私の資産管理・運用遍歴〜その11:資産グラフの精緻化期

「サラリーマン時代に蓄えたなけなしのお金を、この先どう使っていくか」をあれこれ考えて実践してきた行動記録の11回目です。

前回は、「とあるIFA(金融商品仲介業者)さんからの『貯蓄の9割以上を、投資信託(ファンド)で一気に運用しましょう』という提案を断る」ところまでお伝えしました。

これにともない、資産運用の方針について、またイチから考え直すことになったのですが、やみくもに動き出す前に、保有資産の今後の状況を、最新データで試算し直してみることにしました。

「早期リタイア3年前」に試算したグラフのおさらい

まずは、以前(リタイアの3年前に)作った100歳が終わるまで、かつ月単位資産の増減を確認できるグラフ」を改めてご覧下さい。

横軸は期間(100歳終了まで)です。タテ軸は、シミュレーションの対象期間内において保有資産が最大と推定された時点の金額を100とした「百分比」にしてあります。

この時点で、シミュレーションに反映した要素や条件は、以下のようなものです。

  • 早期リタイアを「3年後」とし、リタイアするまでの期間は資産は増えないと想定。(左はじの横ばい推移の部分です)
  • 早期リタイアに伴い、退職金を受け取る。(受取見込み額を勤務先の就業規則などで確認済み)
  • 退職金で跳ね上がった部分を、生涯における「保有資産の最大値」であると想定。
  • リタイア後の50歳〜60歳までの間は特段収入がないため、毎月同額の生活費(=支出)のみが発生し、その「資産の切り崩し」によってほぼ一直線にグラフの下降が始まる。
  • 60歳から個人年金」が10年にわたって支給開始されるため、その間はグラフの傾きはわずかに緩やかに推移。
  • 同じく60歳から「生活費(=支出額)」を「1割減」とする前提で試算したため、それによって傾きがさらに緩やかに推移。(医療費が増える一方、食費・旅行・耐久財の消費が減ると予想し、差し引き1割減としてみました)
  • 65歳になると、公的年金(厚生年金&国民年金)の支給が始まる。
  • 70歳には個人年金の支給が終わり、「収入は年金のみ」「支出は毎月固定額」という想定のため、以降のグラフの傾きは、再度ほぼ一直線となる。

その結果、「資産が尽きるのは94歳と7ヶ月目」と試算されたため、そのタイミングを何とか100歳が終わる頃まで先送りできないか、というのが元々の大命題でした。

早期リタイア後、最新データで再試算してみたら…

さて、リタイア前にシミュレーションした前述の「当初の計画値グラフ」ですが、その後、実際にリタイアしたことにより、想定金額のいくつかは「確定値」に変わりましたし、さらに精緻な見込み額を入手できたりしましたので、それらをすべて反映した「精緻化グラフ」を「当初の計画値グラフ」に重ねてみました。

それが、これです。↓

グリーンの線が「精緻化(された)グラフ」です。「当初の計画値」に比べ、なぜか、すでに著しく改善してる(ように見える)んですけど…

これによると、資産運用などせずに、このまま蓄えを切り崩していくだけでも、グラフの右端(100歳の最終月)においてお金がMAX値の1割弱は残っているという試算になっているのです。

これほどまで「当初の計画値」と乖離した(改善したように見えてしまう)理由を整理すると、だいたい以下の点に集約できます。

  • 「早期リタイアまでの直前2〜3年間は、資産は増えずに横ばい」と想定しましたが、それなりのポジションに就いていたこともあり、賞与などがプラスに影響し、実際の資産は着実に増えていました。(グラフでも確認できます)
  • 50歳の12月でリタイア」を考えていましたが、実際には「翌年3月(年度末)でのリタイア」となったため、「退職金によって資産が一気に増えるタイミング」がわずかに右方向にズレました。
  • 退職金によって、確かに資産は一気に増えましたが、「当初の計画値」のピークにわずかに届きませんでした。これは「退職金にかかる税金を加味していなかった」ことが原因です。
  • リタイア後の数ヶ月間は「雇用保険手当(=失業手当)」をいただくことができました。これは当初想定していませんでした。
  • リタイアした後、近所の「年金事務所」で「今見込める年金受取額」を確認したところ、サラリーマン時代・晩年の高給(=年金保険料の高負担)が功を奏し、「当初の計画値」を超える額がもらえそうなことが判明しました。
  • 「当初の計画値」では「確定給付企業年金」の存在をまったく意識していませんでした。これを退職金と合わせて一気にもらうこともできましたが、人事担当者によると「60歳から10年間の年金として受け取るほうが、運用益が加算されてお得」ということでしたので、その分の支給年金額が60〜70歳の間で加算されています。

この「精緻化グラフ」の弱点を敢えて考えると?

ということで、「なんだ、もう、これで安心じゃん。リタイア後は呑気に暮らせるじゃん」と言われるかもしれませんが、これはあくまでも試算&シミュレーションの世界の話ですから、実際この通りに切り崩しが進捗する保証など、どこにもありません。

特に、「体を壊して長期入院する」など、本人に起因する不測の事態ならばまだ諦めもつきますが、世の中の環境変化とか経済動向などに起因する不測の事態については、自分ではどうすることもできません。

そんな観点でこの「精緻化したグラフ」を眺めてみて、いくつか弱点を洗い出してみました。(下記以外にもいっぱいあるかもしれません)

  • 公的年金の制度変更によって、支給開始時期の後ろ倒し支給額の削減などがあるかもしれない点。(さすがに「1円も支給されない」ことはないと思いますが)
  • 年金系の収入しかない点。(なにか少しは「自分で稼ぐ」ことも必要なような気もしました)
  • 資産のほぼ全てが「日本円の普通預金」であることに変わりがない点。(インフレで物価が上がっていくと、その分資産が目減りしたのと同じ影響を受けます)
  • 同様に、円という通貨に一極集中していて「通貨分散」という視点が抜けている点。

およそ、こんなところかと思います。

とはいえ、100歳終了時点で「資産MAX額の1割弱」が残っているんだったら、それでじゅうぶんやっていけそうな気もしますし、それよりも前の時点で、日本円の価値がゼロになるような経済破綻は起きないんじゃないかという気もします。(願望も混ざってますね…)

いずれにせよ、当面はこのまま普通に暮らしていけそうなことがハッキリしましたので、今度こそ「業者さんではない『真の相談相手」をじっくり探すことにしました。

その辺については、また次回にでもお伝えできればと思います。

(このシリーズも、そろそろ終わりが見えてきました)