旧友との脱力的メール交換

After/リタイア後
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先月のある週末の夜、10年以上連絡を取り合っていなかった大学時代の旧友からメールがありました。

彼(K君)は就職後に何度か職を変え、途中留学もしたりして、直近では研究職に就いているらしいことは風の噂やネット上の情報でなんとなく知ってはいましたが、もらったメールには、

「近日中に◇◇(私が比較的土地勘のある地方の街)へ移住しようかと思っている」

ということが書かれていました。

 

移住?

しかも、なぜ◇◇の街へ?

仕事はどうすんの?

など、いくつもの「?」が私の頭をよぎります。

 

翌朝、こちらから以下のような趣旨の返事を出しました。

「昨夜は早々に寝ていたので、返事が今頃になり失礼しました。(^_^;)

ホントにお久しぶりです。

◇◇に移住と聞いて驚いた。仕事の関係?

実は、こっちも昨年で早期退職しているよ。

お互い50歳を過ぎて、人生の転機なのかもね」

 

するとK君から反応が。

「◇◇に移住するのは仕事の関係ではない。

移住の理由は、東京の生活に疲れたし、地震がこわいから、といったところ。

よって、今は求職中

移転先の候補は▲▲駅あたりを考えているが、全く土地勘が全くないので、◯◯君(←私のこと)に連絡してみた。

◯◯君が早期退職したということは、東京で自営業でもしているのか?」

 

東京に疲れたとか地震が怖いという感情を持つこと自体は、分からなくもありませんが、だからといってなぜ◇◇のような地方都市へ?

しかもK君の地元とは全く逆方面だけど?

おまけにこれから現地での職を探すということ?

大胆過ぎて驚くことばかりですが、これ以上はメールでやり取りする話でもないですし、私に土地勘があることを知ってわざわざ連絡をくれたのでしょうから、ここはお互いの人生の節目として、会っておいたほうがいいと直感的に判断し、以下のような返事を出しました。

「現地でいい仕事見つかるといいね。

▲▲駅は乗り降りしたことないけど、最近は色々開発が進んでいると思う。

こちらは、細々とコンサルとか事務サポートみたいなことしながら、ちょくちょく実家に帰って、今までできなかった親孝行的なこともしている。

K君が東京にいるうちに、一度会いたいです。

おっさん同士、サシ飲みでもしよう」

 

K君からも反応。

「独立とはうらやましい。

うまくいくといいね。

◯◯君(←私)のことだから周到にやっていかれるのでしょう。

おっさん同士のサシ飲み、ぜひぜひ!

いつでも都合のいいとき声かけてください」

 

K君との過去の付き合いの中で、私が「周到にやれそうな人間」だという印象を彼に与えるようなエピソードなんて、あったっけ?

と不思議に思いつつも、「いつでも声かけて」を放っておくと、「いつまで経っても実現しない」のが世の常なので、すぐ返事を出しました。

「では、善は急げということで、来週の平日夕方あたりからで都合のいい日はありますか?

なんだったら、こちらは昼飲みも可です。w」

 

「お互いサラリーマンじゃないから昼飲みだってできちゃうねw」というオチャラケが功を奏したのか、K君からも即レス。

来週ならいつでもオーケー

夕方が希望。

そちらの都合で適当に決めてください。よろしく」

 

「こちらの都合で決めていい」とはいえ、開始時間とかお店の場所を決めるに当たっては、旧友側の都合も確認しておきたいので折り返しメール。

「了解。

18時スタートとかで大丈夫?

あと、今どの辺に住んでる

その辺ふまえて曜日とお店考えてみるんで、教えて下さい」

 

K君から。

18時で問題ありません!

いまは、△△(都内某所)に住んでいるので、どこでも行けますよ

気軽な安い店でお願いします!」

 

私から。

「了解。

リーズナブルな居酒屋さん探してみます。月曜ぐらいに改めてご連絡します。

それまでお待ちください」

 

とにかく、10年以上ぶりの再会ですし、次はいつ会えるのかも分かりません。

よってお店選びに当たっては、少しでもいい雰囲気で会話が弾むようにと、所在地以外にも、店内の客席配置メニュー構成、ネット上での評判、そして当然ながら値段も含め、あれこれ探しました。

ただし、おそらく旧友は現在無職でしょうし、こっちだって微々たる売上しかない新米フリーランスですから、分不相応な高級店は選べません。

そこで、「食べログの評価点数が3.5点以上で、予算が4,000円台の店」の中から総合的に最も良さそうな店をチョイスする事にしました。

結果、我ながらなかなか良いお店が探せたと思います。(その時点では…)

 

で、旧友側の都合もあるでしょうから、月曜を待たず、予約が完了した日曜日の午後に早速メールで連絡をします。

「お待たせしました。

10月xx日(←3日後の水曜日) 18:00からです。

(以下、店名・住所・電話番号・店のホームページ情報を記載)

現地集合にしましょう。

では当日、楽しみにしてます」

 

これまで旧友は、こちらからのメールに対して概ね数十分以内に返信してくれていたのですが、このメールに対して返信があったのは、半日以上経った翌日の午前中でした。

しかも、かなり意外な内容で。

「せっかく予約してくれたのに申し訳ないが、これは私には高級すぎるなぁ。

さすが◯◯君、というハイレベルです。

世界が違うのかな、という気がする。

あと、もうひとつ、ごめんなさい。

やっぱり、新しい仕事が決まってからにさせてください。

そのほうが落ち着いて明るく話せるかなと。

こちらから声かけておいて、ほんとにすいません。

 

「ハイレベル」とか「さすが◯◯君」とか「世界が違う」とか「仕事が決まってから」とか色々言ってますが、要するに、店が高級すぎて気に入らないだけでなく、実はサシ飲み自体に気乗りしていなかったのかもしれません。

だとしたら、お互いにいい歳こいた大人なわけですから、早い段階で「仕事が決まったらぜひ会おう」と“社交辞令”化しておいてくれれば、こちらだって不要な深追いをせずに済んだのです。

それを、「サシ飲み、ぜひ!」「来週ならいつでもオーケー」などと返され続けたら、話がどんどん具現化していくに決まっています。

 

そんなメールを真に受け、土日ぶっ通しで「あいつは学生時代、食い物の好き嫌いとかあったっけ? 個室があった方がいいかもな。できれば時間制限のない店にしておきたいよね」などとプランニングしまくった私が、我ながらあまりにバカバカしく、かつ哀れに思われてきました。

さらにうがった見方をすれば、「世界が違う」あたりの文言には「あれ、これって、もしかして、ディスられてる?」という印象すら感じるわけです。

だいたいにおいて、50を過ぎたオッサン同士が久しぶりに再会するに当たり、「予算4,000円台の店」をチョイスして「高級すぎる」と言われるとは、夢にも思いませんでした。

こんなことで「お前とは住む世界が違う」みたいなことを言われるぐらいなら、1杯100円グラスワインが飲めるサイゼリヤさんでも選んでおくべきでした。

 

さて、もらった辞退メールを放っておくわけにもいきません。

その辞退メールについては、かなり失礼だと思う一方、行間に、

「何に対してかは分かんないけど、気後れしてしまったんだよね。無職だからかな? 情けないよね、オレ…」

のような負い目ニュアンスを感じてしまったこともあり、あまり攻撃的な文面にならないように気をつけながら返事を出してみました。

飲み放題付きで4000円コース」とかもあるけど、それでも高すぎだった?

具体的な予算感を確認し合った方が良かったかもしれませんね…。

ただ、これだけは言わせて下さい。

久々にK君から連絡をもらい、メール上で近況を確認し合い、

『久々だから一度会いましょう』と投げかけさせてもらい、

『来週ならいつでもOK』とのことだったのでお店を探して予約したのだが、『仕事が決まってから』ということであれば、もっと早く教えて欲しかった。。

一方で、やりとりしたメールを読み返してみたら「◇◇の土地勘がないから連絡してみた」とのことだったので、K君が期待していたのは「情報提供」であって、もしかするとサシ飲みのお誘い自体が迷惑だったのかも…と、内省している。。

いずれにせよ、具体的な予算を確認しなかったことはお詫びします。

(でも、それだけのことで「世界が違う」と一線を引かれてしまうと、正直やるせないですけどね。。。)

いい仕事が見つかりますように。

 

要するに、学生時代にあれだけ仲良く遊んだ人間から、30年の時間を経た後に「世界が違う」とレッテル貼りされたことが相当ショックだったということです。

よって「なるべく穏便に書いてはみたけど、絶縁宣言と受け止められたとしたら、それはそれでしょうがない」という気持ちも混ざっていたかもしれません。

 

すると、K君からこんなレスが。

気分を損ねてしまったようで、すみませんでした。

きょうもさっきまで「◇◇で働くUIJターン応援面接会」に行ってきました。

転職の一件が落ち着いて、気持ちがもう少しすっきりしたら、後日、ゆっくりお話ししたいです。

すみませんでした。

 

まぁ、「サシ飲み」を持ちかけた最初の段階でこの反応を返してくるべきだったかと思われます。

いずれにせよ、こっち側の落胆は、あまり伝わっていないかもしれません。。。w

 

果たして、転職が決まったらK君は連絡してくるのでしょうか。

仮に連絡をくれたとして、ゆっくり話すべきネタが、我々の間に見つかるのでしょうか。

 

 

ということで、

「50歳ともなると、過去に親しくしていた人の中にも、疎遠になってしまう人が増えてくる」

「早期リタイア後に、疎遠にしていた旧友と連絡がつくのは、うれしくもあり、恥ずかしくもあり」

「でも、お互いのライフステージの変化が、両者の関係に(自分が望むと望まざるとにかかわらず)影響を与えることもある」

「時間は残酷」

というお話でした。

 

 

 

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