フィギュアスケートのルールが改正されるかもしれません。

フィギュアスケートのルールが改正されるかもしれません。 by konmaru
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今朝、テレビ朝日の『羽鳥慎一モーニングショー』を見ていたら、「フィギュアスケートの採点ルールが変わるかも」という話題を紹介していました。

 

長くフィギュアスケートを見てきた方々には常識らしいのですが、現行ルールでは、演技後半でのジャンプは技術基礎点が1.1倍となるそうです。

よって、敢えてジャンプを後半に寄せたプログラム構成にして、体力の消耗と戦いながらもジャンプを成功させれば高得点が期待できるということになります。

 

で、昨日閉幕したピョンチャンオリンピックのフィギュアスケート・女子フリーにおいて、個人資格で出場していたロシアのアリーナ・ザギトワ選手が、7つ全てのジャンプを後半に集中させて金メダルを獲得したことに対して一部から批判の声が上がり、国際スケート連盟(ISU)が来たる6月の総会で「後半でのジャンプの数を制限して偏りをなくす」というルール改正を提案することが関係者の話で分かったのだそうです。

ザギトワ後半偏るジャンプ構成に批判、ルール改正へ - フィギュア : 日刊スポーツ
フィギュアスケートでボーナス得点を狙って基礎点が1・1倍となる演技後半にジャンプを集中させる構成が多くなったため、国際スケート連盟(ISU)が6月の総会でル… - 日刊スポーツ新聞社のニュースサイト、ニッカンスポーツ・コム(nikkansp...

 

番組内では各コメンテーターが「芸術性とのかねあい」「ルールに則って点数を争う競技としては妥当」「連続ジャンプは体重の軽い若手に有利」「かと言って若い頃から連続ジャンプの負荷が体にかかり過ぎるのはどうなの?」などの論点で意見交換がされておりました。

 

 

私はフィギュアスケートに対しての知見がほとんどないので「だったら、体力消耗とのかけ引きにはなるけど、前半・後半関係なく、ずーっとジャンプを続けて、圧倒的な高得点を狙えばいいのに」などと脳天気に思っていたのですが、実はルールとして同一種類のジャンプ回数には制限がかかっていて、それ以上ムダにジャンプばかりしても得点にはならないようです。

うまく出来ているもんです。

 

 

6月に提案されるらしいルール改正が正式に決まるかどうか、ISU総会を見守りたいものですが、個人的には現行ルールの中で「ジャンプの配分や回数」よりも先に「このままでいいのか」を考えたほうが良さそうな点があります。

 

それは「一人のコーチが複数選手を指導するのって、アリなんですか?」ということです。

 

今回の五輪でも、元フィギュアスケート選手のブライアン・オーサーさんというコーチが指導している選手が複数出場していました。

男子フィギュアでは羽生結弦選手を含め3名、女子フィギュアでも2名のコーチを務めていたそうです。

 

 

 

フィギュアスケートのシングルは個人競技ですから、選手側がブライアンコーチに指導を依頼し、コーチがそれを引き受け、やがて指導が功を奏して複数の教え子が同じ大会に出場することになってメダルを争うのは、当然起きうる話だとは思います。

 

ただ、そのときコーチが個々の選手に対してどこまで「公平・公正」に接することができているのかは、気になる点ではあります。

 

  • 選手Aのポテンシャルは、このぐらいのレベル。だから指導も演技構成もそのレベルに合わせます。 
  • 選手Bのポテンシャルは、門下生の中でトップ。だから指導も演技構成も、選手Aよりも高レベルに設定しているし、選手Bもそのレベルに応えてくれている。

 

こんな感じで各選手への指導内容に差が出ても何ら不自然なことではありません。

 

 

でも、「メダル獲得が有望視される選手が門下生の中に複数いる」場合に、それぞれに対して「レベルアップして上を目指そう。チャレンジしよう」と鼓舞しながらも、実は片方に対してだけ「極めて高望みな目標を掲げさせ、成功の見込みのないチャレンジへと誘導し、メダル競争から脱落させる」ことも出来なくはないよなぁ、と思ったりします。

 

そんな卑劣で腹黒い人が、何年もコーチとして活躍できるワケもありませんし、大した実績もあげられずに悪い評判ばかりが立ってしまえば、そもそも門下生だってそのうちやって来なくなるでしょう。

 

それにブライアンコーチは、指導者としての素晴らしい実績がありますし、見たところ、どの門下生にも好かれているようです。

さらに、教え子の出場にあわせて自分も着替えるブライアンコーチの姿を東亜日報が報じていますが、各選手あるいは選手の出身国に対する配慮もしっかりできるバランス感覚も持っているようですから、彼に限っては不正の類の心配など無用なんだと思います。

5ヵ国5選手を指導するオーサーコーチ、男子シングルで3度着替える
「チームコリア」が書かれた黒色のダウンジャケットを着たブライアン・オーサーコーチ(57=カナダ)はフィギュアスケート男子シングルの演技を終えた教え子のチャ・ジュンファンを強く抱きしめた。彼が着ていた…

 

 

でも、やっぱり、物事を斜めから見るのがクセになっている私のような人間からすると、心が落ち着きません。

 

「個人競技は自分との戦いである」

「だから同じ門下生の中に、金メダルを争うライバルがいても気にしない

「そのライバルと同じスケートリンクで練習していても、自分の成長だけを考える」

 

ここまでなら、立派なアスリート魂という感じもします。

 

でも、これに加えて、「自分との戦い、そして、自分の成長を導いてくれるコーチが、今は5メートル離れた所で俺のライバルを指導している」場面に居合わせてもなお、「自分は自分。お互い切磋琢磨するだけ」と達観できるものなのでしょうか。

 

まぁ、それがイヤなら別のコーチを探せばいいだけなんでしょうが、競技人口からみても多くの(優秀な)コーチが存在するような業界にも思えませんから、難しいところです。

 

そう考えると、ルール改正して特定コーチに選手が集中するのを防ぐこと自体が非現実的なんでしょう、きっと。

 

ただし、4年後に北京で冬季大会が開かれた際に「フィギュアの出場枠のほぼすべてを、ブライアン・オーサーコーチの門下生が独占した」とかにでもなれば話は別です。

(実際に起きそうな気がしますし。w)

 

 

余談ですが、羽生結弦選手の好きな「くまのプーさん」って、雰囲気がブライアン・オーサーさんに似てますよね。

 

羽生選手は、実は「独占したくても独占できないコーチへの想い」が強すぎるあまり、「代償行動としてプーさんを独占的に可愛がっている」んじゃないかと勝手に妄想している昨今です。

 

 

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