月に1〜2回、来年80歳を迎える母親から(互いの生存確認を兼ねた)電話がかかってくるのですが、直近の回の内容はちょっとヘビーなものでした。
母曰く、
「何年も前から掛金を払ってきた『葬儀会社への生前積立』が終了したの」
「お父ちゃん(自分の夫)は立派な葬儀にしてほしいらしく、高い積立コースにしているけど、アタシは安い葬儀プランで十分だから」
「いずれにしても、アタシら夫婦が死んだ時、お前ら子供たちには迷惑をかけないように考えてあるってわけ」
「お前がこの前帰ってきた時にも、お父ちゃんは酒を飲みながら『自分が死んだら、病院から斎場に直行するのはイヤだ。絶対に一度自宅に連れ帰ってくれ』って言ってたけど、アタシは病院から斎場に直行でいいから」
「そういえば、つい先日も、積み立てをしてある葬儀会社から『これまでご紹介してきた施設よりも、もっとご自宅から近い所に新しい斎場がオープンしました。ぜひご近所のお友達を誘って見学に来ませんか?』って誘われたから、見に行って来たわ」
「お棺のランクもピンキリで、お高いプランだと綺麗な布が巻かれていたりするんだって。素敵だったぁ。でも、最後は燃やすんだし、アタシはそんな贅沢なお棺にしなくていいから」
「お父ちゃんにも『アタシのは豪華にしないで』言っといたけど『俺とお前のどっちが先になるか分かんねーだろ』っていうから、あんたたち息子・娘連中にも伝えておくわね」
だそうです。
このような終活チックな話は、これまでにも断片的に聞かされたことはありますが、ここまで総合的な内容は初めてだったように思います。
がしかし、唐突に聞かされた息子側としては…、
- で、トータルでいくら積み立ててあるわけ?
- そもそも、葬儀会社の連絡先は? 契約書類などの在り処は?
- いちおう承ったけど、家督を継いでいる同居長男にはもっと詳細に伝えてあるんだろうな?
- どうも世の多くの年寄り達は、「自分の葬式代の工面さえしておけば子供達に迷惑がかからならい」と考えているフシがあるけれど、それって「ピンピンコロリ」で死ねた場合にのみ有効なスキームであって、「認知症が長引き、有料老人介護施設に長期入所」した場合の費用なんて、どうせ考えてないよね?
- 「自分が死んだ後にしか使わない新設斎場」をそんなに熱心に見学する熱意って、どこから来るの?
- だいたいにおいて、“将来の当事者”を直接見学に招く葬儀会社っていったい?(っつうか、むしろ今やこれが普通なのか?)
- なんだかんだ言って、これって「キレイな布を巻いたステキなお棺」をねだってないか?
などなど、さまざまな感情を抱くことになるわけです。
とはいえ、上記箇条書きのようなことを80歳を迎える老母にいちいち問いただしても、それでどうなるものでもありません。
そこで、離れて暮らす息子としては終活の話題を切り上げさせるべく、「体の調子はどうよ?」「コロナの感染予防対策とか、やってる?」といった方向へと仕向けてみたところ、なんと両親ともに「ワクチンを打つつもりがない(正確には「ワクチンへの興味関心が極めて希薄である」)」ことが判明したのです。
二人とも基礎疾患を抱えた高齢者ですから、新型コロナウイルスに感染すればかなりの確率で発症 → 重症化が懸念されるので、副反応を気にして打たないなどという選択肢はあり得ないと思いますし、打たないほうが圧倒的に高リスクなんじゃないでしょうか。
そんなようなことを手を替え品を替え説明してみたところ、「そうかぁ、じゃぁ、地元自治体から接種案内が来たら、ワクチンを打ってみようかねぇ…」というレベルまでなんとか心理変容させることができましたが、親が「日々の健康管理・疾病予防」よりも「自分が死んだあとの葬式」を格段に心配していることを知り、離れて暮らす息子としては両者のアンバランスさに少なからぬショックをおぼえた次第です。
というわけで、せめて自分の終活については「死ぬ前も含めた終活」を意識しておきたいものではあります。
金融機関(りそな銀行)による「終活とは?いつからはじめる?具体的なやり方・生前準備について紹介します」ページ。↓

葬儀会社(さがみ典礼)による「終活」関連ページ。↓
NPO法人(日本FP協会)による「終活、何をしておくか」コラム。↓
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