と、いささか大げさなタイトルですが、昨夜、各種SNSから「『ロンドンハーツ』でCM事故発生中」的な投稿がいくつも流れてきたのが、ことの始まりです。
「CM(時には番組本編も)が送出されずに『しばらくお待ちください』という静止画メッセージが何分も続く」といった現象は、昭和の地方局においては、わりと日常的に発生していて、私も何度か遭遇した記憶があります。
そのため、「お、久しぶりだな。今どき珍しいな」という感情が湧き立ち、、せっかくなので(←何がせっかく?)愛用の全録レコーダーを使って「どのあたりからこの不具合が始まっていたのか」を調べてみました。
最初の異変は「報道ステーション」から
昨夜(火曜日)の22時から始まった「報道ステーション」では、開始30分ほどで提供スポンサーのクレジットが表示されたのですが、裏でテーマ曲のフレーズは流れたものの、「◯◯の提供でお送りします」的なナレーションがありませんでした。
その前日(月曜日)には、しっかりと提供ナレーションがありましたので、昨夜はこのあたりから不調が始まっていた模様です。
で、提供クレジットの直後に始まった1本目のCMは、その1カット目で無音のまま静止しており、それが3秒ぐらい続いて、すぐ番組本編へと戻されてしまいました。
続くミニ番組「パリオリンピック応援宣言」
昨日は、報道ステーションから一切CMを挟まない形で、このミニ番組に突入していました。
ちなみに、この前日(月曜日)においては両番組の間でしっかりCMが流れていたので、昨日はこの段階でトラブルは本格化していたんだと思います。
ただし、この「応援宣言」は「報ステ」同様、生放送番組だったので、現場が臨機応変に「CMが送出できない時間を番組本編で埋める・つなぐ」という対応を取ったものと思われ、なにげなく見ている分にはトラブルに気づかなかった視聴者も多かったのではないでしょうか。
次は長寿ミニ番組「世界の車窓から」
こちらは事前に収録・編集された完全なパッケージ番組(完パケ)ですから、その中で予定しているCM枠にCMが流せないと放送に穴が空いてしまいます。
その穴を埋めるために取られたのが「(おそらくライブの)六本木周辺の情報カメラ映像を流す」という手法だったのでしょう。
完パケ番組なので「車窓の旅」の映像自体は淡々と進行しますが、提供クレジットが予定されていた部分ではスポンサー名の表示も提供ナレーションもないまま、完パケに収められた風景と音楽だけが流れるという、ちょっとシュールな状態になっていました。
そして「ロンドンハーツ」
「世界の車窓から」が終わり、「ロンドンハーツ」が始まるまでの映像がこちら。
こんな非常状態でも画面右上で“次の番組”を案内しているのは立派だと思います。
そして「番組本編はちゃんと放送しますよ」と、とにかく明るい宣言も出してくれました。
さらにロンハー内のCM枠では、さっきの2つのメッセージが結合され、画面右上でも「このあともロンハーは続くよ! 見逃せないよ!」と期待を醸成させる画面構成にブラッシュアップされました。
テレ朝さん局内はバタバタだったと思いますが、そんな中でこういう地道な仕事をするスタッフさんがいるのは素晴らしいことだと思います。
まとめ
と、興味本位で全録レコーダー内を漁って検証してみたわけですが、一番大変だったのは不具合が表面化して話題になったロンハーではなく、CM枠をすべて飛ばしてニュースだけで番組を埋め切った報道ステーションだったと思います。
番組内では大越健介キャスターをはじめ、誰からもこのトラブルに触れられることは一切ありませんでしたから、「もともとこういう構成だったんだろうな」という印象を持った視聴者も少なくなかったのではないでしょうか。
(もちろん「なんかCM少ないな。ニュース量が多いな」と好意的に受けとめた人もいらっしゃるとは思います)
報ステの制作現場に対して、どのタイミングで「CMが流せない」という情報が降りて来たのかは分かりませんが、おそらく生本番を進める一方で「CMはまだ復活しないのか? 復活しないとなるとあと何分余るぞ。どのネタを追加する? 原稿は? 映像は? テロップは?」などと怒涛の綱渡り(←日本語が変w)で凌いだと想像すると、他人事ながらゾッとしてしまいます。
そんな中で、落ち着いて番組を進行したキャスター陣は、素晴らしいとしか言いようがありません。
特にメインキャスターの大越さんにとっては、「CMなしのニュースショー出演」は久しぶりだったわけですから、古巣の放送局を思い出したりしながら、しっかりと本領を発揮されていたように感じました。
ということで、関係者の皆さま、本当にお疲れ様でした。(何の面識もありませんが)
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