2024年12月2日以降、現行の健康保険証が新たに発行されることはなくなり、その後はマイナンバーカードの健康保険証(マイナ保険証)を利用することを国は推奨しています。
ただし、「マイナンバーカード自体を持っていない人、持っていてもマイナ保険証の利用登録をしていない人、さらには利用登録をしたもののその後に登録解除した人」などに対して送られてくる資格確認書(←見た目は健康保険証とほぼ一緒)でも、医療にかかることは可能となっています。(有効期間は5年らしいです)
また、要介護高齢者や障害者などの「要配慮者」については、病院に設置してあるマイナ保険証リーダーの操作が難しいことなどを考慮して、マイナ保険証を持っていても資格確認書を交付するんだとか。
つまり、要配慮者として申請した一部の方々を除けば、数年後にはほとんどの日本人がマイナ保険証か資格確認書のどちらかを選択して保有することになるんだと思います。
(資格確認書の運用が5年経過後にも続くかどうかはまだ決まっていないらしい)
かくいう私も、マイナポイント付与施策に釣られてマイナ保険証の利用登録をしたのですが、ためしに一度、病院の認証リーダーを操作してみたところ、顔の認証やら医療情報提供の同意を求められるのがかったるく、その後の通院時には従来の保険証に戻してしまいました。
私としては今後、「いま所持している保険証を有効期間いっぱいまで使う → その後は資格確認書に切り替える → 資格確認書の運用が廃止されたら、しょうがないのでマイナ保険証を使って通院する」というステップを踏もうかと思っています。
「マイナ保険証は絶対反対!」という頑ななポリシーがあるわけでもないのですが、導入時に「裏面の個人番号は他人に見られないようにしましょう」などと注意喚起され、さらにその番号や性別などをマスキングするような“専用の透明袋”とセットで交付されたために、「だったら持ち歩かないほうがよくね?」というネガティブな印象が形成されてしまったんだと思います。
「税・年金・医療などの個人情報はカードの中に保存されていない。暗証番号を一定回数間違えるとロックがかかる。だから紛失しても悪用されるリスクはほぼない。そもそもお金とダイレクトに紐づいているという意味ではクレジットカードやキャッシュカードの紛失のほうがよっぽど危ない」というのは頭では分かってはいるのですが、こういうのって、理屈よりも気持ちが先行するんですよねぇ。。
(個人的には、マイナンバーカードが「カード」じゃなくて「スマホアプリ」になってくれたら、躊躇なく使えるような気がしてます)
そんなこんなでつい先日、旧友と飲んでいた時にマイナ保険証の話題になり、彼からちょっと意外な情報を入手したので、多少の脚色も加えてご紹介します。
旧友:
俺、マイナ保険証の登録を解除して資格確認書に切り替えようと思ってさ、ついこの前、国民健康保険の窓口になってる地元の区役所に行ったんだよね。
で、窓口のスタッフに「今日、登録解除の申請をしたら、いつ資格確認書がもらえるの?」って聞いたら「いまお使いの健康保険証の有効期限がくる直前ぐらいに交付される予定です」って言われたんだよ。
私:
まぁ、まだしばらく使える国保の健康保険証があるうちに資格確認書と2枚持ちになってもしょうがないから、運用としてはそういうもんなんだろうね。
友:
でさ、俺もまぁそれでいいかと思って「じゃぁ申請手続きをお願いします」って言ったらさ、「申請に来た皆さん全てに念のためお伝えしていますが、マイナ保険証の登録解除をしなくても資格確認書をお渡しできるようになりますよ」って言うんだよ。
私:
あー、それは「要配慮者」の場合でしょ? お前は要介護でもなければ障害もないから、要配慮者じゃないじゃん。
友:
そう、自分も「要配慮者」への対応があるのは知っていたからさ、「それって、要配慮者に限った話ですよね?」って訊いたら「いえ、そうでない方にもお渡しする予定です」って言われたんだよ。(以下略)
それまでに私が得ていた情報とかなり違っているので、旧友にさらに聞きただしたところ、彼は区役所スタッフさんから以下のようなことを言われたんだそうです。
- 「マイナ保険証の登録をしたが、カードを持ち歩きたくない」という声が多いので、登録解除せずとも資格確認書を交付できるようにする方向で準備中。
(要するにマイナ保険証と資格確認書のダブル持ちができるということです) - 要配慮者以外にも「マイナンバーカードに保険証機能を紐付けしたままで資格確認書を交付できるようにする」旨の連絡が、上のほうから来ている。だから(ダブル持ちできるのは)要配慮者に限らない。
- ただし、12月2日までは従来保険証の新規発行が続くので、このスキームに関する申請書類もまだできていないし、受付開始時期も未定。具体的に決まったら区のホームページなどで告知する。
で、会話に戻ります。
友:
自分の場合、マイナカードに保険証機能をくっつけちゃってるから、その登録を解除しなければ資格確認書はもらえないもんだと思い込んでいたから、もう驚いちゃってさ。
私:
いや、俺もその認識だったよ。つい先日も、マイナ保険証というかマイナンバーカード自体に否定的なコメンテーターさんが、ワイドショーで「登録解除の受付が始まりましたよ!」って熱弁振るうのを見たばかりだし。w
友:
だからさ、俺もちょっと興味が湧いてきたんで、区役所のスタッフさんに「ダブル持ちができるこのやり方って初耳なんですが、全国的な対応なんですか?」って訊いてみたんだよ。
私:
そしたら?(興味津々)
友:
「はっきりは分からないですけど、もしかしたら自治体ごとに対応が異なるかもしれません」って言ってた。
私:
えー、そうなんだー。お前、何区に住んでるんだっけ? ブログに書くから教えてよ。
友:
教えるけど、ブログに区名は書くなよ。
私:
なんで?
友:
だって、俺の区が独自にやってくれる話かもしんないわけじゃん。ってことはさ、想像だけど、その自治体が独自に「要配慮者」への運用を拡大適用しようとしているのかもしれないじゃん。「マイナカードを持ち歩きたくない人にも配慮が必要だ」みたいな理屈で。
だとしたら、それを知った国が「そんな勝手な運用で資格確認書の交付枚数を増やすのは許さん!」とかクレームつけてきて中止になったら困るし。
私:
なるほどねぇ。でもまぁ、国としても「登録解除されてマイナ保険証の有効枚数が減るぐらいなら、資格確認書のダブル持ちぐらい大目に見てやってもいいか」ってな感じかもよ。
「5年の有効期間が終わったら、その時こそ資格確認書の運用やめてマイナ保険証に一本化してしてやる」みたいな腹づもりでさ。w
友:
かもしんないけど、そもそもさ、マイナ保険証に登録するとさ、スマホのマイナポータルアプリ上に「通院した医療機関、医療費、処方薬」とかの情報が表示されるじゃん。あれが気に入らないんだよ。ww。
私:
別にさ、処方箋とかお薬手帳にだって、処方薬の情報は載るじゃん。何がそんなに違うわけ?
友:
あー、まどろっこしいからぶっちゃける! 紙ならまだしも、自分のスマホの画面で「軟膏を1日2回、陰部に塗布」とかいうテキストなんか見たくないんだよ!
私:
ギャハハ、そういうことか。でも、それって元々は処方箋に載っていた情報だよね。ってことは…?
友:
そうだよ! だから薬剤師のおねえさんにも「陰部に塗布」って書かれた処方箋を見せたし、薬を受け取る時の説明では「これを、ね、1日に、2回ね、塗ってもらって…」みたいに口ごもられちゃったし、そのくせお薬手帳にはしっかりと「陰部に塗布」って印字されたシールが貼られるんだよ! なんで「患部に塗布」とかにしといてくんねーんだよ、俺のかかりつけ医さんよ!
私:
ワハハハ。でも、一応教えてとくけど、俺もマイナ保険証の登録してるけどさ、最近ではもっぱら従来の保険証しか病院に見せてないわけ。にもかかわらず、最近お世話になった病院の治療費とか処方薬情報とかも、マイナポータル上にばんばん出てくるよ。
いったんマイナカードに登録すると、病院に提示するしないに関係なく、情報は紐付けされてるんだと思うよ。
友:
えっまじ? 「陰部に塗布」以来、マイナポータル見てないから知らなかった! ってことは、マイナ保険証と資格確認書のダブル持ちにしても、「陰部に塗布」がスマホ上に出てくる状況は変わらないってことか?
私:
たぶん。「陰部に塗布」をスマホで見たくないなら、やっぱりダブル持ちじゃなくてさ、マイナ保険証の登録をちゃんと解除して、資格確認書一本にするしかないのかもね。
っていうか、その前にまず、軟膏を陰部に塗布しなくていいように、体を大事にしろっつーの。
友:
はい。。
ということで、「自治体によっては、どうもマイナ保険証と資格確認書のダブル持ちが、要配慮者以外でも可能になるっぽい」というお話でした。
【関連リンク】
厚生労働省さんの「マイナンバーカードの健康保険証利用について」ページ
デジタル庁さんの「よくある質問:マイナンバーカードの健康保険証利用について」ページ
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