手に持って電車に乗るのもなんですし、ポケットはスマホやら鍵やらで占有されていたこともあり、「すいません、スーパーの手提げ袋みたいなヤツに入れてもらえますか?」と店の奥様に申し出たところ、ハッキリとした口調で、
「えぇ〜?」
と言われてしまいました。
しかも、かなり不快な顔の表情もされていたように思います。
難色を示しながらも、カウンター下からポリ袋をたぐり寄せ始めそうな雰囲気があったので、「すいません、ずうずうしくて…」と恐縮したフリをすることで、最終的にはなんとかポリ袋をゲットすることができました。
ちなみに、私が受け取った「60W相当のE26型LED電球」の助成金は「1個あたり上限2,000円」だそうです。(こちらの書類の第6条に助成金交付額が載ってます)
仕入れ代は別途かかるのでしょうけれど、それなりの額の助成金が(大した営業努力もなく)電気屋さんに入るのですから、ポリ袋を1枚欲しがっただけで、あれほどの拒絶反応を示さなくてもいいんじゃないのかなぁ、とは思いました。
まぁ、こちらの準備不足と言われればそれまでではありますが。
ということで、これで玄関の天井照明の電球は、私が死ぬまで交換不要でしょう、きっと。
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