昨日(2024年7月10日)のNHK「クローズアップ現代」で、(自分にとっては)大変興味深い特集を放送していました。
高齢者の終活の一環として「高齢者等終身サポート事業」を手掛ける民間事業者が全国に拡大していて当事者から重宝がられている一方で、監督官庁もなく、規制する法律もないため、トラブルも目立つようになってきたんだそうです。
自分も中年おひとり様の端くれとして、将来(というか人生のエンディング)に向けて気がかりなことはいくつもあります。
- 資産運用をこれから先も続けていき、高齢になっても経済的になんとか自立できていたとして、引き続き賃貸住宅を借り続けられるか。(今の家に住み続けたい)
- 介護施設の入所手続きや急病による入院時に、誰に身元保証をしてもらうのか。(さすがに野垂れ死には嫌だ)
- それ以前に、そういう緊急事態に陥った際、誰に連絡すればいいのか、そもそも誰が気づいてくれるのか。(事故物件化に加担したくない)
- だいたいにして、認知症になってしまったら「介護・医療・金融・行政・各種契約」などの膨大な手続きをどうすればいいのか。(他人とか、ヘタをすると最悪身内から適当にあしらわれたり騙されたくない)
- 「尊厳死」的なことをどうやって意思表明すべきか。(無駄な延命は不要だが、たとえ余命に影響したとしても徹底的な緩和ケアはしてほしい。痛い・苦しいは大嫌い)
- 死んでしまったあとの自分の葬儀とかはどうでもいいけど、遺骨の取り扱いなどを誰に託せばいいのか。(遠い実家のお墓に入れられてもなぁ…)
- 死後、仮に蓄えが残ったとして、相続とか遺贈とかをどうするか。(あげたい人もいるし、そうでない人もいるかもしれないしw)
- そのために遺言が必要だとして、どう書いて、どうやって保管して、その存在を誰に伝えて、誰に執行してもらうのか。(書いても無視されたら意味がない)
などなど、考えれば不安の種はつきませんし、だからこそ日頃そういったことを極力シカトして(気づかないフリをしながら)のんきに生活しているわけです。
それらを自治体の行政サービスや関連する士業の力をお借りして、「遺言などの公正証書作成」「身元保証」「見守りサービス」「成年後見人契約」などを組み合わせることで、部分的・単発的に解決することもできるのでしょうが、相談先や手続き窓口ばかりが増えてしまいそうで、さらに億劫になってきます。
それを、いわばワンストップ的にまるごと請け負ってくれる終身サポート業者があるんだとしたら、そりゃぁありがたいに決まっています。
ただ、最終的には自分の命とか財産の託し方を決める話になりますし、サポートを受けるためには(業者やサービスのレベルにもよりますが)契約時に預託金も合わせて、なんと200万円ぐらいかかるんだそうです。
まぁ、それでもサポートがきちんと機能するのであれば、ぼったくり価格とは言い切れない絶妙な価格体系なのかも。
一方で、法的にも未整備な業界で、監督官庁も決まっていないとなると、いよいよ業者さんに本格的に頼るタイミングで「追加料金を求められました」「知らないうちにサービス内容が改悪されてました」「預託金がネコババされてました」「業者が倒産してました」「返金されませんでした」ではシャレになりません。
で、国もようやく重い腰を上げたらしく、先月複数の省庁が連携して「高齢者等終身サポート事業に関するガイドライン」をまとめたとのこと。
こちらの消費者庁のページからガイドラインの本編、要約版、(業者の)チェックリストといった資料にアクセスできるようになっています。↓
「うーん、今のところあくまで消費者保護の一環として取り組んでいるレベルなわけかぁ。本格的な“終活法”とか“終活庁”に到達するには、まだまだ時間がかかりそうだなぁ」というのが正直なところではありますが、業者選びの参考にはなりそうなので、時間をみつけて一読してみようと思います。
ただし、こういう検討って、国以上に自分自身の腰が重くなりがちなので、「検討する前に入院することになりました。認知症になりました。死んじゃいました」みたいなマヌケな事態に陥りそうな気もします。
ワンストップな終活を確実に実現してくれる、良心的で格安の業者さんがどうか見つかりますように〜。(←あるのか、そんなとこ?)
【参考】
NHKさんの「クローズアップ現代」公式ページ。↓
NHK+の当該放送回「死後のこと誰に託しますか? “高齢おひとりさま”に安心を」の見逃し配信。↓
(配信期限は2024年7月17日午後7:57まで)
当該放送回の内容をまとめたWEB特集記事「『努力だけではどうにもできない…』誰に託す?人生の重大局面」ページ。↓
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